データ分析 Data Analysis

年の瀬名古屋の長距離戦

年末恒例の長距離のダートグレード競走として、例年12月中旬から下旬に行われてきた当レースだが、昨年は名古屋競馬場の移転に伴い、距離がそれまでの2500mから2100mに変更された。2013年以降の過去10年ではそれ以外の大きな条件変更はなく、毎年JRAから5頭を迎えて実施されてきている。ここでは、その過去10年の結果から傾向を探る。

ほぼJRA勢同士の戦い

過去10年いずれもJRA勢が圧倒しており、地方所属馬の出番はほぼないレース。JRA勢以外の馬券絡みは、愛知の名馬・カツゲキキトキトが3着に2回(2016、17年)入っただけ。地方所属でよほどの実績馬が出ていない限り、基本的にはJRA所属馬を検討の対象とすればいいだろう。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA 10 10 8 22 20.0% 40.0% 56.0%
愛知 0 0 2 32 0.0% 0.0% 5.9%
地方その他 0 0 0 30 0.0% 0.0% 0.0%

信頼できる1番人気

1番人気が4勝、馬券絡みはパーフェクトと一見信頼度は高く見えるが、実は1番人気馬は2012年から18年まで7連敗しており、この4年立て続けに勝って面目を保っている形だ。3連単の配当を見ると、1番人気が2、3着に敗れた13~18年の6回(うち3回が万馬券決着)では平均配当が9,340円だったのに対し、1番人気が勝った19~22年の4回では平均配当が3,660円。1番人気の信頼度は意識しつつ、勝つかどうかで配当に大きな隔たりが出ていることと、近4年1番人気が勝ち続けている事実には傾向として留意したい。[表2]

[表2]人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 4 2 4 0 40.0% 60.0% 100.0%
2番人気 3 2 2 3 30.0% 50.0% 70.0%
3番人気 1 1 0 8 10.0% 20.0% 20.0%
4番人気 0 2 2 6 0.0% 20.0% 40.0%
5番人気 1 3 0 6 10.0% 40.0% 40.0%
6番人気以下 1 0 2 61 1.6% 1.6% 4.7%

3・4歳馬が優勢

活躍馬の殆どを占めるJRA所属馬について、年齢別の成績を調べると、3歳と4歳で各3勝。2、3着も含めると5歳以上の馬も健闘していると言えるが、傾向としては若い馬の活躍が目立つレースと言える。なお、数字だけ見ると8歳以上の高齢馬も健闘しているように見えるが、2015年2着のニホンピロアワーズを最後に8歳以上の馬の馬券絡みはなく、近年の傾向としては高齢馬苦戦とみるべきだ。[表3]

[表3]JRA所属馬の年齢別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 3 1 1 1 50.0% 66.7% 83.3%
4歳 3 1 3 5 25.0% 33.3% 58.3%
5歳 1 3 1 5 10.0% 40.0% 50.0%
6歳 1 2 1 2 16.7% 50.0% 66.7%
7歳 0 2 1 5 0.0% 25.0% 37.5%
8歳以上 2 1 1 4 25.0% 37.5% 50.0%

チャンピオンズC大敗馬に注意

JRA所属馬について、前走を調べてみたところ、最も多いのは11月に行われる浦和記念(2000m)で、勝利数も4勝と最多。サンプル数が多いので比率としては優勢とまでは言えないが、まず主力となるローテーションと見られるのはここ。但し、浦和記念1着から当レースに臨んだ2頭が、いずれも当レースを勝てなかった(2013年ランフォルセ4着、16年ケイティブレイブ2着)点は留意したい。
注目すべきはチャンピオンズカップ(13年はジャパンカップダート)からの転戦組で、当レースで3着内に入った5頭中4頭が二桁着順からの巻き返しだった。17年優勝のメイショウスミトモ(前走14着)や15年2着のニホンピロアワーズ(前走11着)は、いずれも5番人気と人気を下げての当レース好走で、ひとつの穴のパターンとみて良いかもしれない。[表4]

[表4]JRA所属馬の前走別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
浦和記念 4 1 4 8 23.5% 29.4% 52.9%
JBC諸競走 3 0 0 1 75.0% 75.0% 75.0%
チャンピオンズC 1 3 1 1 16.7% 66.7% 83.3%
その他重賞 1 3 2 6 8.3% 33.3% 50.0%
特別・リステッド 1 3 1 6 9.1% 36.4% 45.5%

勝つのはこういう馬!

JRA所属の3・4歳馬。近年流れの良い1番人気馬、そして浦和記念からの転戦組を中心に考えたいが、チャンピオンズカップから当レースに臨む馬がいる場合はその着順を問わず要注意。

(文・坂田 博昭)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

【注記】2005年は競走取り止め。

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。