2023年10月22日(日) 金沢競馬場
金沢
シンデレラカップ
右1500m 18:05発走
金沢シンデレラカップ ゴール前

データ分析 Data Analysis

シーズン終盤の2歳牝馬戦

2016年に新設され、今年で8回目。創設当初からグランダム・ジャパン2歳シーズンに組み込まれていることから、他場からの遠征馬も数多く見られ、またその後の活躍馬を数多く輩出してきた。創設時には10月中旬に行われていたが、18年から11月の実施となり、昨年からまた10月に戻った。なお、21年は金沢所属馬限定で行われ、グランダム・ジャパンの対象レースから外れている。そうした条件変更にも留意しつつ、過去7回の当レースをデータで振り返る。

■概ね人気上位馬で決着。好配当は“頭違い”で狙え

3着内馬は、21頭中2頭を除き4番人気以内。極端な人気薄の活躍は少ない。1頭だけ人気薄で勝ったのが、門別から遠征してきたエグジビッツ(2017年5番人気)。前走で園田プリンセスカップ3着の活躍があったにもかかわらず、人気の盲点になっていた。 1番人気と2番人気の着度数は、全くのイーブン。過去7回の3連単の配当と照らし合わせて見ると、1、2番人気が勝った4回は1万円未満で、3番人気以下の馬が勝った3回がいずれも1万円以上だった。1、2番人気馬の動向が波乱が起きるかどうかのポイントとなっており、好配当を狙うなら、いわゆる“頭違い”の微妙にヒネった買い目を探ってみるのも、ひとつの方法かも知れない。【表1】

[表1]人気別成績(過去7回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 2 3 1 1 28.6% 71.4% 85.7%
2番人気 2 3 1 1 28.6% 71.4% 85.7%
3番人気 2 0 2 3 28.6% 28.6% 57.1%
4番人気 0 1 2 4 0.0% 14.3% 42.9%
5番人気 1 0 0 6 14.3% 14.3% 14.3%
6番人気以下 0 0 1 34 0.0% 0.0% 2.9%

■2番枠が“ゴールデンゲート”

過去7回で、2番枠の馬がなんと5勝。その5頭の人気は、1番人気1頭、2番人気と3番人気が各2頭なので、たまたま人気馬がこの枠に集中したとも言えるが、注目された馬が着を外さなかったとか、1番人気馬に対して2、3番人気馬の形勢逆転を枠順がサポートした、という見方をすれば、一応内枠の方が好ましいとは言えそうだ。難しく考えず“2番枠強し”と信じて、3番人気以内の馬が2番枠に入ったらとりあえず買っておくのも面白いだろう。【表2】

[表2]馬番別成績(過去7回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1~2番 5 1 1 7 35.7% 42.9% 50.0%
3~4番 1 1 2 10 7.1% 14.3% 28.6%
5~6番 0 1 2 11 0.0% 7.1% 21.4%
7~8番 0 3 0 11 0.0% 21.4% 21.4%
9番より外 1 1 2 10 7.1% 14.3% 28.6%

■北海道勢強し!地元勢の奮闘も

比率で言えば、遠征してくること自体が勝利への意欲の現れと取れる北海道所属馬が、断然優勢だ。しかし、実数に着目すると金沢所属馬が4勝と勝利数では上回っており、有力と目される地元勢には十分注意を払いたい。ただし、金沢所属馬限定で行われた年(2021年)があるので、その分は割り引いて見たほうがいいかもしれない。【表3-1】

[表3-1]所属別成績(過去7回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
金沢 4 1 3 31 10.3% 12.8% 20.5%
北海道 3 5 3 7 16.7% 44.4% 61.1%
佐賀 0 1 0 0 0.0% 100.0% 100.0%
兵庫 0 0 1 3 0.0% 0.0% 25.0%
南関東 0 0 0 4 0.0% 0.0% 0.0%
東海 0 0 0 4 0.0% 0.0% 0.0%

当レースが行われる2歳秋は、門別2歳戦で一定の活躍をした馬が他地区での活躍を始める季節。デビュー地別のデータでは、北海道デビュー馬が幅を利かせていることがわかる。【表3-2】

[表3-2]デビュー地別成績(過去7回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
北海道 5 5 3 16 17.2% 34.5% 44.8%
金沢 2 1 3 23 6.9% 10.3% 20.7%
佐賀 0 1 0 0 0.0% 100.0% 100.0%
兵庫 0 0 1 2 0.0% 0.0% 33.3%
南関東 0 0 0 4 0.0% 0.0% 0.3%
笠松 0 0 0 2 0.0% 0.0% 0.0%
JRA 0 0 0 2 0.0% 0.0% 0.0%

ただし、詳細に見たとき興味深いのは、金沢所属馬で当レース3着以内に入った8頭中6頭が、金沢デビューのいわゆる“生え抜き”の馬であること。あとの2頭はマナバレンシア(20年1着)とボサノヴァ(21年1着)で、いずれも北海道から転入後、当レースの直前に金沢で行われる金沢プリンセスカップ2着の実績があった。この時期はどうしても北海道デビュー馬に注目しがちだが、当地に転入してからの戦歴も丁寧に検証したい。

■デビュー戦は3着以内が条件 早期デビュー馬に注目

デビュー戦の成績は、馬の素質を推し量るためのひとつのファクター。当レース活躍馬の殆どがデビュー戦で3着以内に入っており、やはりデビューの時から示す能力の高さは重要な要素であることが窺われる。【表4-1】

[表4-1]デビュー戦着順別成績(過去7回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1着 3 2 2 19 11.5% 19.2% 26.9%
2着 2 1 2 8 15.4% 23.1% 38.5%
3着 2 2 2 8 14.3% 28.6% 42.9%
4着以下 0 2 1 14 0.0% 11.8% 17.6%

一方、現時点での馬の完成度という意味では、デビューした時期もまた重要な要素になる。当レースでも、4月から5月と早期にデビューした馬の好走率が高いのは、そうした事情を反映したものだろう。【表4-2】

[表4-2]デビュー月別成績(過去7回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
4月 2 0 0 2 50.0% 50.0% 50.0%
5月 2 2 2 6 16.7% 33.3% 50.0%
6月 1 2 3 18 4.2% 12.5% 25.0%
7月 1 1 0 12 7.1% 14.3% 14.3%
8月 0 2 2 9 0.0% 15.4% 30.8%
それ以降 1 0 0 2 33.3% 33.3% 33.3%

今は以前よりも各場で2歳馬のデビュー時期が早まっており、佐賀から遠征したミスカゴシマ(2019年2着、5月デビュー戦1着)や、兵庫から遠征のカタラ(22年3着、5月デビュー戦2着)といった当レース好走例に見るように、早期デビューからの活躍は門別だけの「専売特許」でもなくなっているようだ。
また逆に、7月以降の遅めのデビューで当レースを勝った2頭は、16年のヤマミダンスと22年のショウガタップリ。いずれも金沢デビューの金沢所属馬で、かつその時点で素質を高く評価されていた馬。その後の両馬の大活躍も併せ考えると、これはその素質の図抜けた高さによる例外中の例外と言っていいのかも知れない。

勝つのはこういう馬!

デビュー戦3着以内の、北海道所属馬または金沢デビューの金沢所属馬。5月までの早期にデビューした馬が望ましく、内枠に入ればなお期待度が高い。

(文・坂田 博昭)

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。