データ分析 Data Analysis

南関東の3歳頂上決戦

8つの競馬場で行われる“ダービー”競走で構成されるダービーシリーズ。当レースは南関東三冠レースの2戦目にあたり、文字通り南関東3歳王者を決める一戦。地方競馬の一時代を築いたトーシンブリザードやアジュディミツオーが歴代の勝ち馬としてその歴史に名を刻んでいる。7月に行われるジャパンダートダービーJpnIで地方代表としてJRA勢を迎え撃つべく、熱い戦いを繰り広げる。ここでは2012~21年の過去10回から傾向を見ていく。

■船橋と大井の活躍が目立つ

出走頭数が多いため率こそ突出したものではないが9連対の船橋と、7連対の大井が優勢。特に林正人厩舎(船橋)は、2013年インサイドザパークで勝利し、20年エメリミット、21年アランバローズで連覇。また川崎勢は12~18年までは馬券圏なしと好成績を残せていなかったが、19年はヒカリオーソがV、20年はマンガンが2着と近年は侮れない存在となっている。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
船橋 5 4 3 41 9.4% 17.0% 22.6%
大井 3 4 5 45 5.3% 12.3% 21.1%
浦和 1 1 2 17 4.8% 9.5% 19.0%
川崎 1 1 0 20 4.5% 9.1% 9.1%

■上位人気馬が中心も、紐荒れ注意

1~3番人気が上々の成績を残しているように上位人気馬の信頼度が比較的高い。ただし、上位人気馬同士の決着は少なく、3連単が万馬券とならなかったのは過去10年で3回のみ。2016年の3連単70万円を筆頭に紐荒れ傾向が多く見られる。上位人気馬を中心に、好配当を目指すかたちが得策だ。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 2 2 2 4 20.0% 40.0% 60.0%
2番人気 2 1 2 5 20.0% 30.0% 50.0%
3番人気 2 1 1 6 20.0% 30.0% 40.0%
4番人気 1 0 1 8 10.0% 10.0% 20.0%
5番人気 0 1 1 8 0.0% 10.0% 20.0%
6番人気 1 3 0 6 10.0% 40.0% 40.0%
7番人気以下 2 2 3 86 2.2% 4.3% 7.5%

■羽田盃の1~3着馬がVの有力候補

過去10年で馬券圏に入った馬の前走は【表3】の通り。出走頭数は多いものの7勝、2着5回の羽田盃組が中心で、勝ち馬7頭はいずれも前走3着以内に好走していた。出走頭数が羽田盃に次いで多い東京湾カップ組は、2020年の覇者エメリミット(9番人気)、2着のマンガン(5番人気)。21年はギャルダル(12番人気)が2着に健闘しており、2年連続で連対して波乱を演出している。羽田盃組が人気の中心になることがほとんどだけに、配当的に妙味がありそうだ。[表3]

[表3]前走レース別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
羽田盃 7 5 8 49 10.1% 17.4% 29.0%
東京湾カップ 1 3 1 35 2.5% 10.0% 12.5%
京浜盃 1 0 1 1 33.3% 33.3% 66.7%
東京ダービーTR 0 1 0 11 0.0% 8.3% 8.3%
JRA所属 1 1 0 1 33.3% 66.7% 66.7%

■7枠からの勝ち馬多数。牝馬は割り引きが必要

東京2歳優駿牝馬と東京プリンセス賞を勝ったカイカヨソウを筆頭に14頭の牝馬が参戦してきたが、牡馬の厚い壁に阻まれることがほとんど。馬券圏内は羽田盃2着をステップにここに臨んだ2012年エミーズパラダイスの3着が1回のみ。牝馬の中で一線級の力を示していたとしても苦戦傾向で、羽田盃で3着以内に好走するような実績がないと厳しそうだ。また、外枠勢の活躍が目立つ点も特徴で、7枠と8枠だけで実に7勝。その内6勝が7枠と抜群の成績を収めている。[表4]

[表4]3着以内馬の枠番(過去10回)

12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年 21年
頭数 16 14 15 16 15 15 16 16 14 16
1着 7 7 8 7 3 7 7 7 1 5
2着 2 5 5 8 6 6 6 6 2 4
3着 2 8 1 7 8 3 4 5 5 7

※14年5枠10番、20年1枠1番、8枠16番は競走除外
※16年4枠8番、17年8枠15番は出走取消

勝つのはこういう馬!

一冠目の羽田盃1~3着馬が順当にV有望。なおかつ船橋所属か大井所属で、7枠に入れば◎だろう。

(文・前田 恒)

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。