ブリーダーズゴールドカップ〜サマーチャンピオン(第39回)

ブリーダーズゴールドカップ JpnU

 シビルウォーは、中央勢の中でも1頭だけうしろのほうから行きました。前のペースが速かったのもあったでしょうし、先行勢は3コーナーから追って行きましたから、結果的に後半に脚を使うこの馬に向いた展開になりました。直線半ばで前を交わして、そこから6馬身。この馬だけ上り3ハロンが36秒9で、ほかの上位馬が39秒から40秒台ですから、やはりそれだけの差はついてしまいます。それにしても今回は強いレースをしました。
 エーシンモアオバーは、内枠のメイショウタメトモより先に行きたかったのでしょう。スタート後に仕掛けていって、そのまま勢いがつきました。さらに直後のメイショウタメトモが行きたがっているような感じだったので、やはり前はかなり速くなったと思います。エーシンモアオバーがスッと先頭に立てるような展開なら、それほどペースは速くはならなかったかもしれません。もしくは、メイショウタメトモが自分のペースで先頭に立てるような展開なら、シビルウォーの追い込みが決まる展開にはならなかったかもしれません。そういう意味でも、すべてがシビルウォーに向いたレースになりました。



クラスターカップ JpnV

 ドスライスはスタート後は3番手でしたが、ラブミーチャンの外ですぐに抑えています。直線を向いても手ごたえが楽でした。ただ、ラブミーチャンに並びかけたところで、両馬が馬体を併せる場面は少しヒヤッとしました。ただ直線で突き放すレースぶりは抜けて強かったですね。東京盃やJBCスプリントに出るようであれば、楽しみな馬です。
 グランドラッチは、前の3頭が競り合って展開が速くなったところを追い込んできました。競り合った馬がバテたところ、末脚が生きる展開になりました。
 ラブミーチャンは、スタートダッシュが速いですね。今回もほとんど仕掛けずに先頭に立ちました。大外からエイシンタイガーが行く気で並びかけて、間からドスライスも早めに並びかけてきました。こうやって早めに突つかれると、ラブミーチャンにとっては苦しいです。マイペースで単独先頭で行ければもう少し楽にレースができると思うのですが。船橋(習志野きらっとスプリント)では強いレースをしましたが、中央馬が相手だとやはり厳しいですね。


サマーチャンピオン JpnV

 スーニは、3番手の好位につけて早めに前に並びかけて行きました。切れる脚を持っているわけではなく、バテずにじりじりと伸びる脚質なので、積極的に行ったのがよかったと思います。今回はエーシンクールディがトーホウドルチェのハナを叩いて飛ばして行ってくれたのも、結果的にはこの馬に向く形になりました。外枠で砂を被らずに行けたのもよかったと思います。昨年は1番人気で4着に負けていましたが、実力を出せればこのあたりでは力が違います。
 トーホウドルチェは前に行くつもりだったとは思いますが、エーシンクールディと競り合いになって、相手が譲らなかったので、結局は下げる形になりました。内枠だったので思い切って行ってしまってもよかったかもしれません。直線では盛り返してきましたが、スーニからは4馬身離されてしまいました。


佐々木竹見(ささきたけみ)
NAR地方競馬全国協会参与。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。
 現在は地方競馬教養センターなどで後進の指導にあたる。