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第56回東京大賞典(JpnI) 参考レース&注目馬解説

2010年12月27日

第56回東京大賞典(JpnI)
2010年12月29日(水)大井競馬場 2000m

(出走表はこちらをご覧ください)

<参考レース>

JBCクラシックJpnI(10年11月03日|船橋)
 1着:スマートファルコン
 2着:フリオーソ
 3着:アドマイヤスバル
 4着:シルクメビウス
 5着:ボンネビルレコード
 11着:トウホクビジン
 好ダッシュのスマートファルコンが外枠から意表を突いての逃げ。フリオーソは2番手を追走したが、向正面から追い通し。3〜4コーナーでも後続勢が必死に追うが、対照的にスマートファルコンの手ごたえは楽で、直線で突き放し7馬身差の圧勝。追走一杯のフリオーソは直後のアドマイヤスバルに並びかけられる場面もあったが、ゴール前で1馬身半差をつけ2着を確保。中団を追走したシルクメビウスはじりじりと伸びたが4着まで。

ジャパンカップダートGI(10年12月05日|JRA阪神)
 3着:アドマイヤスバル
 4着:バーディバーディ
 5着:シルクメビウス
 淀みのないペースで逃げ切ったのはトランセンド。バーディバーディがこれを2番手で追走し、直線ではクビほどの差まで詰め寄ったが、最後にはやや力尽きた感じで突き放された。5〜6番手追走から直線伸びてきたアドマイヤスバルがバーディバーディをわずかにとらえて3着。中団よりうしろを追走したシルクメビウスはメンバー中2番目となる36秒3の上がりで追い込んだが、前が止まらずバーディバーディから2馬身差の5着まで。

勝島王冠(10年12月01日|大井)
 1着:スーパーパワー
 2着:ボンネビルレコード
 3着:サイレントスタメン
 14着:バロズハート
 前走B1特別2着と格下からの挑戦だったスーパーパワーは、中団よりうしろを追走。直線を向いて外に持ち出されると、並ぶ間もなく場群を交わし去り、直線半ばで突き抜けて完勝。1番人気のボンネビルレコードは中団追走から直線でこの馬らしい伸びを見せたが1馬身3/4差で2着。最後方追走のサイレントスタメンも4コーナー12番手から直線伸びて3着を確保。逃げたバロズハートは直線後退して14着だった。



<注目馬解説>

アドマイヤスバル(JRA)
 デビューからダートを中心に使われ、重賞10度目の挑戦となった昨年10月の白山大賞典JpnIIIで重賞初制覇。その後は地方・中央のダートグレードを使われ、掲示板を外さない堅実な走りを続けている。1400メートルのJBCスプリントJpnI(名古屋)でもスーニに3/4馬身差と迫る2着など幅広い距離に適応。前々走JBCクラシックJpnI(船橋)3着、そして前走ジャパンカップダートGIでも勝ち馬に0秒2差の3着と好走続きでここに臨む。

シルクメビウス(JRA)
 昨年3歳時はユニコーンステークスGIIIを制し、ジャパンカップダートGIでも追い込んでエスポワールシチーの2着と見せ場をつくった。今年、東海ステークスGIIでは直線一気でトランセンドをゴール前でとらえて勝利。帝王賞JpnIは補欠1位で除外となったが、ブリーダーズゴールドカップJpnIIはカネヒキリを4馬身突き放して圧勝した。ダートの重・不良では5戦3勝、2着3着各1回と、持ち味の末脚を発揮する。

ボンネビルレコード(大井)
 JpnI勝ちは07年の帝王賞と08年のかしわ記念。08年の日本テレビ盃JpnII以来勝ち星から遠ざかっているものの、今年の帝王賞でも9番人気という低評価ながら、2着のカネヒキリにアタマ差まで迫る3着と見せ場をつくった。前走、1番人気に支持された勝島王冠は、スーパーパワーの驚きの末脚の前に2着に敗れたものの、直線で馬群を捌いて抜けてくる的場文男騎手との名コンビは健在。前が止まる流れになればチャンスも。
スーパーパワー(大井)
 中央未勝利から兵庫を経由して川崎に転入したのが昨年1月。約1年でB2級まで出世し、年明け後1戦して大井の鷹見浩厩舎に転厩。特別戦で堅実な成績を残し、前々走B1特別2着のあと、重賞初挑戦となったのが前走の勝島王冠。中団から直線外を追い込んで鮮やかに差し切り、ボンネビルレコードをも寄せつけずの完勝。鷹見調教師も「あんな脚を使ったのは初めて見た」という驚きの末脚を発揮したことで東京大賞典挑戦を決めた。

