春に移って2回目のJpnI
これまで1月末から2月初めに行われていたが、春に施行時期を変更した2024年は地元川崎のライトウォーリアが勝利した。14~16年にはホッコータルマエが3連覇。23年のウシュバテソーロは東京大賞典GIから連勝を決め、海を渡ってドバイワールドカップGIを制覇。勝ち馬には豪華な名前がずらりと並ぶ。ここでは冬に行われていた時期も含めた15~24年の過去10回を分析する。
数字だけを見るとJRAが断然有利で、特に7勝を挙げる栗東が勝率・連対率・3着内率でも優秀。2019年までの5回はJRAによるワンツー決着だったが、近5回では23年のみ。最近は南関東の健闘が目立つ結果となっている。船橋は21年の覇者カジノフォンテンがおり、2・3着も1回ずつ。24年の勝ち馬ライトウォーリア、20年2着のヒカリオーソは川崎所属。地方馬の3着以内は船橋、川崎以外からは出ていない。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
JRA栗東 | 7 | 6 | 7 | 23 | 16.3% | 30.2% | 46.5% |
JRA美浦 | 1 | 2 | 2 | 10 | 6.7% | 20.0% | 33.3% |
南関東 | 2 | 2 | 1 | 38 | 4.7% | 9.3% | 11.6% |
地方他地区 | 0 | 0 | 0 | 13 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
冬季開催時は20年連続で連対を果たしていた1番人気だが、昨年は馬券圏外の5着。1番人気だけでなく2・3番人気も馬券に絡むことはできず、7→5→4番人気で馬連単3万5540円、3連単は24万6620円と波乱になった。基本的に堅い決着が多いレースだったが、ドバイなどの海外遠征や主要となる国内レースとの兼ね合いで、調整の難しさや参戦馬のレベルに変化が生じた可能性も拭うことはできない。[表2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 5 | 4 | 0 | 1 | 50.0% | 90.0% | 90.0% |
2番人気 | 1 | 1 | 1 | 7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
3番人気 | 1 | 1 | 5 | 3 | 10.0% | 20.0% | 70.0% |
4番人気 | 1 | 1 | 1 | 7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
5番人気 | 1 | 1 | 1 | 7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
6番人気以下 | 1 | 2 | 2 | 59 | 1.6% | 4.7% | 7.8% |
前走別では、[表3]で取り上げた4レースが3着以内に3回以上入っている。中でも延べ12頭が該当した東京大賞典GIが最も関連が強いと言える。ちなみに同レースで1コーナーを3番手以内で運んで3着以内だった馬は4勝を挙げて負けなし。川崎競馬場はコーナーがきつい小回りで先行力が問われる舞台というのは覚えておきたい。なお時期が変わった昨年、東京大賞典GIから2頭(ノットゥルノ、グロリアムンディ)出走したが、ともに掲示板だった。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
東京大賞典 | 5 | 5 | 2 | 17 | 17.2% | 34.5% | 41.4% |
チャンピオンズC | 2 | 2 | 1 | 4 | 22.2% | 44.4% | 55.6% |
報知オールスターC | 1 | 2 | 0 | 11 | 7.1% | 21.4% | 21.4% |
名古屋グランプリ | 1 | 0 | 3 | 6 | 10.0% | 10.0% | 40.0% |
上記以外 | 1 | 1 | 4 | 46 | 1.9% | 3.8% | 11.5% |
JRA所属の連対馬16頭のうち、GI/JpnIで勝利があったのが13頭と敷居はかなり高い。さらに13頭中、過去1年以内にGI/JpnIを勝っていなかったのは、2018年2着アポロケンタッキーと、22年1着チュウワウィザードだけだった。GI/JpnI勝ちという実績だけでなく近走成績も重要になっている。
ちなみに地方馬では、20年2着ヒカリオーソ(川崎)は前年の東京ダービー馬、21年1着カジノフォンテン(船橋)は前走の東京大賞典GIで2番手追走から2着と大舞台で実績があり、22年2着エルデュクラージュ(船橋)と24年1着ライトウォーリア(川崎)は前走の報知オールスターカップで先行して連対していた。地方馬は実績か先行力を評価したい。
JRA栗東が優勢も近5年のうち4回は南関東が連対と健闘。昨年は20年連続連対中だった1番人気が馬券圏外に。施行時期の変更により傾向に変化が生じた可能性がある。基本的にはGI/JpnI実績が必要で、過去1年以内のGI/JpnI勝ち馬は好成績。なかでも先行力がある馬は要注目だ。
(文・スポーツ報知・浅子祐貴)
1着
2着
3着
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。