ダートグレード競走を中心としたレースハイライトや、シリーズ競走等の特集、各種連載など盛りだくさんの情報をお届けします。
font
標準

連載

浅野靖典の全国馬美味(ウマウマ)行脚」地方競馬にまつわる「ウマいもの」を毎月ご紹介!
“鉄人”佐々木竹見の見解」佐々木竹見元騎手がダートグレード各競走を“鉄人”の目線で鋭く解説!
高橋華代子の(続)気になるあの馬は…」引退後や転厩した名馬の近況を愛あふれる文章でご紹介!
REWIND 90's」当時の写真や映像を交えて90年代の名勝負を振り返ります!

東京スプリント~さきたま杯(第95回)

東京スプリントJpnⅢ

 グレイスフルリープは、内のフラットライナーズが下げてくれたことですんなりとハナをとることができました。それでマイペースの逃げに持ち込むことができました。スタートダッシュがいいし、この馬は今回のように逃げたほうが強いレースをします。
 キタサンミカヅキは好スタートから下げて中団を追走しました。いつもは外から伸びてくるのですが、今回は馬群の中でした。直線を向いて外からウインオスカーに寄られて行き場をなくしそうになった場面もありましたが、それでもよく抜けてきました。末脚を使って、持ち味を発揮しました。
 ネロは直線で単独2番手に抜け出す場面もありましたが、ゴール前は案外伸びませんでした。好位につけて3コーナーあたりからずっと手が動いていましたから、いつもの行きっぷりではなかったかもしれません。
 サブノジュニアは互角のスタートでしたが、中団よりうしろまで下げました。4コーナーでは内を突いて、うまく経済コースを回ってきました。無理には勝負に行かなかったことで着を拾えたと思います。
 1番人気に支持されていたブルドッグボスは5着でした。好位の5番手あたりにつけましたが、道中ずっと追い通しでした。遠征もあって休みなく使い続けていますから、その影響もあったかもしれません。

かしわ記念JpnⅠ

 ゴールドドリームは、今年のフェブラリーステークスは、もう少しのところでノンコノユメに差されてしまいましたが、今回は5番手あたりから、いつでも前をとらえられる位置から進めました。ゴール前の力強い伸びが目立っていました。
 オールブラッシュは、セリかけて来る馬もなく、内目の枠だったこともあってすんなりハナをとれました。しばらく結果が出ていませんでしたが、今回はマイペースに持ち込んでよく粘りました。
 インカンテーションは、前半5番手あたりにつけていって、最後によく伸びていました。ただ大型馬なので器用さに欠ける面はあるかもしれません。
 ノンコノユメは、今回は意識して早め早めに進めていたと思います。4コーナー手前では先行集団のうしろにつけましたが、直線を向くところで、外を回ったこともあって置かれてしまいました。ゴール前では差を詰めていただけに残念でした。この馬はゆっくり後ろからついていっても直線で脚が使える東京競馬場のほうが合っていると思います。

さきたま杯JpnⅡ

 ノブワイルドの左海騎手が思い切ってハナをとりに行って、ネロと競り合いになりました。1400メートル戦でもこれほど競り合っていったのでは最後までもちません。
 勝ったサクセスエナジーは、前が速いと見ると、すぐに抑えて4番手からの追走でした。内を追走して、外に出すところがありませんでしたが、3コーナー過ぎでキタサンミカヅキが来たときに一緒に上がって行きました。最後は勝負強さを見せて、まだ4歳ですから、これから期待できそうです。
 キタサンミカヅキは、最初から下げて行きました。この馬はこれで正解です。3コーナー過ぎから一気に仕掛けていったのもよかったと思います。浦和コースで末脚勝負の馬は、このタイミングで行かないと間に合いません。前がハイペースになったぶん、末脚を生かすことができました。勝ったと思って見ましたが、あらためて見ると、前に出たのはゴールを過ぎてからでした。
 アンサンブルライフは普段は前に行く馬で、スタート後は的場騎手が追っていきましたが、さすがに前が速ったので控える形になりました。そのぶん、最後に伸びる脚が残っていて3着。的場騎手はうまく流れに乗ったと思います。
 グレイスフルリープは今回も絶好のスタートで、ノブワイルドとネロが競り合っているのを見て、武騎手はすぐに3番手に控えました。3、4コーナーでもまだ手応え十分に見えましたが、直線で追い出してからまったく伸びがありませんでした。
佐々木竹見(ささきたけみ)

元川崎競馬所属騎手。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。
引退後も2012年3月までNAR地方競馬全国協会参与として後進の指導にあたる等、地方競馬の発展に大きな役割を果たし続けている。

バックナンバー