2023年5月28日(日) 佐賀競馬場
九州ダービー栄城賞
右 2000m 18:15発走
九州ダービー栄城賞 ゴール前

データ分析 Data Analysis

歴史ある佐賀3歳王者決定戦

ダービーシリーズ2023の開幕戦・九州ダービー栄城賞は、今年で第65回と佐賀で最も長い歴史を誇る重賞。22年に1着賞金が1000万円となったが、23年は2000万円と倍増され、3歳三冠達成ボーナスが新設された。佐賀(九州)3歳三冠の二冠目にあたり、荒尾競馬廃止後の2012年以降では3頭の三冠馬が誕生している。ここでは13~22年の過去10回から傾向を見ていく。

■勝利は北海道か佐賀デビュー馬

デビュー地別の成績では、北海道(門別)6勝、佐賀4勝。ともに出走40頭以上と多いものの、勝ち馬はどちらかから出ており、2018年に現行の3歳三冠体系となってからの三冠馬2頭はいずれも北海道デビューだった。JRA未勝利からの転入馬は収得賞金が少ない場合が多く、下級から連勝続きで出走が叶っても、トップ級との初対戦で壁にぶつかる傾向が見られ、勝ち馬は2000年以降でも1頭(11年)しか出ていない。【表1】

[表1]デビュー地別の成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
佐賀 4 3 6 29 9.5% 16.7% 31.0%
北海道 6 3 1 34 13.6% 20.5% 22.7%
地方その他 0 1 1 5 0.0% 13.0% 21.7%
JRA 0 3 2 18 0.0% 13.0% 21.7%

■1番人気は信頼できるが人気通りに決まりにくい

1番人気が5勝、3着3回で3着内率80.0%と信頼でき、単勝1倍台の圧倒的人気に応えるケースが多い。2番人気は3着内率60.0%、3~5番人気は20.0~40.0%とさほど信頼度は高くなく、上位人気3頭で決まったのは1回(2020年)だけ。6番人気以下は14年と22年に勝利したほか、10回中7回で馬券絡みがあり、人気薄の食い込みに警戒が必要だ。【表2】

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 5 0 3 2 50.0% 50.0% 80.0%
2番人気 1 3 2 4 10.0% 40.0% 60.0%
3番人気 1 2 1 6 10.0% 30.0% 40.0%
4番人気 1 1 0 8 10.0% 20.0% 20.0%
5番人気 0 2 0 8 0.0% 20.0% 20.0%
6番人気以下 2 2 4 58 3.0% 6.1% 12.1%

■牡馬は成長力、牝馬は勢いを重視

勝ち馬の性別は牡馬6勝、牝馬4勝とほぼ互角。佐賀皐月賞が一冠目となった2018年以降では、牡馬はスーパージェット(18年)、イカニカン(22年)とも栄城賞が重賞初制覇と成長力を示しての勝利。一方、牝馬の勝ち馬は3頭中2頭(19年スーパージンガ、21年トゥルスウィー)が花吹雪賞、ル・プランタン賞を勝利し、残る1頭(21年トップレベル)は両重賞とも2着と勢いがあり、性別で傾向が分かれている。【表3】

[表3]性別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
牡馬・セン馬 6 7 4 46 9.5% 20.6% 27.0%
牝馬 4 3 6 40 7.5% 13.2% 24.5%

■佐賀皐月賞組が最有力

佐賀皐月賞が一冠目となった2018年以降の過去5回では、佐賀皐月賞、トライアル(鯱の門特別、くすの栄橋特別)の3競走の1着馬に九州ダービー栄城賞の優先出走権が与えられていたが、今年はくすの栄橋特別は実施されない。重賞・佐賀皐月賞の勝ち馬が【2-0-2-1】と安定した成績。佐賀皐月賞馬が敗れた3回の勝ち馬は、佐賀皐月賞からの巻き返しが2頭、B級特別からの参戦が1頭。鯱の門特別の勝ち馬は2着3回までとなっている。

勝つのはこういう馬!

佐賀皐月賞が一冠目となって以降、2019年スーパージンガ、21年トゥルスウィーと、二冠馬が2頭誕生(ともにのちに三冠達成)。20年のトップレベルは佐賀皐月賞2着、23年のイカニカンは同7着で、5回中4回で佐賀皐月賞組が勝利と、同レースの出走馬が中心となる。ほかに、古馬B級で勝ち負けレベルのレースをした馬がいれば、有力候補となりうる。

(文・上妻輝行)

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。