データ分析 Data Analysis

フェブラリーSに続くダートマイルの頂上決戦

2005年から5月上旬に行われるようになり、船橋競馬場のゴールデンウィークを彩るレースとしてすっかり定着した。3勝を挙げたエスポワールシチー、コパノリッキー、18・19年と連覇を達成したゴールドドリームとリピーターが活躍するとともに、多くの実力馬がここで実績を積み上げていった。ここでは15~24年の過去10回の結果から傾向を探る。

JRAの好走は全て栗東

JRA9勝に対して、地方は船橋のカジノフォンテンによる2021年の1勝のみ。ただ、JRAの馬券圏内は全て栗東で、美浦は延べ8頭と出走数の差はあるものの、栗東に大きく水を開けられている。ちなみに南関東勢で3着以内に入った3頭を見てみると15年3着のハッピースプリント(大井)は全日本2歳優駿、21年1着のカジノフォンテンは同年の川崎記念を制覇とJpnIを勝った実績を持っていた。16年2着のソルテ(大井)はそれまでダートグレードで好走歴がなかったが、前年から同年にかけて南関東で重賞6連勝と勢いに乗っての参戦だった。地方馬の好走には相応の実績が必須になる。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA栗東 9 9 9 23 18.0% 36.0% 54.0%
JRA美浦 0 0 0 8 0.0% 0.0% 0.0%
南関東 1 1 1 33 2.8% 5.6% 8.3%
上記以外 0 0 0 20 0.0% 0.0% 0.0%

1番人気が不振

目立つのが1番人気の不振。勝利は2010年のエスポワールシチーまで遡らなければならない。3連覇を目指した11年のエスポワールシチー、地方の雄フリオーソ(船橋・12年)をはじめ、15・17年ベストウォーリアや、16年モーニン、19年インティ、20年モズアスコット、21年カフェファラオといったダートマイルのGI/JpnI馬でであっても1番人気に応えることはできなかった。それに対して2番人気が6勝を挙げており、5番人気は勝利こそないが2着5回と優秀。6番人気以下は頭数が多く勝率などは目立たないが、JRA所属の6番人気に絞ると【2-2-0-3】。昨年のシャマルもJRAの中では最も人気がない6番人気で勝利を収めた。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 0 2 2 6 0.0% 20.0% 40.0%
2番人気 6 0 0 4 60.0% 60.0% 60.0%
3番人気 1 0 4 5 10.0% 10.0% 50.0%
4番人気 1 0 1 8 10.0% 10.0% 20.0%
5番人気 0 5 2 3 0.0% 50.0% 70.0%
6番人気以下 2 3 1 58 3.1% 7.8% 9.4%

前走フェブラリーSが優勢も傾向に変化あり

当レースと同じ左回りダート1600mのフェブラリーステークスGIから参戦する有力馬は当然だが多く7勝をマーク。勝率・連対率・3着内率のいずれも他レースを圧倒している。その数字からはフェブラリーステークスGI組が中心と考えてよさそうだが、近年は傾向に若干の変化が見られる。2021年以降の4回のうち3回は前走が別のダートグレードか南関東重賞で勝利していた馬が勝利を手にした。過去の傾向と近年のトレンドのどちらを優先するかが問われる。[表3]

[表3]前走別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
フェブラリーS 7 5 8 19 17.9% 30.8% 51.3%
他のレース 3 5 2 65 4.0% 10.7% 13.3%

フェブラリーS大敗からの巻き返しも可能

前項とも関係するが、同年のフェブラリーステークスGI覇者が【0-1-1-4】と勝利を挙げられていない点も見逃せない。逆に6着以下から巻き返して勝利した馬が4頭いる。同じマイルの頂上決戦とはいえ舞台は東京から船橋に。[表4]を見ても、フェブラリーステークスGIで掲示板内に好走した馬と着外馬の成績に大きな差は見られない。いかに船橋1600mにフィットできるかが重要になってくる。

[表4]同年フェブラリーS出走馬の着順別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
フェブラリーS・1~5着 2 5 6 9 9.1% 31.8% 59.1%
フェブラリーS・6着以下 4 2 3 12 19.0% 28.6% 42.9%

勝つのはこういう馬!

JRAの勝利は全て栗東で、美浦は割引が必要。人気面では2番人気やJRAの6番人気に注意。同年のフェブラリーステークスGIで2~14着だった馬から勝利が出ており着順に関係なく押さえが必要になるが、2021年以降は前走でダートグレードや南関東重賞を勝ってきた馬が連勝を決めることが多くなっている。

(文・スポーツ報知・浅子祐貴)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。