データ分析 Data Analysis

王道を歩んできた全国の実力馬と、上がり馬が激突

ダービーシリーズが終了し、盛岡・ダービーグランプリに向けて行われるのが3歳秋のチャンピオンシップ。その第2戦は大井で実施される。3歳主要路線に参戦していた南関東勢を中心に、他地区の強豪が参戦。そして夏にかけて力をつけてきた馬もタイトルをかけて出走することが目立ち、秋の大一番へ駒を進める新たなスター候補が誕生するのか重要な位置づけとなっている。ここでは2012~21年の過去10回から傾向を見ていく。

■船橋と大井、遠征馬にも注意

大井と船橋が4勝で勝利数はトップだが、地元・大井は出走頭数も多いため、各項目の率が優勢な船橋を中心と考えるのが良策か。また南関東で行われる重賞の中では他地区からの遠征馬が健闘している点に注目。各地区の“ダービー”馬や、近3年で1勝、2着1回の北海道勢に関しては北海優駿(ダービー)、王冠賞でともに馬券圏に好走している実力があれば、台頭するチャンスがありそうだ。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
船橋 4 4 5 22 11.4% 22.9% 37.1%
大井 4 3 2 58 6.0% 10.4% 13.4%
川崎 1 0 0 13 7.1% 7.1% 7.1%
浦和 0 1 2 11 0.0% 7.1% 21.4%
他地区 1 2 1 22 3.8% 11.5% 15.4%

■波乱傾向は強いが、1番人気が信頼できる存在

過去10回のうち7回が3連単万馬券の決着と波乱含みの傾向だが、1番人気は8連対で5勝と信頼できる存在といえる。相手に人気薄が台頭するケースが多く、6番人気以下が馬券圏に好走したのは10頭。そのうちの8頭は南関東三冠や、牝馬三冠にあたる大きなレースで好結果を残せず、人気が落ちていた馬だった。1番人気を軸に、強豪相手に経験を積んできた馬が狙いどころ。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 5 3 1 1 50.0% 80.0% 90.0%
2番人気 3 1 0 6 30.0% 40.0% 40.0%
3番人気 0 1 1 8 0.0% 10.0% 20.0%
4番人気 0 0 2 8 0.0% 0.0% 20.0%
5番人気 1 1 1 7 10.0% 20.0% 30.0%
6番人気以下 1 4 5 96 0.9% 4.7% 9.4%

■外枠は割り引きが必要

1、2、5、6枠で大半の9勝をマークする反面、3、4、8枠は未勝利。ただし3、4枠は2着が4回ずつあり、極端に嫌う必要はなさそう。気に留める必要がありそうなのは2連対に留まる7、8枠で、羽田盃や東京ダービーで2着に好走する世代トップクラスの力を示して1番人気に支持された2015年のパーティメーカー(浦和)は3着、20年のブラヴ―ル(船橋)は11着に敗れている点を頭に入れておきたい。[表3]

[表3]枠順別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1枠 2 1 2 13 11.1% 16.7% 27.8%
2枠 2 0 0 18 10.0% 10.0% 10.0%
3枠 0 4 1 15 0.0% 20.0% 25.0%
4枠 0 4 0 14 0.0% 22.2% 22.2%
5枠 2 0 2 16 10.0% 10.0% 20.0%
6枠 3 0 3 14 15.0% 15.0% 30.0%
7枠 1 0 1 18 5.0% 5.0% 10.0%
8枠 0 1 1 18 0.0% 5.0% 10.0%

※2013年の4枠2頭は出走取消と競走除外

■ハイレベルな相手と戦ってきた56キロが有力

南関東グレードSI勝ち馬には3キロ、SII、SIII勝ち馬に2キロ、他地区の重賞馬は1キロがプラスされる重賞別定重量になっている。出走頭数はダントツに多いものの7勝、2着8回の56キロ組が好成績。勝ち馬7頭のうち3頭は前走ジャパンダートダービーJpnI・7着、別の2頭は東京ダービー、関東オークスJpnIIで連対、1頭は前走で古馬重賞に挑戦して2着に健闘していた。交流重賞などレベルが高い相手と戦ってきた馬が有力候補と考えていいだろう。[表4]

[表4]負担重量別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
54キロ 1 0 3 13 5.9% 5.9% 23.5%
55キロ 0 0 0 3 0.0% 0.0% 0.0%
56キロ 7 8 5 93 6.2% 13.3% 17.7%
57キロ 1 2 1 12 6.3% 18.8% 25.0%
58キロ 1 0 1 5 14.3% 14.3% 28.6%

勝つのはこういう馬!

1番人気が馬券の中心。各項目で高い率を残す船橋所属馬が優勢だが、勝利数で並ぶ大井や、他地区の“ダービー”馬が出てくるようなら軽視はできない。また、南関東三冠路線などで苦汁をなめてきた56キロの馬には要注意。

(文・前田 恒)

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。