将来有望な2歳馬が全国から集結
全15戦で行われる2歳チャンピオンシリーズの未来優駿。その最終戦・全日本2歳優駿JpnIのトライアルで1、2着馬に優先出走権を付与。またJBC2歳優駿JpnIIIの指定競走でもある。シリーズ中で最初に地方全国交流として実施され、近5年中3回で北海道からの遠征馬が当レース連対からのちに北海優駿馬に輝いている。2018年の勝ち馬ミューチャリー(船橋)は後にJBCクラシックJpnIをするなど、未来のスターホースへの登竜門と言っても過言ではない。ここでは13~22年の過去10回の結果から傾向を探っていく。
他地区の3着以内は全て北海道で、南関東(6勝)VS北海道(4勝)の構図が鮮明になっている。特に北海道は2016年から7年連続連対と近年の躍進が目立つ。南関東だけで比べてみると勝利数や連対数に大きな差はないが、勝率・連対率・3着内率では大井と船橋の数字がいい。また浦和も3着内率では劣っておらず、小久保智厩舎は3年続けて馬券圏内に入っている。他に注目してもらいたいのが北海道の堂山芳則厩舎。5頭が出走して2勝、2着1回となっており、遠征してくるようなら脈ありと捉えたい。【表1】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
船橋 | 2 | 3 | 1 | 11 | 11.8% | 29.4% | 35.3% |
川崎 | 2 | 0 | 5 | 35 | 4.8% | 4.8% | 16.7% |
大井 | 1 | 2 | 0 | 7 | 10.0% | 30.0% | 30.0% |
浦和 | 1 | 1 | 3 | 13 | 5.6% | 11.1% | 27.8% |
他地区 | 4 | 4 | 1 | 20 | 13.8% | 27.6% | 31.0% |
1、2番人気の連対率がともに60.0%で、3着内率は70.0%を超えているように信頼度が高い。その反面で3~5番人気の好走が少ないことが大きな特徴になっている。6番人気以下の低評価を覆して好走した8頭のうち、6番人気と7番人気が7頭。馬券妙味を求めるとすれば、ここは押さえておきたいところ。ちなみに1番人気で馬券圏に入れなかった2頭は両方とも牝馬。牝馬は【0-2-2-18】と全体的にも苦戦傾向にある。【表2】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 4 | 2 | 2 | 2 | 40.0% | 60.0% | 80.0% |
2番人気 | 2 | 4 | 1 | 3 | 20.0% | 60.0% | 70.0% |
3番人気 | 1 | 0 | 2 | 7 | 10.0% | 10.0% | 30.0% |
4番人気 | 1 | 0 | 1 | 8 | 10.0% | 10.0% | 20.0% |
5番人気 | 0 | 1 | 1 | 8 | 0.0% | 10.0% | 20.0% |
6番人気以下 | 2 | 3 | 3 | 58 | 3.0% | 7.6% | 12.1% |
キャリア別成績が【表3】。6~7戦を消化してきた馬が2頭連対しているものの、概ねのところは2~5戦でここに臨んできた馬がベストと考えるべきだろう。デビュー戦からの直行で経験が浅い馬や、レース数が多く夏場もコンスタントに使われてきたような馬は割引く必要があるかもしれない。また最も多く馬券圏内が出ている3戦は僅か1勝のみ。データだけで判断すると勝ち切れていないと言える状況になっている。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1走 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
2走 | 2 | 1 | 3 | 8 | 14.3% | 21.4% | 42.9% |
3走 | 1 | 7 | 2 | 24 | 2.9% | 23.5% | 29.4% |
4走 | 3 | 0 | 5 | 15 | 13.0% | 13.0% | 34.8% |
5走 | 3 | 1 | 0 | 17 | 14.3% | 19.0% | 19.0% |
6走 | 1 | 0 | 0 | 10 | 9.1% | 9.1% | 9.1% |
7走 | 0 | 1 | 0 | 3 | 0.0% | 25.0% | 25.0% |
8走以下 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
所属でも述べたように近年は、特に北海道の取捨が的中への近道。門別競馬場における距離経験に着目してみた【表4】を見ると、1200m以下の経験しかなかった馬よりは、それ以上の距離を走っていた馬の方が好走していることが分かる。1200m以下のみで連対した3頭には重賞Vの実績があった。それに対して長めの距離を経験していた5頭の連対馬のうち重賞勝ち馬は1頭。長い距離を経験していた馬は実績不問と考えることができる。ちなみに南関東所属馬でこの鎌倉記念を勝った6頭のうち5頭は前走Vからの参戦。そのうち1500m以上だった馬は4頭で、もう1頭は1400mを圧勝していた。北海道は距離、南東関は勢いを重視したい。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
門別1200mまで | 1 | 2 | 1 | 11 | 6.7% | 20.0% | 26.7% |
門別1500m以上 | 3 | 2 | 0 | 4 | 33.3% | 55.6% | 55.6% |
近年の活躍が目立つ北海道は、門別競馬場で1200m以下の経験しかない馬は重賞Vの実績がないと厳しく、1500m以上の経験はほしいところ。南東関は前走で1500m以上を勝っている馬が望ましい。前述に該当し、信頼度が高い1~2番人気に支持されているようなら好走する確率は高いと判断できる。
(文・前田 恒)
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。