データ分析 Data Analysis

東海地区の2歳王者決定戦

2004年から10月下旬または11月初旬に実施されていたが、21年はそれまでより1カ月ほど遅い11月30日に行われた。今年も11月22日の予定で、全日本2歳優駿JpnIをより意識できる日程になっている。そして今回は新しい競馬場に舞台が移り、距離も1600mから1700mに延長される。そういう変更点はあるが、12~21年の過去10回のデータを見ていくことにしたい。

■上位人気馬が優勢

過去10回の優勝馬のうち7頭が、単勝1番人気の支持を受けていた。1番人気で勝てなかった3頭はすべて4着以下で、その3頭には「乗替わり」か「前走が他地区への遠征」のどちらかがあった。一方、6番人気以下で勝利を挙げたのは2014年のヒメカイドウ(6番人気・愛知)が唯一。ただ、21年は3→10→4番人気の順で入り、3連単が40万円を超える配当になった。[表1]

[表1]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 7 0 0 3 70.0% 70.0% 70.0%
2番人気 1 4 1 4 10.0% 50.0% 60.0%
3番人気 1 1 5 3 10.0% 20.0% 70.0%
4番人気 0 2 2 6 0.0% 20.0% 40.0%
5番人気 0 2 0 8 0.0% 20.0% 20.0%
6番人気以下 1 1 2 61 1.5% 3.1% 6.2%

■愛知が9勝、笠松は相手候補

1993年の優勝馬がオグリローマンで、94年はライデンリーダーが勝利。さらに「中日スポーツ杯」として実施されていた87年は、オグリキャップが勝利を挙げている。しかし2004年からは愛知所属馬が17年連続で勝利した。ただ、21年は笠松のドミニクが勝利。さらに笠松所属馬は過去10回で2着と3着が4回ずつと、無視できない数字を残している。[表2]

[表2]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
愛知 9 6 6 70 9.9% 16.5% 23.1%
笠松 1 4 4 15 4.2% 20.8% 37.5%

■牝馬のほうが好成績

過去10回の優勝馬のうち8頭は牝馬。牡馬は2013年と19年に勝利を挙げたが、19年のインザフューチャーは、わずか1~2㎝ほどのハナ差。それを考慮すると、牡馬で完勝したのは2着に8馬身差をつけた13年のリーダーズボードが唯一といえる。また、2着は「5対5」で互角。しかし3着は「2対8」で、牝馬が優勢になっている。[表3]

[表3]性別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
2 5 2 36 4.4% 15.6% 20.0%
8 5 8 49 11.4% 18.6% 30.0%

■差し・追い込み馬の台頭があるか

過去10回のうち、単勝1番人気で勝利を挙げた7頭は、すべて単勝オッズが2.3倍以下。そのうち5頭は1倍台だった。ただし、1倍台で4着以下に敗れた馬も2頭いる。それでも基本的には上位人気馬が優勢。出走馬のなかに勢いが感じられる成績を持つ馬がいれば注目するのが妥当だろう。ただ、今年は新しい名古屋競馬場が舞台。2021年に後方2番手から一気に上昇して2着に入ったシノジマニヨラサイ(10番人気・愛知)のような差し・追い込みタイプが台頭する可能性があることは、頭に入れておくべきだろう。

勝つのはこういう馬!

単勝1倍台前半の馬が出走するようなら、素直に信頼するべき。2021年は笠松所属馬が勝利を挙げたが、愛知所属馬のほうが優勢と考えていいだろう。過去10回では川西毅厩舎が3勝で、角田輝也厩舎が2勝と好成績を挙げている。

(文・浅野靖典)

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。