南関東の女王決定戦
グランダム・ジャパン3歳シーズン2022の5戦目で、南関東牝馬三冠では浦和・桜花賞に続く2戦目となる。“プリンセス”のレース名通り、歴代の勝ち馬からは幾多の女王が誕生している。南関東牝馬クラシックのうち、当レースを除く二冠は浦和、川崎の左回りコースで、大井未経験の馬にとっては右回りへの対応もカギとなる。ここでは2012~21年の過去10回から傾向を見ていく。
数字の上では船橋勢が10連対と好成績を収めているが、ここ5年は小久保智厩舎(浦和)が3勝と躍進して、勝率、連対率、3着内率はいずれも浦和がトップ。ちなみに嶋田幸晴厩舎(大井)は、過去10年で【1-1-1-1】。出走頭数は決して多くないが、2021年は単勝7番人気のティーズアレディーが3着に好走した。出てくるようなら注意が必要だ。[表1]
所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
船橋 | 5 | 5 | 1 | 32 | 11.6% | 23.3% | 25.6% |
浦和 | 3 | 0 | 0 | 8 | 27.3% | 27.3% | 27.3% |
大井 | 2 | 3 | 5 | 46 | 3.6% | 8.9% | 17.9% |
川崎 | 0 | 2 | 4 | 29 | 0.0% | 5.7% | 17.1% |
1~3番人気のうちの2頭が馬券圏に好走した年が7回。それ以外の3回も1頭は連対していたように、上位人気馬の好走率は高い。ただし、1~5番人気での決着となったのは2016年と17年の2回のみ。上位人気馬を軸に手広く流すことが得策で、紐荒れに期待ができる。[表2]
単勝人気 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
1番人気 | 3 | 3 | 2 | 2 | 30.0% | 60.0% | 80.0% |
2番人気 | 2 | 3 | 0 | 5 | 20.0% | 50.0% | 50.0% |
3番人気 | 2 | 2 | 0 | 6 | 20.0% | 40.0% | 40.0% |
4番人気 | 0 | 0 | 1 | 9 | 0.0% | 0.0% | 10.0% |
5番人気 | 1 | 1 | 0 | 8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
6番人気以下 | 2 | 1 | 7 | 85 | 2.1% | 3.2% | 10.5% |
南関東牝馬三冠の初戦・桜花賞(浦和)との関連を見てみると、コースや距離が変わるにもかかわらず、桜花賞勝ち馬の成績が優秀。続いて3着馬の率が良いのに対して、2着馬は2016年の覇者リンダリンダ(大井)のみが好走と不振。4着以下から馬券圏に巻き返した10頭のうち7頭は重賞連対歴、もしくは東京2歳優駿牝馬で3着に好走していた。また残りの3頭には大井での勝利実績があった。[表3]
桜花賞着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
1着 | 3 | 2 | 2 | 2 | 33.3% | 55.6% | 77.8% |
2着 | 1 | 0 | 0 | 7 | 12.5% | 12.5% | 12.5% |
3着 | 2 | 2 | 1 | 5 | 20.0% | 40.0% | 50.0% |
4着 | 0 | 1 | 1 | 5 | 0.0% | 14.3% | 28.6% |
5着 | 0 | 0 | 2 | 4 | 0.0% | 0.0% | 33.3% |
着外 | 2 | 2 | 2 | 23 | 6.9% | 13.8% | 20.7% |
2014年のスマートバベルを除く9頭の勝ち馬は、東京2歳優駿牝馬で3着以内かユングフラウ賞で連対した実績があった。また、3コーナーで5番手以内だった勝ち馬が9頭、16年のリンダリンダにしても6番手と、先行馬が有利な傾向となっている。東京2歳優駿牝馬、ユングフラウ賞、桜花賞で先行して好走してきた実力馬。小久保智厩舎所属馬には要注目。
(文・前田 恒)
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。