今年最初の南関東2歳重賞
2019年までは大井1400mを舞台に準重賞として行われていたが、20年からは南関東SIIIに格上げされた。同年の覇者アランバローズは、翌年の東京ダービーを制覇。ゴールドジュニアで4着のセイカメテオポリスは、戸塚記念を勝利と2頭のSIウイナーがいきなり出た。21年からは距離を1200mに短縮。今後も次世代のスター候補が誕生するのか注目の一戦。ここでは12~21年の過去10回の結果から傾向を分析する。
地元ということもあり出走は圧倒的に多いが、6勝を含む13連対の大井が数字のうえでは優勢。ただし、率で見てみると船橋が優秀で、重賞に格上げされた2020年はアランバローズとマカベウスでワンツーを果たしている。21年は大井が3着までを独占と攻勢。傾向からは大井と船橋の一騎打ちの様相。【表1】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
大井 | 6 | 7 | 6 | 59 | 7.7% | 16.7% | 24.4% |
船橋 | 3 | 2 | 0 | 15 | 15.0% | 25.0% | 25.0% |
川崎 | 1 | 0 | 2 | 10 | 7.7% | 7.7% | 23.1% |
浦和 | 0 | 1 | 2 | 9 | 0.0% | 8.3% | 25.0% |
近2回こそ平穏な決着となっているが、過去10回のうち8回は3連単が万馬券。前走の内容がどんなに良かったとしても、まだ幼さを残す2歳馬だけに過信は禁物。1番人気が1勝しか挙げられていない点が2歳戦の難しさを物語っている。6勝を挙げる2番人気が目立っている以外は、特に大きな差は見られない。人気はそこまで気にする必要はなく、参考程度に留めておきたい。【表2】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 1 | 4 | 0 | 5 | 10.0% | 50.0% | 50.0% |
2番人気 | 6 | 0 | 1 | 3 | 60.0% | 60.0% | 70.0% |
3番人気 | 0 | 2 | 2 | 6 | 0.0% | 20.0% | 40.0% |
4番人気 | 1 | 1 | 3 | 5 | 10.0% | 20.0% | 50.0% |
5番人気 | 1 | 1 | 0 | 8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
6番人気以下 | 1 | 2 | 4 | 66 | 1.4% | 4.1% | 9.6% |
キャリア2戦でここに参戦してきた馬は6勝、2着5回。キャリア3戦は3勝、2着1回で、連対馬20頭のうち15頭がこのキャリアという点を踏まえると、ここを中心に据えるのがベター。ちなみに2015年Vのラクテ(大井)はキャリア5戦だったが、3連勝と勢いに乗っての参戦だった。また、デビュー戦を圧勝した馬が人気になるパターンをよく目にするが、キャリア1戦の馬は未勝利。過去の傾向からは割り引く必要がある。【表3】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1戦 | 0 | 1 | 3 | 20 | 0.0% | 4.2% | 16.7% |
2戦 | 6 | 5 | 4 | 29 | 13.6% | 25.0% | 34.1% |
3戦 | 3 | 1 | 1 | 18 | 13.0% | 17.4% | 21.7% |
4戦 | 0 | 2 | 2 | 13 | 0.0% | 11.8% | 23.5% |
5戦 | 1 | 1 | 0 | 10 | 8.3% | 16.7% | 16.7% |
6戦以上 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
馬券圏に好走した馬の前走着順を見てみると、勝ってここに臨んだ馬が有利で、勝利を目指すのであれば少なくとも連対はしておきたいところ。前走で3着以下の馬は一気に好走数が減っており、近走の勢いや調子の良さをうまく見極めたい。また、このレースは牝馬が36頭参戦しているが、2着2回、3着3回と苦戦。10勝を挙げる牡馬が地力を示す結果となっている。【表4】
1着 | 2着 | 3着 | |
前走1着 | 6 | 7 | 7 |
前走2着 | 3 | 1 | 1 |
前走3着 | 1 | 0 | 0 |
前走4着以下 | 0 | 2 | 2 |
大井か船橋の所属馬で、キャリア2戦か3戦なら好材料。また前走を勝っているか、もしくは2着なら信頼度はグッと高まる。どんなにデビュー戦で強い勝ち方をしていても、キャリア1戦でここに挑んできた馬は過信禁物。
(文・前田 恒)
注記
当ページの情報は、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。