データ分析 Data Analysis

園田・姫路の3歳チャンプ決定戦

地元馬同士で行われる園田・姫路競馬の3歳頂上決戦。過去の優勝馬には兵庫三冠馬ロードバクシン(当時は園田ダービー)や2008年佐賀記念JpnIII優勝のチャンストウライ、全国に遠征して活躍したオオエライジンなど、のちの活躍馬が名を連ねる一方、JRAに移籍してオープン勝ちなど活躍したポアゾンブラックや、20年、21年と2年連続で園田・姫路競馬の年度代表馬に選ばれたジンギがともに1番人気で敗れるなど、一筋縄ではいかない一戦。ここでは12~21年の過去10回から傾向を見ていく。

■人気馬は信頼も、雨中決戦では波乱も

過去10年中7年で3番人気以内の馬が勝利。3着内率は1番人気70.0%、2、3番人気各60.0%と上位人気の信頼度は高い一方、2016年は6番人気ノブタイザン、20年は7番人気ディアタイザンが優勝。ともに雨が降りしきる中、重馬場で行われており、当日の天候や馬場状態によっては伏兵の台頭も見込まれる。特に16年は最後方から9番人気トウケイヘイゾウが3着に突っ込み、3連単は60万4140円という波乱の結果となった。[表1]

[表1]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 3 3 1 3 30.0% 60.0% 70.0%
2番人気 2 3 1 4 20.0% 50.0% 60.0%
3番人気 2 1 3 4 20.0% 30.0% 60.0%
4番人気以下 3 3 5 78 3.4% 6.7% 12.4%

■各馬の出方を見られる中枠がベスト

馬番別で勝率、連対率、3着内率すべてが高いのは5番~8番。舞台となる園田1870mは向正面に入ってすぐのスタートで、バックストレッチいっぱいを使ってポジション争いができるため、極端な枠よりも内外の各馬の出方を見ながら運べる中ほどの枠がいい。[表2]

[表2]馬番別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1~4番 3 2 2 33 7.5% 12.5% 17.5%
5~8番 5 3 6 26 12.5% 20.0% 35.0%
9~12番 2 5 2 30 5.1% 17.9% 23.1%

※12年のみ11頭立て

■逃げ有利も、ハイペースになりやすく差し決着も

1周1051m、ゴールまでの直線距離は213mと小回りの競馬場とあって、過去10年で逃げ馬が5勝と好成績。一方で、世代頂上決戦とあって各馬の意識が前へと集まりやすくハイペースになる年もあり、そうなると差し馬も届く。2018年は前3頭が飛ばす展開で、最初のコーナーを7番手で回ったコーナスフロリダが勝ち、離れた4番手でマイペースに運んだ8番人気テクノマインドが3着に粘った。[表3]

[表3]脚質別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
逃げ 5 3 1 10 26.3% 42.1% 47.4%
先行 1 4 3 22 3.3% 16.7% 26.7%
差し 4 2 3 31 10.0% 15.0% 22.5%
追込 0 1 3 26 0.0% 3.3% 13.3%

■菊水賞からの巻き返しに注意

園田・姫路競馬では2歳時に園田ジュニアカップを、3歳では菊水賞を勝った馬が重賞戦線で中心的存在となることが多いが、近6年の兵庫ダービー勝ち馬は菊水賞で敗戦を喫したのち、巻き返しに成功している。特に近3年は兵庫ダービーが重賞初制覇。この時期の3歳馬は肉体面だけでなく、レース内容も一戦ごとに大きく成長が見込まれるだけに、重賞実績が乏しいからといって見切るのは早計だろう。また、過去10年で3着以内に入った計30頭中23頭が5月に最低1戦をしている。

勝つのはこういう馬!

まず狙いたいのは、レース内容や着順(着差)に進化が見られるような充実一途の馬。2019年優勝のバンローズキングスは菊水賞6着に敗れたことがきっかけで兵庫チャンピオンシップJpnIIでチークピーシズを着用し3着と効果を見せると、兵庫ダービーでも継続着用して勝利を収めた。また、21年優勝のスマイルサルファーも兵庫ダービーに向けて徐々に着差・レース内容ともに進化しての勝利だったように、重賞実績がなくても巻き返しが可能。できれば中枠を引きたいところで、逃げ馬の場合は同型馬の存在に注意。

(文・大恵陽子)

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。