データ分析 Data Analysis

新競馬場で最初の3歳牝馬重賞

グランダム・ジャパン3歳シーズン2022の第4戦は、第1戦の若草賞と同じ名古屋でも、今年4月に移転した新しい競馬場が舞台となる。もともと伏兵台頭という傾向はあるものの、旧競馬場では力を発揮できなかったタイプの活躍による波乱や、同じくスパイラルカーブがある園田競馬場の兵庫勢の躍進もあるか。ここでは2012~21年の過去10回から傾向を見ていく。

1番人気は堅実だが伏兵にも注意

1番人気が勝率50.0%、連対率80.0%、3着内率90.0%と信頼度が高い。勝ち馬4頭の3番人気にも注目。過去10回で上位人気3頭で決まったのは1回だけで、5番人気以下が近5年連続で8回、3着以内に入っている。伏兵には警戒が必要だ。[表1]

[表1]単勝人気別成績(過去10回)

単勝人気 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 5 3 1 1 50.0% 80.0% 90.0%
2番人気 0 3 0 7 0.0% 30.0% 30.0%
3番人気 4 0 2 4 40.0% 40.0% 60.0%
4番人気 0 1 2 7 0.0% 10.0% 30.0%
5番人気 0 2 1 7 0.0% 20.0% 30.0%
6番人気以下 1 1 4 60 1.5% 3.0% 9.1%

遠征勢では兵庫と高知に注目

出走72頭と多い地元愛知が6勝を挙げ、過去10回中9回で馬券絡みしている。なお、6番人気以下で3着以内に入った6頭中5頭が愛知所属だ。兵庫は2勝、2着2回、高知は未勝利ながら2着2回、3着1回。ともに少ない出走数ながら健闘している。南関東の1勝は右回りを求めて遠征してきた2016年クラトイトイトイ(船橋)だけ。笠松は2018年以降の馬券絡みがない。[表2]

[表2]所属別成績(過去10回)

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
愛知 6 4 8 54 8.3% 13.9% 25.0%
兵庫 2 2 0 4 25.0% 50.0% 50.0%
笠松 1 2 1 11 6.7% 20.0% 26.7%
南関東 1 0 0 4 20.0% 20.0% 20.0%
高知 0 2 1 4 0.0% 28.6% 42.9%
その他 0 0 0 9 0.0% 0.0% 0.0%

塚田、川西調教師が好成績

愛知所属の調教師でもっとも好成績なのは4勝の塚田隆男調教師。2017~19年には3連勝しており、いずれも友森翔太郎騎手とのコンビだった。表にあるその他4名は、21年には名古屋で100勝以上を挙げているが、角田輝也調教師、藤ケ崎一人調教師が3着以内ナシなのに対し、川西毅調教師が5頭馬券絡み。今津博之調教師は近3年で4頭出走しすべて掲示板。川西調教師は2~3歳戦に強く、塚田調教師は牝馬での重賞勝ちが多いという特徴は押さえておきたい。[表3]

[表3]愛知所属で出走数が多い調教師の成績(過去10回)

調教師名 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
塚田隆男 4 0 0 2 66.7% 66.7% 66.7%
川西毅 1 2 2 4 11.1% 33.3% 55.6%
今津博之 1 0 1 2 25.0% 25.0% 50.0%
角田輝也 0 0 0 9 0.0% 0.0% 0.0%
藤ケ崎一人 0 0 0 4 0.0% 0.0% 0.0%

近2年は傾向に変化

若草賞(名古屋で行われた14年以降)を使われた馬が5勝、2着4回、3着2回。馬券に絡んだ11頭中8頭は若草賞でも3着以内だった。今年の若草賞は3月に旧競馬場で実施されているが、同じ地方全国交流戦で好勝負を演じた実績は評価したい。 ただし、近2年の3着以内馬はいずれも若草賞に不出走。勝ち馬は、20年ビックバレリーナ(愛知)が笠松・新緑賞3着から、21年ニジイロ(愛知)は浦和・桜花賞5着からの参戦と傾向に変化がみられる。

勝つのはこういう馬!

2番人気が未勝利なのは気になるが、3番人気以内の馬がやはり有力。若草賞の上位馬はもちろん、浦和・桜花賞や、牡馬相手の中京ペガスターカップ、新緑賞を使われていた馬も有力。今年に限っては、競馬場が移設後間もないということもあり、地の利のある地元名古屋の騎手が乗る馬をセレクトするのがいいだろう。

(文・栗田勇人)

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。