未来につながる出世レース
無敗の兵庫ダービー馬オオエライジンや、レディスプレリュードJpnIIで2着同着のトーコーヴィーナスなど、勝ち馬からはのちの活躍馬も出ている。2008年に創設された重賞で、過去14回では、下原理騎手が4勝、木村健騎手(引退)が3勝、吉村智洋騎手、杉浦健太騎手が各2勝など勝利する騎手にやや偏りがあるのもレースの特徴となっている。ここでは12~21年の過去10回から傾向を見ていく。
過去10回の人気別成績で目を引くのが7番人気での勝利が2回もあるということ。これは2017年トゥリパと18年テンマダイウェーヴなのだが、ともに未勝利馬による重賞制覇でもあった。また、16年ナチュラリーも初勝利が当レースだったのだが、19年から園田・姫路競馬では2歳戦の編成方法が変更され、未勝利戦を中心に勝ち抜け方式となったことから、そういった事例は起きにくくなり、以降、1番人気、2番人気、1番人気が勝利と、上位人気に推された馬の勝利が続いている。【表1】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 6 | 1 | 2 | 1 | 60.0% | 70.0% | 90.0% |
2番人気 | 1 | 4 | 1 | 4 | 10.0% | 50.0% | 60.0% |
3番人気 | 1 | 2 | 0 | 7 | 10.0% | 30.0% | 30.0% |
4番人気 | 0 | 0 | 3 | 7 | 0.0% | 0.0% | 30.0% |
5番人気 | 0 | 2 | 2 | 6 | 0.0% | 20.0% | 40.0% |
6番人気 | 0 | 1 | 0 | 9 | 0.0% | 10.0% | 10.0% |
7番人気 | 2 | 0 | 1 | 7 | 20.0% | 20.0% | 30.0% |
8番人気以下 | 0 | 0 | 1 | 40 | 0.0% | 0.0% | 2.4% |
基本的には逃げ・先行が有利で、9勝を挙げている。コース的には差し馬も届くが、若い2歳馬同士の戦いではのちの脚質とは異なり、力の違いやセンスの高さで先行できる馬も多い、という点もあるのだろう。【表2】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
逃げ | 6 | 2 | 2 | 7 | 35.3% | 47.1% | 58.8% |
先行 | 3 | 5 | 4 | 16 | 10.7% | 28.6% | 42.9% |
差し | 1 | 3 | 3 | 32 | 2.6% | 10.3% | 17.9% |
追込 | 0 | 0 | 1 | 25 | 0.0% | 0.0% | 3.8% |
※2020年ストークはスタート直後に落馬・競走中止のため対象外
当日の馬体重は450kg以上あることが望ましい。過去10回で449kg以下の馬が勝利したのは1回だけで、2017年トゥリパの446kgだった。2歳馬とあって、これから10kg以上体重が増える馬も少なくないだろうが、現時点である程度の馬格があった方がパワーを要する馬場での重賞では戦いやすいだろう。【表3】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
449kg以下 | 1 | 4 | 7 | 45 | 1.8% | 8.8% | 21.1% |
450~499kg | 5 | 6 | 3 | 35 | 10.2% | 22.4% | 28.6% |
500kg以上 | 4 | 0 | 0 | 1 | 80.0% | 80.0% | 80.0% |
JRA認定レースであるアッパートライはレベルの高いメンバー構成になりやすく、そこで実績を残した馬には注目。前走で兵庫若駒賞と同じ1400mのアッパートライを走り、掲示板に載った馬は過去10回で22頭。うち12頭が兵庫若駒賞でも3着以内に入っている。
連勝中など、実績が上位の馬を素直に信頼していいレースだろう。【表1】で説明した通り、近年は2歳編成方法が変更され、直近3年はすべて地元で連勝中の馬が優勝した。もし連勝中の馬がいなければ、兵庫若駒賞と同距離のアッパートライで5着以内に入った馬に注目したい。いずれも、450kg以上の馬格の持ち主であればなおいいだろう。
(文・大恵陽子)
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。