データ分析 Data Analysis

2歳女王を多く生むステップレース

大井競馬場で年末に行われる2歳女王決定戦・東京2歳優駿牝馬のトライアルレース。過去10回の勝ち馬を振り返ってみると、2014年ララベル、15年モダンウーマン、18年アークヴィグラス、20年ケラススヴィアと4頭の女王を出している。例年、南関東vs北海道の構図でハイレベルな争いが展開される。ここでは、12~21年の過去10回の結果から傾向を分析する。

北海道所属馬がポイント

南関東勢を見てみると、出走頭数は多いが地元・川崎が勝利数と連対数トップで、意外にも船橋に勝利がない点が特徴となっている。他地区組、特に北海道所属馬の好走が目立つのもこのレースの大きなポイントになっており、勝率20.0%、連対率25.0%、3着内率45.0%はいずれもトップ。また、角川秀樹厩舎が【3-0-3-5】と好成績を収めていることも覚えておきたい。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
川崎 3 4 4 39 6.0% 14.0% 22.0%
大井 2 0 0 12 14.3% 14.3% 14.3%
浦和 1 1 2 11 6.7% 13.3% 26.7%
船橋 0 4 0 28 0.0% 12.5% 12.5%
北海道 4 1 4 11 20.0% 25.0% 45.0%
上記以外 0 0 0 5 0.0% 0.0% 0.0%

平穏な決着はほとんど望めない

2012年は12→7→5番人気の決着で3連単356万円の大波乱。上位人気馬3頭で決まった15年を除けば、3連単は全てが万馬券の決着と、平穏な決着は望めない傾向にある。1~4番人気で9勝を挙げているものの、3着内率は各人気ともに50%ほどで、ピンかパーといった結果。信頼できる数字とは言い難いだけに、他の項目に焦点を当てて馬券を組み立てるのが得策だろう。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 2 1 2 5 20.0% 30.0% 50.0%
2番人気 2 0 3 5 20.0% 20.0% 50.0%
3番人気 3 1 1 5 30.0% 40.0% 50.0%
4番人気 2 1 0 7 20.0% 30.0% 30.0%
5番人気 0 3 1 6 0.0% 30.0% 40.0%
6番人気以下 1 4 3 78 1.2% 5.8% 9.3%

北海道と南関東で求められるキャリアが違う

3着以内に好走した馬のキャリアを北海道所属馬と南関東所属馬で分けてみると、北海道はキャリア5~7戦と、実戦経験が多い馬が力を発揮しているのに対して、南関東の多くはキャリア2~4戦だったことが分かる。ちなみに南関東所属としてキャリア6戦で好走した3頭のうち2頭は初陣を北海道(門別)で迎えていた。現在の所属と実戦数を見るだけでなく、どこでデビューしたのかも加味しながら、取捨を選択していきたい。[表3]

[表3]

北海道所属の3着以内馬のキャリア別成績(過去10回)

1着 2着 3着
4戦 0 0 2
5戦 1 1 2
6戦 2 0 0
7戦 1 0 0

南関東所属の3着以内馬のキャリア別成績(過去10回)

1着 2着 3着
1戦 0 0 1
2戦 2 3 0
3戦 0 1 4
4戦 2 2 0
5戦 1 1 1
6戦 1 2 0

南関東は2勝以上、北海道は前走エーデルワイス賞が首位候補

連対馬の条件を挙げると、南関東所属で連対した15頭のうち10頭は2勝以上。残り5頭を詳しく調べてみると、キャリア2戦とそもそも実戦経験が少なかった場合が3頭、残り2頭は前走で待望の初勝利を手にしての重賞挑戦だった。南関東勢は2勝以上の実績が最優先事項。1勝馬においては、実戦経験が2戦しかないか、前走で初勝利を挙げた馬ならチャンスはあると考えられる。北海道所属で連対した5頭のうち4頭は、前走がエーデルワイス賞JpnIIIだった。交流重賞で強敵にもまれてきた馬は、前走の着順に関係なく、首位候補といえる。

勝つのはこういう馬!

北海道からの遠征馬に注目。中でも角川秀樹厩舎の所属馬や、エーデルワイス賞JpnIIIから参戦してくるようなら期待値は高い。南関東は2勝以上の実績が重要。キャリアの浅い馬や前走初勝利馬も食い込む余地がある。

(文・前田 恒)

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。