データ分析 Data Analysis

JBCを見据えた真夏の女王決定戦

かつては、ウイングアロー(2000、01年)、タイムパラドックス(04年)、スマートファルコン(09年)、ハタノヴァンクール(13年)といったダートGI/JpnI馬が勝ち馬に名を連ねる牡牝混合のJpnIIとして行われていたが、14年からは牝馬限定のJpnIIIとして実施されている。地方所属馬にとってはグランダム・ジャパン古馬シーズンの対象レースともなっている。昨年はグランブリッジが初の3歳馬による制覇。同馬は秋のJBCレディスクラシックJpnIでも2着と好走した。ここでは牝馬限定戦となった14年以降の過去9年を対象に傾向をみていく。

1番人気を筆頭に上位人気馬による争い

1番人気は2勝に留まるが、3着内率は100%と軸として全幅の信頼を寄せられる。また3着以内に入った27頭のうち26頭は4番人気以内。唯一の例外は2017年に6番人気で勝利したマイティティー。早め先頭から押し切っていたことから、一発があるとすれば先行力がある馬だろう。【表1】

[表1]単勝人気別成績(過去9回)

単勝人気 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 2 4 3 0 22.2% 66.7% 100.0%
2番人気 3 1 2 3 33.3% 44.4% 66.7%
3番人気 2 1 2 4 22.2% 33.3% 55.6%
4番人気 1 3 2 3 11.1% 44.4% 66.7%
5番人気 0 0 0 9 0.0% 0.0% 0.0%
6番人気以下 1 0 0 64 1.5% 1.5% 1.5%

JRA所属馬が圧倒

所属別にみると、3着内馬27頭はすべてJRA所属馬。牝馬限定戦になってから地方馬は馬券に絡んでいない。なかでも栗東所属馬が過去9回で8勝を挙げている。また美浦所属馬は出走数こそ少ないが、3着内率は64.3%で、これは栗東所属馬の62.1%とほとんど同じ。頭は栗東所属馬で相手に美浦所属馬を選ぶのが面白いかもしれない。【表2】

[表2]所属別成績(過去9回)

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA栗東 8 6 4 11 27.6% 48.3% 62.1%
JRA美浦 1 3 5 5 7.1% 28.6% 64.3%
地方 0 0 0 67 0.0% 0.0% 0.0%

3歳馬と5歳馬に注目

年齢別にみると、5歳の5勝が最多。3着内数も12頭と半数近くを占めている。また3着内率では、出走数は少ないものの3歳馬の46.7%がトップ。3歳馬の勝利は昨年が初めてで、グランブリッジが関東オークスJpnIIから連勝でこのレースを制した。なお同年の関東オークス勝ち馬は過去7頭が出走して6頭が3着以内と好相性。【表3】

[表3]年齢別成績(過去9回)

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 1 2 4 8 6.7% 20.0% 46.7%
4歳 2 1 2 22 7.4% 11.1% 18.5%
5歳 5 4 3 33 11.1% 20.0% 26.7%
6歳 0 2 0 12 0.0% 14.3% 14.3%
7歳以上 1 0 0 8 11.1% 11.1% 11.1%

前走中央オープン特別組に注目

前走レースは中央オープン以上であることが好走条件。帝王賞JpnI組は2016年1着アムールブリエ、21年1着マルシュロレーヌのみと例は少ないが、該当馬がいれば確勝級だ。注目は前走オープン特別組。過去4勝で、3着内率でも70.0%と好成績。17年のマイティティーは前走14着から勝利しており、着順を問わず押さえておく必要がある。また同じくグランダム・ジャパン古馬シーズンに組み込まれている川崎・スパーキングレディーカップJpnIII組も注目で、JRA所属馬に限ると【1-4-0-2】と信頼度が上がるだけに、地方を連戦してきたJRA所属馬には注意したい。【表4】

[表4]前走レース別成績(過去9回)

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
帝王賞 2 0 0 100.0% 100.0% 100.0%
関東オークス 1 1 3 1 16.7% 33.3% 83.3%
スパーキングレディーカップ 1 4 0 4 11.1% 55.6% 55.6%
その他グレードレース 1 2 4 5 8.3% 25.0% 58.3%
中央オープン特別 4 2 1 3 40.0% 60.0% 70.0%
中央条件戦 0 0 1 6 0.0% 0.0% 14.3%
地方重賞・オープン・条件戦 0 0 0 64 0.0% 0.0% 0.0%

勝つのはこういう馬!

まず注目は上位人気に支持されたJRA栗東所属馬。前走が帝王賞JpnI、スパーキングレディーカップJpnIII、オープン特別のいずれかであれば頼もしい。また関東オークスを制した3歳馬も要注目だ。

(文・吉田総一郎)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。