
昨年地方馬が初勝利
小回りコースで行われる1400m重賞。加えて、ハンデ戦ということが予想を難解にし、過去10回のうち半数で3連単万馬券となっている。また、ほぼ毎年のように地方馬が3着以内に入り、昨年はフォーヴィスム(川崎)が勝ち、創設から24年目にしてついに地方馬初優勝となった。ここでは2015~24年の過去10回から傾向を見ていく。
最も勝利を挙げるのはJRA栗東所属馬。栗東トレセンからは馬運車で約1時間で、JRA阪神競馬場より近いという立地条件だ。栗東の馬には栗東所属のJRA騎手が騎乗することが多く、未勝利や1勝クラスの条件交流レースで園田騎乗経験のあるケースも多い。地方では川崎が1、2着各1回で、昨年地方馬として初勝利を挙げたフォーヴィスムと2020年2着ベストマッチョ。他にも地元兵庫、岩手、北海道、高知から3着以内に入り、地方馬が3着以内に入ったのは過去10回で8回ある。[表1]
| 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
| JRA栗東 | 8 | 7 | 4 | 15 | 23.5% | 44.1% | 55.9% |
| 川崎 | 1 | 1 | 0 | 1 | 33.3% | 66.7% | 66.7% |
| JRA美浦 | 1 | 0 | 1 | 3 | 20.0% | 20.0% | 40.0% |
| 兵庫 | 0 | 1 | 2 | 37 | 0.0% | 2.5% | 7.5% |
| 岩手 | 0 | 1 | 0 | 3 | 0.0% | 25.0% | 25.0% |
| 北海道 | 0 | 0 | 2 | 5 | 0.0% | 0.0% | 28.6% |
| 高知 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% | 50.0% |
| 上記以外 | 0 | 0 | 0 | 16 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
単勝1・2番人気は【6・5・4・5】で勝率30.0%、連対率55.0%、3着内率75.0%で、毎年1頭は3着以内に入っている。3連単の配当は組み合わせ次第で万馬券。『1番人気+4番人気以下』という組み合わせでワン・ツー決着となるか、1番人気が4着以下に敗れた場合の5回で万馬券となった。なお、最も人気薄での3着以内は2019年9番人気で3着のサクラレグナム(高知)。ハンデ53kgとはいえ、10歳馬で単勝85.7倍だった。[表2]
| 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
| 1番人気 | 3 | 2 | 3 | 2 | 30.0% | 50.0% | 80.0% |
| 2番人気 | 3 | 3 | 1 | 3 | 30.0% | 60.0% | 70.0% |
| 3番人気 | 1 | 2 | 1 | 6 | 10.0% | 30.0% | 40.0% |
| 4番人気 | 3 | 2 | 1 | 4 | 30.0% | 50.0% | 60.0% |
| 5番人気 | 0 | 0 | 2 | 8 | 0.0% | 0.0% | 20.0% |
| 6番人気以下 | 0 | 1 | 2 | 58 | 0.0% | 1.6% | 4.9% |
地方馬がほぼ毎年のように3着以内に入る一因には、当レースがハンデ戦という点がある。3着以内に入った地方馬9頭のうち7頭がハンデ54kg以下、残り2頭は2015年3着ポアゾンブラック(北海道)と20年2着ベストマッチョ(川崎)でいずれも56kgだった。一方で高ハンデ馬に目を向けると、タイを含むトップハンデを背負った馬は【2・4・1・5】で勝率16.7%、連対率50.0%、3着内率58.3%。3着内率は悪くないが、勝つまでは難しい。またトップハンデの中でも過去10回で最も重たい60kgを背負った24年ラプタスは11着だった。[表3]
| 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
| 53kg以下 | 0 | 1 | 4 | 45 | 0.0% | 2.0% | 10.0% |
| 54kg | 1 | 1 | 0 | 7 | 11.1% | 22.2% | 22.2% |
| 55・55.5kg | 0 | 0 | 0 | 8 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
| 56kg | 1 | 1 | 1 | 7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
| 57・57.5kg | 4 | 1 | 3 | 7 | 26.7% | 33.3% | 53.3% |
| 58・58.5kg | 3 | 1 | 1 | 5 | 30.0% | 40.0% | 50.0% |
| 59・59.5kg | 1 | 5 | 1 | 1 | 12.5% | 75.0% | 87.5% |
| 60kg | 0 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
過去10回で4頭が複数回、3着以内。ドリームバレンチノ(2015年2着、16年2着)、サクセスエナジー(18年2着、20年1着、22年3着)、ラプタス(20年3着、21年2着、22年1着)、サンライズホーク(23年1着、24年2着)でリピートは連続した年には限らなかった。リピーターが活躍するレースではあるが、上位入着馬の年齢層はそこまで高くなく、ボリュームゾーンは4~7歳。8歳以上は【0・2・2・16】。また、3歳馬も12頭が出走して勝ったのは19年デュープロセスのみだった。

当レースと同じ地方のダート1400mで行われるJpnIII(黒船賞、サマーチャンピオン、テレ玉杯オーバルスプリント)をその年に勝ったJRA馬は【4・2・2・0】で勝率50.0%を誇る。いずれも小回りコースを1周する舞台設定。該当馬がいれば、積極的に狙いたい。なお、この3競走のいずれかを同一年に勝った地方馬は4頭が出走したが、すべて4着以下。その点は注意が必要だ。
(文・大恵陽子)

1着
2着
3着
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。