レースの見どころ
上半期のダート古馬の短距離路線としては、6月に行われるさきたま杯が頂点となるが、その前哨戦となるのが東京スプリント。海外遠征も含めて選択肢が増え、そのため各馬の比較をするのも難しくなってきている。カペラステークスを制し、サウジアラビアに遠征してリヤドダートスプリントで3着に健闘したガビーズシスター。兵庫ゴールドトロフィー、かきつばた記念がともに2着のサンライズホーク。同じく兵庫ゴールドトロフィーが3着、かきつばた記念が5着だったエートラックス。地元のイグザルトはウインタースプリント3着から挑んだフジノウェーブ記念を制し、ウインタースプリントを制したデュアリストはフジノウェーブ記念では5着まで。ダート路線に切り替えてマーチステークスで8着のダノンスコーピオンは芝のG1優勝馬。エンテレケイアは東京盃4着があり、その東京盃で2着に善戦したのがマックス。ガビーズシスターが人気の中心になるが、波乱の余地を残している。
3歳1月の新馬戦(中山ダート1200m)では、16頭立ての11番人気という評価だったが2着に善戦し、連闘で挑んだ未勝利戦(中山ダート1200m)で未勝利を脱し、その後芝では2戦して2桁着順だが、ダートでは崩れがない。1月にデビューして、その年の12月にはカペラステークスを制しているのだから大したもの。そこから海外遠征をしてリヤドダートスプリントで3着。明け4歳牝馬があそこに挑戦して3着に好走するのは並大抵のことではない。古豪リメイクやイグナイター、昨年の東京盃優勝のチカッパにも大きく先着してのもので、この馬のタフさを物語る。帰国後も順調な調整過程で、別定の54キロなら当然勝ち負けになる。
23年のサマーチャンピオン、同年の兵庫ゴールドトロフィーを制し、翌年のかきつばた記念をも制して重賞3連勝がある実力馬。確かにその後スランプがあったし、勝ち切れないのは確かだが、2走前の兵庫ゴールドトロフィーは勝ったフォーヴィスムは54キロで、こちらは59キロ。前走も直線砂が深い内を通ってコンマ1秒差なら評価できる。1200mへの距離短縮は問題ないし、斤量面も別定で56キロなら不安はない。ここまで様々な競馬場で結果を残しており、初コースを苦にするとは思えず、この舞台でも上位争いに加われる。
中央2歳時にはデビューから3連勝で兵庫ジュニアグランプリを制するなど、ダートの短距離戦で6勝を挙げている実力馬。大井転入初戦のウインタースプリント(大井1200m準重賞)でいきなり優勝し、そのレースでイグザルトは3着までだった。フジノウェーブ記念では、そのイグザルトにあっさり逆転されてしまったが、この馬は折り合いに難があるので1400mは微妙に長い。今回はエンテレケイアやエートラックスといった快足馬がいるので、かなりのハイペースが予想され、折り合いの心配はなくこの馬の力を出せる。
イグザルトは、短距離戦に絞ってからは安定しており、前走のフジノウェーブ記念は圧巻の走り。距離実績はあるが、1200mがベストではないだけにうまく流れに対応できるかが課題に。エートラックスは、兵庫チャンピオンシップを制した実力馬。その後の走りは物足りないが、東京盃(12着)でコース経験をしているのは強味で、スピードを生かす走りで巻き返しは可能。そのエートラックスと遣り合いそうなのがエンテレケイア。今年初戦になるが乗り込んで力を出せる仕上がり。東京盃で逃げて見せ場を作っており、中央馬が相手でもそのスピードは見劣らない。ダノンスコーピオンは前走初めてダートを使って8着。道中は内々で砂を被っても怯むところはなかったし、ダート適性はある。1800mよりは1200mの方が向くと思われ、58キロは楽ではないが、鞍上に笹川翼騎手を迎え一発大駆けがありそうな雰囲気。
提供 勝馬 山形 宗久
注記
当ページの情報は、4月15日(火)17時現在のものです。
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