データ分析 Data Analysis

JBCクラシックを目指す実力馬が集結

1着馬にJBCクラシックJpnIへの優先出走権が与えられる。大一番の前哨戦としてダートのトップクラスが参戦するため、豪華なメンバー構成になることが多い。2010年以降で日本テレビ盃JpnII→JBCクラシックJpnIと連勝した馬は11年スマートファルコン(JRA)、16年アウォーディー(JRA)、18年ケイティブレイブ(JRA)の3頭だが、本番で馬券に絡む馬も多い。ここでは13~22年の過去10回の傾向を分析する。

JRA栗東が高確率で好走

[表1]を見ていただければ一目瞭然でJRAの成績が優秀なことが分かる。特に8勝のうち7勝を挙げる栗東所属馬が優勢で、勝率・連対率ともに抜けた数字をマークしている。2013~18年はJRAが馬券圏を独占。意外にも栗東所属馬によるものは14年の1回のみだが、ワンツーは13、14、16、18、19年の5回。過去10回で2着以内に入れない年はなかった。とはいえ19年以降は4年連続で地方馬が3着以内に入り、JRAの牙城を崩しつつある。直近の傾向からは地方馬も油断できない存在だ。

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA栗東 7 8 4 10 24.1% 51.7% 65.5%
JRA美浦 1 2 3 4 10.0% 30.0% 60.0%
大井 1 0 3 6 10.0% 10.0% 40.0%
船橋 1 0 0 22 4.3% 4.3% 4.3%
川崎 0 0 0 4 0.0% 0.0% 0.0%
浦和 0 0 0 4 0.0% 0.0% 0.0%
地方他地区 0 0 0 36 0.0% 0.0% 0.0%

近3年は波乱決着

2019年までは堅い傾向にあり、3連単の平均配当は1530円で、最も低い配当は13年の390円。一番高い配当にしても15年の3110円と穴党泣かせなレースだったが、20年からの3回で様相が一変。3連単の平均配当は8万3000円超に跳ね上がった。その要因として考えられるのが1番人気の低迷。19年までは5勝、3着2回で全て馬券圏内に好走していたが、近3回は全て4着以下に沈んだ。過去10回で3番人気は9度の馬券絡みと安定感では1番人気を上回っており、馬券の軸という意味では信頼度が高い。今年は堅めと波乱どちらに転がるのか!?[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 5 0 2 3 50.0% 50.0% 70.0%
2番人気 1 3 3 3 10.0% 40.0% 70.0%
3番人気 1 6 2 1 10.0% 70.0% 90.0%
4番人気 1 1 1 7 10.0% 20.0% 30.0%
5番人気 1 0 1 8 10.0% 10.0% 20.0%
6番人気以下 1 0 1 64 1.5% 1.5% 3.0%

58kgは買い、56~57kgは見極め肝心

2019年は同年のジャパンダートダービー馬クリソベリル(JRA)が勝利。21年に当レースを制したサルサディオーネ(大井・牝馬は2kg減)が、22年に55kgで3着に好走したため、55kgは勝率・連対率・3着内率とも高いが、そもそもそれ以下の斤量では出走が少ない。重要になるのは56kg以上の取捨で、1年以内のGI/JpnI勝ち馬58kgは数字からも必ず買っておきたい。
悩ましいのは56kgと57kg。もう少し詳しく調べてみると、57kgは同年の地方2000m以上で、重賞連対もしくはJpnI・3着以内があった馬は【1-5-1-4】に対して、その実績がなかった馬は【0-0-0-5】と明暗が分かれた。また56kgはJRAに限定すると【3-2-3-5】と、勝率・連対率・3着内率は大幅に上昇。連対した5頭の共通項としては、同年にGIII/JpnIIIで連対しているか、前走でJRAオープン級を勝っていた。[表3]

[表3]斤量別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
53kg以下 0 0 0 4 0.0% 0.0% 0.0%
54kg 1 1 0 11 7.7% 15.4% 15.4%
55kg 1 0 1 2 25.0% 25.0% 50.0%
56kg 4 2 4 58 5.9% 8.8% 14.7%
57kg 1 5 1 9 6.3% 37.5% 43.8%
58kg 3 2 4 2 27.3% 45.5% 81.8%

JRAは初挑戦馬に注目

リピーターの活躍が目立つレースで、2015年Vのサウンドトゥルー(JRA)は4年連続で馬券圏内に顔を出した。[表4]を見るとケイティブレイブ(JRA)とサルサディオーネ(大井)は例外だが、基本的には初年が一番勝利に近く、それ以降は馬券圏内という判断ができる。また中距離のスペシャリストが頻繁に出走してくるだけに同年の川崎記念JpnIや帝王賞JpnIとも関連性が強い。川崎記念3着内馬は【2-4-1-2】で、帝王賞3着内馬は【2-1-4-1】。ここでも好走してくる確率が高いと考えるのが無難だろう。21、22年と2年続けて地方馬が勝利を収めているが、2頭ともに前走はスパーキングサマーカップ(川崎1600m)を勝ってここに臨んでいた。

[表4]連続して出走した馬の成績(13年以降に出走歴がある馬)

馬名(所属) 出走年 1年目着順 2年目着順 3年目着順 4年目着順
ソリタリーキング(JRA) 12~13年 1着 2着
クリソライト(JRA) 14~15年 1着 2着
サウンドトゥルー(JRA) 15~18年 1着 3着 2着 3着
アポロケンタッキー(JRA) 17~19年 1着 2着 8着
ケイティブレイブ(JRA) 17~18年 3着 1着
サルサディオーネ(大井) 20~22年 9着 1着 3着

勝つのはこういう馬!

ここ2年は地方馬が制しているが、優秀な成績を残すJRAを中心に考えるのがベスト。特に過去10回全てで連対を果たす栗東所属馬がいい。同年の川崎記念JpnIや帝王賞JpnIで3着以内がある実力馬も有力。斤量56kgでもGIII/JpnIIIで連対がある馬や、58kgの馬は狙っていきたい。

(文・前田 恒)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

【注記】馬インフルエンザ流行の影響により、南関東限定重賞となった2007年を除いたデータとなります。

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。