データ分析 Data Analysis

上半期唯一の1200m戦

大井競馬場で実施される1200mのダートグレードは、春が東京スプリントJpnIIIで秋が東京盃JpnII。当レースは5月のかしわ記念、6月のさきたま杯の両JpnIにつながり、東京盃JpnIIはJBCスプリントJpnIなどにつながっていく。JRAとの交流となった2009年以降、地方馬は13年ラブミーチャン(笠松)、19年キタサンミカヅキ(船橋)、そして昨年のジャスティン(大井)が勝利。今年も地方馬が上位に食い込む可能性は十分。その一戦の傾向を、15~24年の過去10回の結果からみていくことにしたい。

上位人気馬が優勢だが

単勝1番人気が4勝。しかし2番人気の勝利はゼロで、3・4番人気が上々の成績となっているだけに、2番人気が鬼門になっていると考える手はあるだろう。[表1]

[表1]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 4 1 2 3 40.0% 50.0% 70.0%
2番人気 0 3 1 6 0% 30.0% 40.0%
3番人気 2 2 2 4 20.0% 40.0% 60.0%
4番人気 2 3 2 3 20.0% 50.0% 70.0%
5番人気 1 1 1 7 10.0% 20.0% 30.0%
6・7番人気 1 0 1 19 4.8% 4.8% 9.5%
8番人気以下 0 0 1 65 0% 0% 1.5%

地方は大井と船橋に注目

3着以内馬の延べ数はJRAの関西が最多だが、勝率・連対率・3着内率ではJRA関東が上。2021、23年に1着、22年2着と活躍したリュウノユキナの功績が大きいが、それでも注目に値する数字といえる。一方、地方馬で3着以内に入った延べ8頭は、大井または船橋所属となっている。[表2]

[表2]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA関西 5 6 5 22 13.2% 28.9% 42.1%
JRA関東 3 1 2 5 27.3% 36.4% 54.5%
大井 1 2 1 36 2.5% 7.5% 10.0%
船橋 1 1 2 9 7.7% 15.4% 30.8%
川崎 0 0 0 7 0.0% 0.0% 0.0%
浦和 0 0 0 20 0.0% 0.0% 0.0%
上記以外 0 0 0 8 0% 0.0% 0.0%

大型馬が優勢

過去10回の勝ち馬のうち9頭は、前走時の馬体重が481㎏以上。唯一の例外は前走454㎏だった2015年ダノンレジェンド(JRA)で、大型馬が優勢という傾向が顕著になっている。とくに、前走521㎏以上は3勝、2着6回と好成績。また、461㎏以上では分類したそれぞれのカテゴリーにゼロがある点が興味深い。[表3]

[表3]前走の馬体重別の成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
前走460㎏以下 1 1 1 2 20.0% 40.0% 60.0%
前走461~480㎏ 0 1 3 17 0.0% 4.8% 19.0%
前走481~500㎏ 2 0 5 35 4.8% 4.8% 16.7%
前走501~510㎏ 2 2 0 21 8.0% 16.0% 16.0%
前走511~520㎏ 2 0 1 15 11.1% 11.1% 16.7%
前走521㎏以上 3 6 0 17 11.5% 34.6% 34.6%

注記:23年1着リュウノユキナは前走が計測不能(海外)のため2走前の体重

若馬とベテランが好成績

年齢別の成績をまとめてみると、6歳以下が6勝と活躍している。7歳は未勝利となっている点が特徴的。なお、7歳は6歳と8歳に比べると連対率も低い。8歳は2023年がリュウノユキナ(JRA)、昨年がジャスティン(大井)と連勝中。19年キタサンミカヅキ(船橋)は9歳で勝ったが、全体的にみると9歳以上の大ベテランは苦戦傾向を示している。[表4]

[表4]年齢別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
4歳 2 2 2 12 11.1% 22.2% 33.3%
5歳 3 1 0 17 14.3% 19.0% 19.0%
6歳 1 2 4 15 4.5% 13.6% 31.8%
7歳 0 2 3 21 0.0% 7.7% 19.2%
8歳 3 3 0 20 11.5% 23.1% 23.1%
9歳以上 1 0 1 22 4.2% 4.2% 8.3%

JRAのオープン特別組が好成績

前走の条件別に成績をまとめてみると、もっとも好成績を残しているのが『JRAのオープン特別』。5年連続で3着以内に入っている。なお、『地方限定の重賞』で興味深いのは3着以内に入った延べ6頭のうち4頭が前走3~4着だったこと。今年もそういった成績から臨んでくる馬がいたら、注目する手があるかもしれない。『その他』で勝利したのは、2022年シャマル(前走3勝クラス)、23年リュウノユキナ(同リヤドダートスプリントG3)の2頭。ただ数字としては少々厳しい。[表5]

[表5]前走の条件別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRAのダートグレード 2 2 2 9 13.3% 26.7% 40.0%
JRAの芝重賞 0 0 1 2 0.0% 0.0% 33.3%
JRAのオープン特別 3 4 1 14 13.6% 31.8% 36.4%
地方のダートグレード 2 1 2 16 9.5% 14.3% 23.8%
地方限定の重賞 1 3 2 31 2.7% 10.8% 16.2%
その他 2 0 2 35 5.1% 5.1% 10.3%

勝つのはこういう馬!

JRA馬が優勢だが、単勝1・3・4番人気が有力。4・5・8歳の大型馬を狙いたい。それらに該当する馬の前走がJRAのオープン特別であれば、注目に値する存在になる。

(文・浅野 靖典)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

【注記】ダートグレード競走に格付けされた2009年からのデータとなります。

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。