データ分析 Data Analysis

新競馬場での初代ダービー馬の称号を争う戦い!

東海優駿、東海ダービー、名古屋優駿と名前を変えた重賞は、2005年から再び東海ダービーという名称で実施。長らく名古屋競馬場の1900mで実施されてきたが、新しい競馬場がオープンした今年からは2000mが舞台になる。これから新たな歴史を刻んでいくことになるが、ここでは旧・名古屋競馬場で実施された12~21年の過去10回から傾向を見ていく。

■上位人気馬が優勢

過去10回のうち7回で単勝1番人気の馬が勝利。対して、2番人気に支持された馬が未勝利となっているのは気になるデータだ。2015年は3→6→2番人気の順で入って3連単が12万円を超え、12年は4→9→10番人気の順で入って3連単の配当が100万円を超えたが、それ以外の年は基本的に上位人気馬が優勢という結果になっている。[表1]

[表1]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 7 1 0 2 70.0% 80.0% 80.0%
2番人気 0 2 2 6 0.0% 20.0% 40.0%
3番人気 1 1 1 7 10.0% 20.0% 30.0%
4番人気 2 1 2 5 20.0% 30.0% 50.0%
5番人気 0 2 2 6 0.0% 20.0% 40.0%
6番人気以下 0 3 3 63 0.0% 4.3% 8.7%

■愛知と笠松はほぼ互角

2021年は笠松所属馬の出走がなかったが、それ以前は笠松所属馬が上位入線を果たすことがたびたび。出走数は愛知81頭に対して笠松27頭と1/3だが、率の上では愛知とそれほど変わらない数字を残している。[表2]

[表2]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
愛知 7 8 7 59 8.6% 18.5% 27.2%
笠松 2 2 2 21 7.4% 14.8% 22.2%
上記以外 1 0 1 9 9.1% 9.1% 18.2%

※16年までは金沢所属馬も出走できた(12年は福山所属馬も出走可能)

■今井貴大騎手が好成績

過去10回の東海ダービーでは、今井貴大騎手が4勝を挙げる好成績。6回の騎乗で5回も連対しているという実績には、新しい競馬場に舞台が変わっても注目する必要があるだろう。また、大畑雅章騎手も2勝をマーク。逆に愛知で何回もリーディングジョッキーに輝いている岡部誠騎手は、2008年の勝利が唯一となっている。[表3]

[表3]主な騎手の成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
今井貴大 4 1 0 1 66.7% 83.3% 83.3%
大畑雅章 2 1 1 5 22.2% 33.3% 44.4%
岡部誠 0 2 3 3 0.0% 25.0% 62.5%

■駿蹄賞に出走した馬に要注目

東海地区では駿蹄賞と東海ダービーが3歳馬における春の頂上決戦。他地区の馬が出走不可になった2017年以降では、前走が駿蹄賞だった馬が4勝、2着3回、3着1回と好成績を挙げている。また、2走前が駿蹄賞だった馬を加えると、2・3着が計7回。今年も駿蹄賞に出走していた馬には要注目だ。なお、駿蹄賞に出走せず、東海ダービーで3着以内に入った4頭はすべて2走前までに勝利していた。また、駿蹄賞で5~7着だった馬が3着以内に3頭入っている点も書き添えておきたい。[表4]

[表4]駿蹄賞出走馬の成績(東海地区限定となった過去5回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
前走が駿蹄賞 4 3 1 8 25.0% 43.8% 50.0%
2走前が駿蹄賞 0 0 3 17 0.0% 0.0% 15.0%
駿蹄賞に不出走 1 2 1 19 4.3% 13.0% 17.4%

勝つのはこういう馬!

過去10回の優勝馬のうち、前走が1着だった馬は7頭。そのほかの3頭には、2走前までに重賞を勝利していたという実績があった。新しい競馬場で距離も変わるが、実績がある馬が優勢という傾向が続く可能性は十分にありそうだ。

(文・浅野靖典)

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。