フリオーソ(船橋)
 帝王賞JpnI、日本テレビ盃JpnIIと圧倒的な強さで連勝し、期待されて臨んだJBCクラシックJpnIは、スマートファルコンに突き放され7馬身差の2着。とはいえ今年はJpnII以上のダートグレードのみを6戦して2勝、2着3回とこれまでにないほどの安定した成績。同じ大井の2000メートルでも、帝王賞は3戦2勝、2着1回と強さを見せているのに対し、東京大賞典JpnIは2、5、7着という成績だけに、是が非でも欲しいタイトル。

バーディバーディ(JRA)
 兵庫チャンピオンシップJpnII、ユニコーンステークスGIIIと連勝し、断然人気で臨んだジャパンダートダービーJpnIはゴール前で力尽きた感じでマグニフィカの6着。そしてこの秋3戦目として臨んだ前走ジャパンカップダートGIは、逃げたトランセンドをぴたりと2番手でマークし、直線では馬体を併せるあわやのシーン。ゴール前で後退し4着に敗れたとはいえ、勝ったトランセンドからは0秒2差。距離が克服できればチャンスも。

タートルベイ(金沢)
 中央時はダートのオープンで6着が最高という成績で、この秋金沢に転厩。初戦のA1特別を制し、続く北國王冠では2着馬に9馬身差をつけ2600メートルのコースレコードで勝利。前走、中日杯では期待されたとおり、白山大賞典JpnIII・2着のジャングルスマイルと一騎打ちとなり、直線で1馬身半突き放した。金沢に移籍して無敵の3連勝。中央オープンクラスの力があるのは確実なだけに、JpnI初挑戦のここで上位に食い込めるかどうか。

ゴルトブリッツ(JRA)
 母のレディブロンドはディープインパクトの4歳上の姉で、マル外として輸入。5歳と遅れたデビュー戦は1000万下に出走し、そこから準オープンまで5連勝して注目を集めた。その母にスペシャルウィークを付けて生まれたのが本馬。新馬・未勝利を6戦して勝ち上がれず、この秋に道営で2連勝して中央に復帰。その初戦となった500万下のダート1800メートル戦を楽々と逃げ切り勝ち。いきなりのJpnI挑戦でどんなレースを見せるか。

スマートファルコン(JRA)
 08年10月、3歳時の白山大賞典JpnIII以降は地方のダートグレードへの遠征を続け、積み重ねたタイトルの数が12。今シーズンは帝王賞JpnI・6着、日本テレビ盃JpnII・3着と調子を崩したが、万全の仕上げで臨んだJBCクラシックJpnIはフリオーソ以下を寄せ付けず7馬身差の圧勝で、念願のJpnI初制覇。相手が格段に楽になった浦和記念JpnIIも楽々と逃げ切り勝ち。再びフリオーソを制して逃げるのか、展開にも注目が集まる。
ワンダーアキュート(JRA)
 先日の名古屋グランプリJpnIIを制して引退するワンダースピードの4歳下の半弟。昨年3歳時は、秋に準オープン、シリウスステークスGIII、武蔵野ステークスGIIIと3連勝し、一躍注目の存在となった。続くジャパンカップダートGIは6着。骨折による11カ月の休養明けで臨んだみやこステークスGIIIは6着に敗れたものの、前走ベテルギウスステークスを勝利。地方遠征はジャパンダートダートダービーJpnI・5着以来となる。



文・構成:斎藤修(サイツ)



※ 当コンテンツの内容は、編集時点(12月27日)での情報となっております。出走回避等によりレースに出走しない可能性もありますのでご了承ください。また、当コーナーの内容に関しまして、NARおよび競馬主催者が特定馬の推奨などを行うものではありません。

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