レースの見どころ
このレースは今後のローテーションに必要な賞金加算を狙うJRA馬が多く集結してくるのが特徴で、平安Sや東京ダ2100mのブリリアントS、スレイプニルSからの参戦が近年目立っているだけに今年はディープリボーン、カズタンジャーが下剋上を狙ってきた。そして連覇を狙うクラウンプライド、松山Jを鞍上に迎えたセラフィックコールが重ハンデを背負う覚悟で戴冠に挑んできたのも不気味。一方、地方所属馬では大井記念を制したJpn1川崎記念馬ライトウォーリア、兵庫の雄マルカイグアスが参戦。トラックバイアスの差が出にくい盛岡ダ2000m、力と力のガチンコ勝負が存分に見られそうな一戦。
2023年2月デビューからいきなり5連勝で駒を進めた6戦目のチャンピオンズCで10着に敗れてからは、2000m以上のロングディスタンスを求めたようなローテーションで船橋・ダイオライト記念連覇など無類の長距離砲として地位を確立中。まだJpn1のタイトルにこそ手が届いていないが、地方のダート走路では強い内容を毎回見せているだけにこの盛岡でも同様の走りは期待できそうだ。それともう一つ。これまですべて外人騎手が手綱を握っていたが、今回初めて松山騎手が手綱を握る点も注目に値。
昨年4月のJpn1川崎記念を制した馬ゆえ斤量59キロは正直この猛暑の中では相当なハンデ。そして逃げにこだわるメイショウフンジン、昨年逃げてアッと言わせた地元ヒロシクン、前走崩れたクラウンプライドら強力先行型が多くいる今年のマーキュリーCだけに今回の1枠からどんな立ち回りを見せてくれるかが戴冠への条件となりそう。Jpn1馬としての底力は脅威。さらにこの馬のすべてを知り尽くした吉原騎手が鞍上に戻ってきたのも心強い。
昨年覇者のリピート参戦は不気味だが、昨年は5月かしわ記念から、今年は2月佐賀記念からの参戦とローテーションが少し違うことがどこまで影響するかだろう。しかも佐賀記念であれだけの大敗、これが印を悩ませるファクターになってしまったが実績はダントツ。自身の体調と気持ちさえ整っていればトップクラスの走りは可能で、過去にレモンポップ、フォーエバーヤング、ウィルソンテソーロとの対戦実績も光る。ここでの巻き返しあって不思議なし。
近年の好走馬から注視したいのが東京ダ2100m条件のブリリアントS、スレイプニルS出走馬。となればディープリボーン、カズタンジャーは外せない存在となりそうだ。何といっても斤量54キロは魅力であり、先手を主張したい面々が点在しているだけに展開の利が見込めるのではないだろうか。兵庫マルカイグアスはすでに兵庫優駿などすでに重賞5勝と実績は申し分なく4歳という若さと勢いが魅力。あとは盛岡までの長距離輸送と初の左回りへの対応力が求められるが、500キロを超えるパワータイプならスタミナを要求される盛岡コースとの相性は意外といいかもしれない。
提供 栄冠 千田 正明
注記
当ページの情報は、7月20日(日)17時現在のものです。
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