データ分析 Data Analysis

ハンデ戦で地方馬の活躍も期待

牝馬限定のハンデ戦。それゆえか地方馬の活躍も多く、2019年から3年連続で勝利し、過去10回では10頭が馬券絡み。枠順、ハンデ、年齢など様々な要素からアプローチができる面白味ある一戦となっている。なお来年からはTCK女王盃JpnIIIに替わり、年明け最初の牝馬ダートグレードとなる。ここでは13~22年の過去10回から傾向を見ていく。

地方とJRA美浦の馬が健闘

古馬のダートグレードは基本的にJRA馬が好成績。当レースもJRAが7勝を挙げるが、地方馬は2019年クレイジーアクセル(大井)、20年サルサディオーネ(大井)、21年ダイアナブライト(川崎)と近年は優勝まで手が届いている。特にクレイジーアクセルは地方生え抜き馬だった。なお、JRAは美浦所属馬が5勝と東高西低。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA美浦 5 3 1 8 29.4% 47.1% 52.9%
JRA栗東 2 5 4 12 8.7% 30.4% 47.8%
大井 2 2 1 14 10.5% 21.1% 26.3%
川崎 1 0 1 4 16.7% 16.7% 33.3%
船橋 0 0 2 19 0.0% 0.0% 9.5%
浦和 0 0 0 5 0.0% 0.0% 0.0%
地方他地区 0 0 1 37 0.0% 0.0% 2.6%

万馬券頻発も大荒れはない

ダートグレードとしては人気薄が比較的上位にきやすい一戦。単勝3番人気以内が7勝で、最も人気薄での勝利は2021年ダイアナブライト(川崎)の6番人気。この年は6→1→3番人気で3連単は5万8060円。3連単万馬券は7回と高頻度だが、6番人気以下が複数3着以内に入ったことはなく、最高配当でも1→7→5番人気で決着した13年の7万4100円。平均配当は2万5068円だった。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 4 3 1 2 40.0% 70.0% 80.0%
2番人気 1 2 1 6 10.0% 30.0% 40.0%
3番人気 2 2 2 4 20.0% 40.0% 60.0%
4番人気 2 1 1 6 20.0% 30.0% 40.0%
5番人気 0 1 2 7 0.0% 10.0% 30.0%
6番人気以下 1 1 3 74 1.3% 2.5% 6.3%

4~6歳が優勢

年齢別成績が[表3]。4歳の4勝が最多でボリュームゾーンとしては4~6歳で9勝となっている。唯一の3歳馬による勝利は2015年ディアマイダーリン(JRA)で、[表4]とも関係するが、ハンデ53kg。1番人気で2着のトロワボヌールとは3.5kg差で、秋華賞GI・13着から初ダートで新たな境地を切り開いた。

[表3]年齢別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 1 3 1 26 3.2% 12.9% 16.1%
4歳 4 2 5 19 13.3% 20.0% 36.7%
5歳 2 1 3 34 5.0% 7.5% 15.0%
6歳 3 1 1 13 16.7% 22.2% 27.8%
7歳 0 3 0 5 0.0% 37.5% 37.5%
8歳 0 0 0 2 0.0% 0.0% 0.0%

人気薄で狙うなら『内枠の軽ハンデ』か

ハンデ戦で、最も勝利が多いのは55kgで5勝。実績を見込まれて斤量を背負わされる馬たちにとって勝利は厳しいものとなるが、裏を返せば能力を認められている証でもあり、56.5kg以上は3着内率100%、56kgを加えても8頭中6頭が3着以内となっている。一方、伏兵馬による上位入着を見ると、軽ハンデで内枠という例が多い。2013年2着サクラサクラサクラ(7番人気・52kg)は1枠1番、15年3着ノットオーソリティ(5番人気・52kg)は3枠3番、18年3着オルキスリアン(6番人気・51kg)は2枠2番だった。『軽ハンデの内枠=3着内率が高い』とまではいかないが、人気薄を狙うならこの条件を優先する手はあるだろう。[表4]

[表4]ハンデ別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
51.0kg 0 0 2 66 0.0% 0.0% 2.9%
52.0kg 1 1 2 9 7.7% 15.4% 30.8%
53.0kg 2 0 1 9 16.7% 16.7% 25.0%
54.0kg 1 5 4 8 5.6% 33.3% 55.6%
55.0kg 5 0 0 5 50.0% 50.0% 50.0%
56.0kg 1 2 0 2 20.0% 60.0% 60.0%
56.5kg 0 2 0 0 0.0% 100.0% 100.0%
57.5kg 0 0 1 0 0.0% 0.0% 100.0%

勝つのはこういう馬!

ダートグレードではあるが、地方所属でも南関東や北海道で重賞勝利実績のある馬の大幅割引は不要と言えるだろう。JRAは3着内率では東西の差はないが勝率では美浦が断然というのがポイント。その中から、1着候補としては斤量56kg以下の馬。それ以上のハンデを見込まれた馬は3着以内はあっても勝利まではデータから厳しい。

(文・大恵陽子)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。