データ分析 Data Analysis

高知デビュー馬による2歳王者決定戦

ほとんどが他地区からの移籍馬だった高知競馬場に新馬戦が戻ってきたのが2015年。その年に組まれた新馬戦は2つだけだったが、そのなかから他地区で複数の重賞を制したディアマルコが登場。16年に創設された高知デビュー馬限定というこの重賞からは毎年のように高知3歳戦線の活躍馬が出ている。今年もハイレベルな戦いが予想される一戦の傾向を、16~21年の過去6回の結果から見ていくことにする。

上位人気馬が優勢

1番人気が4勝し、2着2回で連対率は100%。2番人気も2勝、2着2回、3着1回と好成績を残している。高知デビューという限定された条件で、出走する各馬に実力差があるのがその要因だろうが、3着には5番人気以下の馬が5頭も入っている点は、注目に値するデータだ。【表1】

[表1]単勝人気別成績(過去6回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 4 2 0 0 66.7% 100.0% 100.0%
2番人気 2 2 1 1 33.3% 66.7% 83.3%
3番人気 0 2 0 4 0.0% 33.3% 33.3%
4番人気 0 0 0 6 0.0% 0.0% 0.0%
5番人気 0 0 1 5 0.0% 0.0% 16.7%
6番人気以下 0 0 4 29 0.0% 0.0% 12.1%

馬番別の成績に特徴あり

過去6回の成績を馬番別に分類すると、好成績を残しているのが1~2番。7~8番も2勝を挙げ、9番より外から3頭の2着馬が登場している。特徴的なのは、3着馬がすべて4~8番から出ていること。【表1】の単勝人気別の成績を含めて、今年も注目できるデータだろう。【表2】

[表2]馬番別成績(過去6回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1~2番 3 2 0 7 25.0% 41.7% 41.7%
3~4番 1 0 2 9 8.3% 8.3% 25.0%
5~6番 0 1 3 8 0.0% 8.3% 33.3%
7~8番 2 0 1 9 16.7% 16.7% 25.0%
9~10番 0 1 0 8 0.0% 11.1% 11.1%
11~12番 0 2 0 4 0.0% 33.3% 33.3%

注記:2019年の10番は出走取消

牡馬が4勝しているが…

出走馬の成績を牡馬と牝馬に分けて表にすると、牡馬が4勝で牝馬が2勝。しかし2着と3着は牝馬がそれぞれ5回ずつ。3着内率は牡馬も牝馬も28.6%と同じ数字になっている。ちなみに牡馬の4勝はすべて単勝1番人気、牝馬の2勝はすべて単勝2番人気となっているのも面白い。【表3】

[表3]性別成績(過去6回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
4 1 1 15 19.0% 23.8% 28.6%
2 5 5 30 4.8% 16.7% 28.6%

中型馬が優勢

過去6回の優勝馬のうち4頭は、前走時の馬体重が455~477㎏。高知競馬場は砂が深くてパワーが必要な舞台だが、このレースは過去6回のうち3回が不良馬場で、2回が重馬場、1回が稍重。同世代の限られたメンバーでの一戦でもあり、小柄という点を必要以上に割り引くことはないのかもしれない。それでも好成績を挙げているのは前走時が420~479㎏で出走していた馬たち。ただし、前走が460~479㎏だった馬は、3勝しているものの、2着と3着がゼロとなっている点は気にかかる。【表4】

[表4]前走の馬体重別成績(過去6回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
前走399㎏以下 0 0 0 2 0.0% 0.0% 0.0%
前走400~419㎏ 1 1 1 7 10.0% 20.0% 30.0%
前走420~439㎏ 1 3 2 11 5.9% 23.5% 35.3%
前走440~459㎏ 1 2 2 14 5.3% 15.8% 26.3%
前走460~479㎏ 3 0 0 7 30.0% 30.0% 30.0%
前走480~499㎏ 0 0 1 3 0.0% 0.0% 25.0%
前走500㎏以上 0 0 0 1 0.0% 0.0% 0.0%

連対馬は2勝以上がほとんど

勝利を挙げた6頭のうち、デビュー戦で勝利をおさめていたのは3頭。昨年はデビュー3戦目のマリンスカイが快勝したが、一昨年まではレース数を重ねて力をつけてきた馬の好走例が目立っていた。連対馬12頭のうち11頭は通算で2勝以上を挙げていたが、3着には未勝利馬が3頭。さらに、ゼッケン6番が2着1回、3着3回と好走率が高いことも記しておきたい。

勝つのはこういう馬!

前走が「2番人気以内で1着」または「1番人気で3着以内」が必須条件。それで当日に2番人気以内が予想されるようなら、勝利の可能性は格段に高まる。また、前記した「勝利した牡馬は単勝1番人気、牝馬は単勝2番人気」というデータが継続するのか、それも含めて注目したい。

(文・浅野 靖典)

注記

当ページの情報は、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。