2023年6月18日(日) 金沢競馬場
日本海
スプリント
右900m 18:05発走
日本海スプリント ゴール前

データ分析 Data Analysis

例年混戦の北陸・東海交流戦

スーパースプリントシリーズの、北陸・東海地区の予選に当たるレース。かつて名古屋競馬場で行われていた『名古屋でら馬スプリント』の廃止に伴い、それを引き継ぐ形で2018年から実施されている。昨年まででまだ5回と歴史が浅く、明確な傾向は掴みづらいが、そのデータを紐解くことで活躍馬の傾向を探っていきたい。

■1番人気は好成績も波乱含み

1番人気が2勝、2着2回とそれなりに走っているように見えても、3連単の平均配当は27,322円。10万円近い配当となった2018年を除いた4回の平均でも1万円近くとなり、波乱含みのレースと言える。そもそも北陸・東海の交流戦で力量比較が難しく、穴党ファンには腕の見せ所となるレースと言えるだろう。【表1】

[表1]人気別成績(過去5回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 2 2 0 1 40.0% 80.0% 80.0%
2番人気 0 0 3 2 0.0% 0.0% 60.0%
3番人気 2 1 0 2 40.0% 60.0% 60.0%
4番人気 0 0 2 3 0.0% 0.0% 40.0%
5番人気以下 1 2 0 23 3.8% 11.5% 11.5%

■近年は牝馬が活躍

年齢的には、6歳ぐらいまでが当レースの適性ありと微かに見て取れるが、昨年7歳馬のナムラムツゴローが勝ち、年齢的な傾向はより薄れた感がある。2019年にはエイシンテキサスとゴーインググレートで9歳馬ワンツーという結果もあり、年齢面については予断なく検討していきたい。【表2-1】

[表2-1]年齢別成績(過去5回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
4歳 2 1 0 5 25.0% 37.5% 37.5%
5歳 0 2 4 11 0.0% 11.8% 35.3%
6歳 1 1 1 5 12.5% 25.0% 37.5%
7歳 1 0 0 6 14.3% 14.3% 14.3%
8歳以上 1 1 0 4 16.7% 33.3% 33.3%

性別で見ると、過去5回では牝馬の方が3着内率で若干優勢という数字。ただ過去3年に絞ると、3着内の活躍馬9頭のうち牝馬が7頭と、牡馬セン馬を圧倒している。これを、今後回を重ねていったときに牝馬の実績がより優位となっていく兆しと捉えるかどうかだ。【表2-2】

[表2-2]性別別成績(過去5回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3 1 2 14 15.0% 20.0% 30.0%
セン 0 1 0 4 0.0% 20.0% 20.0%
2 3 3 13 9.5% 23.8% 38.1%

■名古屋優勢、穴なら笠松

名古屋所属馬が、少ない出走数で3勝、3着1回と結果を出しているのに対して、出走数が多く地の利もあるはずの金沢所属馬の成績は、やや物足りなく映る。注目すべきは、勝利はないが笠松所属馬の台頭。2018年に3連単9万円の立役者となったハドウホウ(9番人気2着)や、過去に重賞勝ちの実績がありながら人気を下げていた20年のチェゴ(5番人気2着)など、高配当に貢献した馬もおり、笠松所属馬も人気にとらわれることなく可能性を丁寧に探っていきたい。【表3】

[表3]所属別成績(過去5回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
名古屋 3 0 1 6 30.0% 30.0% 40.0%
金沢 2 3 2 14 9.5% 23.8% 33.3%
笠松 0 2 2 11 0.0% 13.3% 26.7%

なお、昨年4月に名古屋競馬場が弥富に移転して以降、名古屋では重賞のベイスプリントをはじめとして上級条件にワンターンの920m戦が組まれるようになった。このことが当レースに与える影響は、今年以降注視していきたい。

■重賞未経験馬は苦戦

出走馬の重賞経験の有無を調べると、重賞経験のなかった馬は明らかに劣勢だ。重賞初挑戦で当レースを勝ったフェリシアルチア(2020年)は例外中の例外で、JRA1勝クラスを勝って金沢に転入し、A級で勝利を重ねた実績馬だった。【表4】

[表4]重賞経験別成績(過去5年)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
重賞経験なし 1 0 0 11 8.3% 8.3% 8.3%
重賞経験あり 4 5 5 20 11.8% 26.5% 41.2%

なお、当レースには地元金沢所属馬限定のトライアル『スーパースプリント賞』(準重賞)があるが、同年のトライアルを経て挑んだ馬の成績は過去5年、前出のフェリシアルチアの勝利を含めても【1-0-1-7】。同コース同距離で行われるとはいえ、そこからの転戦馬の成績はいいとは言えず、あまり考慮の必要はなさそうだ。

勝つのはこういう馬!

重賞出走経験があることを絶対条件とし、「牝馬」や「名古屋所属馬」といった切り口で、人気にとらわれることなく選んでいきたい。

(文・坂田博昭)

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。