フィナーレを迎える地方3歳馬の頂点
全国各地で行われる“3歳秋のチャンピオンシップ”の勝ち馬が優先的に出走可能。トライアルとファイナルの当レースとも制した馬にはボーナス賞金が用意されている。1996年にはJRA皐月賞馬イシノサンデーが勝つなどダートグレードだった時期もあったが、近年は地方全国交流として行われている。全日本的なダート競走の体系整備により、今年が最後の実施となる一戦を、2013~22年の過去10回から傾向を見ていく。
北海道3勝、南関東5勝。この2地区が優勢。2022年は北海道ワン・ツーで、3着大井、21年は南関東が3着以内独占となった。また、【表1】では「その他」に含まれているが兵庫は8頭が参戦し、2着1回、3着3回で3着内率50.0%と高い数値。地理的に長距離輸送のリスクを抱えながらの遠征で、その分、自信を持って参戦する陣営が多いことが一因だろう。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
北海道 | 3 | 3 | 1 | 7 | 21.4% | 42.9% | 50.0% |
船橋 | 3 | 1 | 0 | 6 | 30.0% | 40.0% | 40.0% |
大井 | 1 | 1 | 3 | 5 | 10.0% | 20.0% | 50.0% |
川崎 | 1 | 0 | 0 | 0 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
浦和 | 0 | 1 | 1 | 6 | 0.0% | 12.5% | 25.0% |
岩手 | 2 | 1 | 3 | 50 | 3.6% | 5.4% | 10.7% |
その他 | 0 | 3 | 3 | 14 | 0.0% | 15.0% | 30.0% |
※2020年は3着同着
3番人気以内が8勝と、一見人気決着のレースに見えるが、3連単の平均配当は1万3810円。最高は6万2360円、最低は650円と落差の激しい一戦となっている。2021年は前項のとおり南関東の上位独占だったが3連単3万円台とやや波乱に。しかし8番人気で1着のギガキング(東京湾カップ)、2着ジョエル(クラウンカップ)、3着セイカメテオポリス(戸塚記念)のいずれも南関東で重賞を勝った馬だった。22年は門別・王冠賞2着シルトプレ、1着エンリルがワン・ツーを決め(ただしシルトプレは鎌倉記念の優勝馬)、東京ダービー1、2着馬が揃って着外となったが、南関東で重賞を勝っていない南関東からの遠征馬が連対したことはないので注意したい。妙味があるのは前述の実績がありながら人気を落としている馬になるだろう。【表2】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 4 | 2 | 1 | 3 | 40.0% | 60.0% | 70.0% |
2番人気 | 2 | 1 | 2 | 5 | 20.0% | 30.0% | 50.0% |
3番人気 | 2 | 2 | 2 | 4 | 20.0% | 40.0% | 60.0% |
4番人気 | 1 | 2 | 0 | 7 | 10.0% | 30.0% | 30.0% |
5番人気 | 0 | 2 | 3 | 5 | 0.0% | 20.0% | 50.0% |
6番人気以下 | 1 | 1 | 3 | 64 | 1.4% | 2.9% | 7.2% |
※2020年は3着同着
ラスト開催となる今年のダービーグランプリの舞台は盛岡ダート2000m。そこで、同条件の過去4回の1コーナー通過順別成績を見てみると、連対したのはすべて6番手以内となっている。最も後ろの位置から勝ったのは2021年ギガキングの5番手から。逃げ馬から3~4馬身以内につけており、地方競馬でも最大クラスの1周1600mの広いコースではあるが、序盤から前付けできる先行力が求められる。【表3】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1~3番手 | 1 | 3 | 2 | 6 | 8.3% | 33.3% | 50.0% |
4~6番手 | 3 | 1 | 0 | 8 | 25.0% | 33.3% | 33.3% |
7~9番手 | 0 | 0 | 3 | 10 | 0.0% | 0.0% | 23.1% |
10番手以下 | 0 | 0 | 0 | 14 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
※2020年は3着同着
前項と同様、盛岡開催だった過去4回から馬番別成績を見ると3~5番が各1勝で、3着以内に入った13頭中10頭が6番より内だった。特に2020年は1着3番、2着5番、3着2番と全て6番より内。やや内めの枠が有利と言える。
まず実績からは北海道所属馬、南関東での重賞勝ち馬、兵庫ダービー上位入着馬。特に南関東で重賞を勝っていた馬は人気を落としていても狙うべきだろう。後方すぎると届かないため、ある程度先行力を持った馬が望ましい。
(文・大恵陽子)
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。