レースの見どころ
2012年からグランダム・ジャパン3歳シーズンに組み込まれた東海クイーンカップ。当初は地元・名古屋勢は大苦戦を強いられて、5年連続で笠松や他地区勢に凱歌があがったが、近5年のその傾向が一変して、名古屋勢が5連覇している。ご存じの通り、今年は新競馬場(弥富)に移転しての戦い。開幕週を見る限りではまだ馬場も馴染んでおらず、傾向が掴みづらい。他地区勢、地元勢ともに傑出馬は不在の様相だし、ひと波乱もふた波乱も起こりそうな予感がしてならない。
キャリアはまだ4戦とメンバー中では最少だが、デビュー2戦目で挑んだ兵庫クイーンセレクションでも勝ち馬から3馬身程度の8着、その後は地元生え抜きの兵庫3歳牝馬特別を勝ち、続く牡馬との混合戦も僅差の2着と素質の高さを証明しているし、一気に距離を1870mに延ばしても対応できたことが大きい。経験が浅いということは逆に他馬と比して伸びしろもあると言ってもいい。園田と同じスパイラルカーブを取り入れた新競馬場というのもプラスに作用しそうである。
前走・若草賞では高知のアンティキティラの前に完敗だったが、5連勝で佐賀・花吹雪賞を制していた実力馬であり、相手が悪かったと諦めざるをえない。今回の他地区勢にそこまでインパクトがある存在は見当たらない。名古屋では牡馬を含めての1、2の実力があることは間違いなく、普段から調教で使用している馬場で戦えるのも有利だろう。ここへ向けて順調に乗り込まれてきており、間隔があいたことは全く問題ない。要は展開で、砂を被ると嫌気をさす傾向があり、ハナもしくは外目好位が理想。その形が叶えば期待に応えてくれそうだ。
道営所属時に園田で行われた園田プリンセスカップを制して重賞制覇。続く笠松・ラブミーチャン記念も2着している実力馬。地元・南関東では3戦して、前走の特別戦3着が最高で、もうひとつ結果を残せていないが、これは層の厚さによるものだろう。一時期減っていた馬体も回復傾向にあるし、遠征競馬でしっかりと答えを出している点は高く評価できる。ヤネには仕事請負人の吉原寛人騎手を擁してきたし、準備万端と見るべきだろう。吉原騎手も前開催の東海桜花賞に続き、新名古屋競馬場での重賞連破が懸かっている。それも注目したい。
本命に推したレイジーウォリアーと同じ塚田隆男厩舎の管理馬であり、厩舎関係者も我々記者も、将来的には同馬のほうが出世すると見込んでいる。ただ、現時点では馬体の線がいかにも寂しく映るし、骨格に見合った筋肉が備わっていない。大袈裟ではなく、30キロぐらい馬体重が増えてもいいぐらいだ。それでも重賞で見せ場を作れているように、大器の相は感じるし、適度に日程が開いたことと滞在競馬で10キロぐらい増えていれば。塚田隆男師もそうだが、友森翔太郎騎手も2017年~2019年まで同競走を3連覇。相性の良さに一票を投じたい。
提供 競馬東海 蟹江 博之
注記
当ページの情報は、4月20日(水)17時現在のものです。
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