データ分析 Data Analysis

秋の中距離戦線へ向けて

例年、7月中旬に行われる盛岡ダート2000m戦。6月に帝王賞JpnIが行われた(今年は7月2日)あと、下半期の中距離戦線の幕開けとなるレース。春に重賞を戦ってきた馬だけでなく、オープン級の競走を勝ち上がってここから重賞戦線に名乗りを上げる馬もおり、例年興味深い組み合わせとなる。ここでは、2015年以降の過去10回をデータで振り返る。

ほぼJRA勢による争い

3着内30頭中26頭がJRA勢。2015年にユーロビート(大井)が勝って以降、この9年はJRA勢が優勝しており、まずJRA勢が予想の中心と考えるべきだろう。稀にある地方勢の活躍のパターンは定めづらいが、馬券絡み4頭のうち3頭はJRA所属時オープン級で走った経験があり、もう1頭は全日本2歳優駿(JpnI)優勝馬のヴァケーション(22年3着)。地方勢はしかるべき実績が必須の条件と言える。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA 9 9 8 24 18.0% 36.0% 52.0%
南関東 1 1 0 20 4.5% 9.1% 9.1%
岩手 0 0 2 45 0.0% 0.0% 4.3%
その他 0 0 0 19 0.0% 0.0% 0.0%

1番人気馬の見極めがポイント

1、2番人気馬で8勝。とは言え、3着内の馬券絡みならそれ以下の人気の馬からも出ており、馬券的には幅広い検討が必要だ。過去10年の3連単配当と合わせて見ると、1番人気馬が3着以内を確保した6回は配当1万円以下。逆に1番人気馬が馬券から外れた4回のうち、1回が1万円台の万馬券(2024年)、10万円を超える高配当が2回(15,16年)、あと1回は60万円を超える超高配当(22年)となった。特に昨年は、JRA勢3頭(2-5-3番人気)で決着しながら、1番人気のメイショウフンジンが8着に敗れて万馬券となっており、1番人気馬の取捨は慎重に見極めたいところだ。[表2]

[表2]人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 4 1 1 4 40.0% 50.0% 60.0%
2番人気 4 1 1 4 40.0% 50.0% 60.0%
3番人気 0 2 4 4 0.0% 20.0% 60.0%
4番人気 1 3 0 6 10.0% 40.0% 40.0%
5番人気 0 1 2 7 0.0% 10.0% 30.0%
6番人気以下 1 2 2 83 1.1% 3.4% 5.7%

4・5歳馬が活躍

活躍レンジは概ね6歳まで。若い馬の活躍が多い傾向にあると言える。更に詳しく見ると、1番人気で4着以下に敗れた4頭は全て6歳馬で、2018年にミツバが勝って以降6歳馬の優勝はない。近年の傾向としては、4・5歳馬の活躍が期待される。[表3]

[表3]年齢別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
4歳 4 2 2 10 22.2% 33.3% 44.4%
5歳 4 4 3 14 16.0% 32.0% 44.0%
6歳 2 2 1 26 6.5% 12.9% 16.1%
7歳 0 0 3 28 0.0% 0.0% 9.7%
8歳以上 0 2 1 30 0.0% 6.1% 9.1%

JRA馬は前走重賞なら大敗でも狙える

過去10年で馬券圏内のJRA勢26頭の前走成績を見ると、そのうち9頭は前走着外(6着以下)からの3着以内好走で、いずれも重賞で9着以下だった。特に近4年では、前走重賞二桁着順の馬が3勝(2021年マスターフェンサー、22年バーデンヴァイラー、24年クラウンプライド)しており、前走の着順の悪さだけで安易に「消し」とすることは避けたい。ただし重賞以外で着外だった馬が馬券にからんだ実績はなく、重賞以外に出走していたJRA馬は掲示板内が好走条件となる。[表4]

[表4]JRA所属馬の前走着順別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1着 2 2 3 2 22.2% 44.4% 77.8%
2~5着 3 4 3 10 15.0% 35.0% 50.0%
6着以下 4 3 2 12 19.0% 33.3% 42.9%

勝つのはこういう馬!

JRA所属の4・5歳馬で、1、2番人気に支持されそうな馬。前走が重賞以外なら掲示板内の成績が必要だが、重賞であれば大敗していても軽視はできない。

(文・坂田 博昭)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。