データ分析 Data Analysis

佐賀2歳重賞第1弾は当地デビュー馬限定

佐賀競馬では今年から12月に、牝馬限定のフォーマルハウト賞(西日本地区交流)が新設され、2歳重賞は計3レースになる。なかでも、もっとも歴史が長いのが1990年創設のこの九州ジュニアチャンピオン。2018年に佐賀の重賞体系変更により距離が1750mから1400mに短縮されている。ここでは現行条件となった18年以降を中心に、1750m時代を含めた12~21年の過去10回から傾向を見ていく。

■1番人気は3勝のみで波乱傾向

1、2番人気が各3勝。3番人気が2勝。5、6番人気が各1勝と勝ち馬の人気は割れている。上位人気3頭で決まったのは2020、21年のみ(21年は1着3番人気、2着2番人気で、1番人気と10番人気が3着同着)。ここ2回は人気サイド決着の傾向はあるものの、人気薄の台頭は常に考えに入れておきたい。しかし、6番人気以下で3着以内に入った馬はデビュー戦では連対していたケースが多く、初戦で好勝負できていなかった馬となると狙いづらい。[表1]

[表1]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 3 0 2 5 30.0% 30.0% 50.0%
2番人気 3 3 0 4 30.0% 60.0% 60.0%
3番人気 2 2 3 3 20.0% 40.0% 70.0%
4番人気 0 1 1 8 0.0% 10.0% 20.0%
5番人気 1 2 0 7 10.0% 30.0% 30.0%
6番人気以下 1 2 5 49 1.8% 5.3% 14.0%

注記:2021年は3着同着

■牡馬と牝馬は互角の戦い

牡馬4勝、牝馬6勝。3着以内の合計では牡馬14頭、牝馬17頭とわずかに牝馬優勢。しかし、牝馬の頭数自体が多いことを考えるとほぼ互角といっていいだろう。佐賀デビュー馬限定になった2018年以降は牝馬が4連勝中だが、いずれの年も牡馬が2着に入っている。[表2]

[表2]性別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
4 7 3 26 10.0% 27.5% 35.0%
6 3 8 50 9.0% 13.4% 25.4%

注記:セン馬の出走はなし

■6月までにデビューした馬優勢

佐賀競馬の新馬戦は5月中旬から下旬にかけてスタートする年が多いが、最速で4月27日(2014年)、最遅で6月25日(16年)とバラつきがあるため、6月以前とそれ以外の各月にデビューした馬の成績を見ていく。勝ち馬は6月以前が7頭、7月2頭、8月1頭と、早い時期にデビューして経験を多く積んだ馬が優勢という結果。ここ4回の3着以内馬は、6月以前が9頭(3勝、2着4回、3着2回)、7月が4頭(1勝、3着3回)で、8月以降はナシとその傾向はより強まっている。[表3]

[表3]デビュー月別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
6月以前 7 7 4 42 11.7% 23.3% 30.0%
7月 2 1 5 22 6.7% 10.0% 26.7%
8月 1 2 0 10 7.7% 23.1% 23.1%
9月 0 0 2 2 0.0% 0.0% 50.0%

■前哨戦の重要度が低下

九州ジュニアチャンピオンのステップ競走として同じ1400mの特別戦(例年、シリウス特別)が組まれている。1750m時代はそこで距離を体験しておくのは有利に働いたが、1400mとなってからは、シリウス特別より前にも2歳1組などでこの距離が組まれており、前哨戦の有利性は低下している。むしろ、2歳1組、2組で他地区からの転入馬と戦っての好走歴の方を重視したい。

勝つのはこういう馬!

佐賀デビュー馬限定になってからの4回ではJRA小倉のフェニックス賞に遠征した馬が4頭おり、うち3頭が3着以内(2勝)を確保。遠征後に佐賀に戻ってJRA認定2歳1組を勝っている馬がいれば重視したい。それが牝馬(4連勝中)なら勝利のイメージはより明確となりそう。なお今年のフェニックス賞には佐賀から2頭が出走している。

(文・上妻輝行)

注記

当ページの情報は、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。