国内外大舞台への前哨戦
実力馬が多数参戦し、2015~18年のJBCクラシックJpnIはいずれも当レースを叩き台にした馬が勝利を飾った。また、23年1着、24年2着のウシュバテソーロは、次走でアメリカのブリーダーズカップクラシックG1へ挑んだように、近年は国内外の重要レースへ向けたステップとして選ばれている。ここでは15~24年の過去10回の結果から傾向を探る。
勝利数ではJRA栗東が最多で連対を外した年はなく、馬券の軸としては最適と言える。美浦は勝率・連対率・3着内率のいずれも栗東に次ぐ数字だが、その中にはサウンドトゥルー(2015~18年に1、3、2、3着)、23年の覇者で24年2着ウシュバテソーロの活躍が数字を押し上げていると考えることもできる。南関東は2勝、3着4回と侮れない存在で、5頭が大井で残り1頭は船橋だった。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
JRA栗東 | 6 | 7 | 4 | 10 | 22.2% | 48.1% | 63.0% |
JRA美浦 | 2 | 3 | 2 | 5 | 16.7% | 41.7% | 58.3% |
南関東 | 2 | 0 | 4 | 37 | 4.7% | 4.7% | 14.0% |
上記以外 | 0 | 0 | 0 | 36 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
2019年までの5回は単勝1~4番人気の上位人気で決着。1番人気が3勝、3着2回と好走したこともあって、3連単の平均配当は1784円と堅い傾向にあった。ただ、20~22年は1番人気が馬券圏外に沈んだことで3連単10万円オーバーが2回飛び出し、3年続けて万馬券決着に。単勝1.6倍の1番人気ウシュバテソーロが勝利した23年は、2着テンカハル(5番人気)、3着スワーヴアラミス(6番人気)で、3連単は1万300円となったが、1番人気が3着以内に好走した年の3連単万馬券は同年のみ。1番人気の信頼度次第で波乱の有無を判断することができそうだ。[表2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 4 | 1 | 2 | 3 | 40.0% | 50.0% | 70.0% |
2番人気 | 1 | 2 | 3 | 4 | 10.0% | 30.0% | 60.0% |
3番人気 | 2 | 5 | 1 | 2 | 20.0% | 70.0% | 80.0% |
4番人気 | 1 | 1 | 1 | 7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
5番人気 | 1 | 1 | 1 | 7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
6番人気以下 | 1 | 0 | 2 | 65 | 1.5% | 1.5% | 4.4% |
馬券圏内に入ったJRAと南関東所属馬の年齢を調べると極端に傾向が違うことが分かる。JRAは勝率・連対率・3着内率のいずれも優秀な5・6歳と3着内率が良好な4歳という図式に対して、南関東は6歳以下の3着以内は0回で、馬券圏内に好走した6頭は全て7歳か8歳のベテランだった。
JRAの7・8歳での3着以内は延べ4頭。2016年3着、17年2着、18年3着のサウンドトゥルーと、24年2着ウシュバテソーロはJRAで勝率が高い5、6歳時に当レースを勝っていたリピーターだった。もう1頭は24年3着メイショウハリオ。日本テレビ盃JpnIIを勝っていないJRAの7歳以上は割引が必要か。[表3-1][表3-2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
3歳 | 1 | 1 | 0 | 4 | 16.7% | 33.3% | 33.3% |
4歳 | 1 | 3 | 2 | 4 | 10.0% | 40.0% | 60.0% |
5歳 | 3 | 2 | 1 | 2 | 37.5% | 62.5% | 75.0% |
6歳 | 3 | 2 | 1 | 2 | 37.5% | 62.5% | 75.0% |
7歳 | 0 | 2 | 1 | 3 | 0.0% | 33.3% | 50.0% |
8歳 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0.0% | 0.0% | 100.0% |
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
3歳 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
4歳 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
5歳 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
6歳 | 0 | 0 | 0 | 9 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
7歳 | 1 | 0 | 2 | 6 | 11.1% | 11.1% | 33.3% |
8歳 | 1 | 0 | 2 | 9 | 8.3% | 8.3% | 25.0% |
9歳以上 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
実力馬が集まることが多いだけに前年の東京大賞典GI、同年の川崎記念JpnI、帝王賞JpnIで3着以内に好走していた馬が高い確率で馬券絡み。該当馬の出走がなかった2022年以外は3着以内に好走している。3歳は、23年までのジャパンダートダービーJpnIの馬券圏内馬5頭が参戦して19年クリソベリルが勝利を収めただけで、他の4頭はいずれも馬券圏外。昨年3歳の出走はなかったが、体系整備がされたダート三冠路線の活躍馬を疑ってみる選択肢もある。まずは古馬中距離の実績馬を素直に狙いたい。
JRA栗東所属の5・6歳馬が中心に最適。2勝の南関東勢で馬券に絡んだ6頭はすべてJRAからの転入馬だったことは注意したい。近走のGI/JpnIで3着以内だった馬の期待値が高いが、JBCクラシックJpnIの前哨戦だけに取りこぼしもあり、前走でGI/JpnI以外の重賞を勝っていた馬の台頭もある。
(文・スポーツ報知・浅子祐貴)
1着
2着
3着
【注記】馬インフルエンザ流行の影響により、南関東限定重賞となった2007年を除いたデータとなります。
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。