データ分析 Data Analysis

小回り巧者が活躍する

1周1200mの浦和競馬場で1400m戦はスタート後の位置取りがとても重要。4コーナーからゴールまで直線は220mで、どれだけの瞬発力を持っていても後方一気の戦法では間に合わない。そういった小回り向きのスピードと器用さが求められるからこそ、当レースでは2015、16年にレーザーバレット(JRA)が、18、19年にノブワイルド(浦和)が連覇を飾ることができたのかもしれない。今年もハイレベルな戦いが見られるであろう重賞。その傾向を13~22年の過去10回の結果からチェックすることにしたい。

南関東勢も健闘

JRA関東と地元浦和が各2勝を挙げているが、その勝利は冒頭に記したとおり、同じ馬による連覇。全体的に見て優勢といえるのは延べ33頭が参戦して、5勝、2着6回のJRA関西馬といえる。ただ、ティーズダンク(浦和)が2021年2着、22年3着と好走。20年にはベストマッチョ(川崎)が2着、ノブワイルド(浦和)が3着。過去10回でJRAが3着以内を独占したのは14、15年の2回だけで、それ以外の8回は南関東勢が馬券に絡んでいる点は覚えておきたい。【表1】

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA関西 5 6 3 19 15.2% 33.3% 42.4%
JRA関東 2 1 0 3 33.3% 50.0% 50.0%
浦和 2 1 5 30 5.3% 7.9% 21.1%
大井 1 1 0 7 11.1% 22.2% 22.2%
川崎 0 1 0 3 0.0% 25.0% 25.0%
船橋 0 0 2 7 0.0% 0.0% 22.2%
地方他地区 0 0 0 16 0.0% 0.0% 0.0%

上位人気が強いが1番人気は1勝のみ

連対はすべて単勝5番人気以内。ただし、1番人気の勝利は2022年の1回だけで、2010年以来だった。また、4~5番人気の3着がゼロとなっている点も興味深いデータ。ちなみに6番人気以下での3着3回は南関東によるもの。ただし、近4年の3着以内はすべて5番人気以内となっている。【表2】

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 1 2 3 4 10.0% 30.0% 60.0%
2番人気 3 2 2 3 30.0% 50.0% 70.0%
3番人気 2 2 2 4 20.0% 40.0% 60.0%
4番人気 3 1 0 6 30.0% 40.0% 40.0%
5番人気 1 3 0 6 10.0% 40.0% 40.0%
6番人気以下 0 0 3 62 0.0% 0.0% 4.6%

4歳が3勝など若馬優勢だが

レーザーバレット(JRA)は8歳時にも勝利を挙げたが、基本的には7歳以下が優勢。なかでも4歳が10頭参戦して3勝、2着1回と好成績をおさめている。また、3歳と5歳が過去10回で1勝もしていないというデータも特徴的だ。【表3】

[表3]年齢別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 0 2 1 2 0.0% 40.0% 60.0%
4歳 3 1 0 6 30.0% 40.0% 40.0%
5歳 0 2 5 18 0.0% 8.0% 28.0%
6歳 3 2 1 12 16.7% 27.8% 33.3%
7歳 3 1 1 21 11.5% 15.4% 19.2%
8歳以上 1 2 2 26 3.2% 9.7% 16.1%

前走DGだった馬が好成績

3着内馬の前走は、およそ半数がダートグレード。延べ43頭が出走(DG小計)して3着以内が17回という成績を残している。南関東のダートグレード以外の重賞から参戦した馬も上々の成績。なお「その他のレース」から出走して3着以内だった2頭は、2018年1着ノブワイルド、3着トーセンハルカゼでともに浦和の所属馬だった。【表4】

[表4]前走レース別成績(過去10回)

前走 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
サマーチャンピオン 2 2 1 10 13.3% 26.7% 33.3%
クラスターカップ 1 3 3 4 9.1% 36.4% 63.6%
その他DG 2 3 0 12 11.8% 29.4% 29.4%
DG小計 5 8 4 26 11.6% 30.2% 39.5%
JRA芝重賞 0 0 0 3 0.0% 0.0% 0.0%
JRA芝重賞以外 2 0 0 4 33.3% 33.3% 33.3%
南関東重賞(DGを除く) 2 2 5 28 5.4% 10.8% 24.3%
その他のレース 1 0 1 24 3.8% 3.8% 7.7%

勝つのはこういう馬!

単勝2~4番人気のJRA関西馬で、4歳または6~7歳。前走がダートグレードで上位に入っていれば、さらに期待値が高くなる。その一方で、南関東が3着以内に13回入っているだけに、JRA勢の顔ぶれによってはチャンスあり。その年の7月以降に南関東の重賞で好走した実績がある馬に注目。

(文・浅野靖典)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

【注記】ダートグレード競走に格付けされた2013年から過去10年のデータとなります。

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。