データ分析 Data Analysis

牝馬たちが秋の名古屋で咲き誇る

2007年に地元馬限定戦としてスタートした重賞は、グランダム・ジャパン古馬シーズンの最終戦に向けて、重要といえる位置づけになっている。21年は大井と川崎のワンツーだったが、3着は愛知でハナ差4着が佐賀。今年は昨年までと舞台が変わり、距離も1500mに延長。それでも過去のデータは頭に入れて臨むほうがいいだろう。ここでは12~21年の過去10回の結果を対象にデータをみていく。

■人気薄の台頭にも要注意

優勝馬はすべて単勝4番人気以内だが、5番人気以下の馬が2着に5頭、3着には7頭も入っているのが特徴的。また、3番人気が2着2回だけと苦戦傾向を示している点も興味深い。[表1]

[表1]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 4 1 0 5 40.0% 50.0% 50.0%
2番人気 4 1 1 4 40.0% 50.0% 60.0%
3番人気 0 2 0 8 0.0% 20.0% 20.0%
4番人気 2 1 2 5 20.0% 30.0% 50.0%
5番人気以下 0 5 7 58 0.0% 7.1% 17.1%

■南関東所属馬に注目

南関東所属馬は延べ14頭が出走して5勝をマーク。3着内率は57.1%と好成績を残している。対する地元愛知所属馬も健闘しているが、2勝はともにピッチシフターによるもの。また、2012年には金沢のロッソトウショウ、18年には高知のディアマルコが勝利を飾っている。[表2]

[表2]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
南関東 5 1 2 6 35.7% 42.9% 57.1%
愛知 2 3 4 42 3.9% 9.8% 17.6%
兵庫 1 1 3 10 6.7% 13.3% 33.3%
笠松 0 3 0 11 0.0% 21.4% 21.4%
上記以外 2 2 1 11 12.5% 25.0% 31.3%

■読売レディス杯から臨んだ馬が優勢

前走別に成績をまとめてみると、もっとも良い成績を残しているのが金沢・読売レディス杯から臨んだ馬(21年の同レースは11月に実施されたため12~20年の過去9回)。2着と3着には前走が重賞以外だった馬が8頭入っているが、そのうち7頭は前走で2着以内に入っていた。[表3]

[表3]前走別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
読売レディス杯 6 2 4 9 28.6% 38.1% 57.1%
兵庫サマークイーン賞 1 2 0 8 9.1% 27.3% 27.3%
その他のGDJ対象競走 1 1 0 3 20.0% 40.0% 40.0%
上記以外の重賞 2 1 2 12 11.8% 17.6% 29.4%
重賞以外 0 4 4 48 0.0% 7.1% 14.3%

■前走で上位に入っていた馬が中心

3着内馬延べ30頭中29頭は前走が4着以内。例外の1頭は、2013年の3着馬(前走サマーチャンピオンJpnIIIで7着)だけとなっている。

勝つのはこういう馬!

前走が重賞というのは最低条件で、そこで4着以内であることも大事。過去10回の優勝馬のうち7頭は前走で2着以内に入っていて、残る3頭は、“前走スパーキングレディ―カップJpnIIIで3着”だった馬と“読売レディス杯で4着”だった馬が2頭。夏場に好成績を残していた馬に今年も注目するべきだろう。

(文・浅野靖典)

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。