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第51回 2012年10月19日 コンサートボーイ

 近代競馬が生まれてから今年で150年。10月2日を近代競馬メモリアルデーと位置づけ、今月は全国各地の地方競馬場でもさまざまな記念レースやイベントが行われました。大井競馬場の近代競馬150周年記念・準重賞ムーンライトカップを優勝したのは真島大輔騎手がエスコートをしたピエールタイガー。北海道時代には11北海優駿を勝ち、南関東に転厩後も重賞タイトルまでもう少しのところまできているこれからを担っていく期待の星です。

 「第二のコンサートボーイを作りたいと思って作った馬なんです」と生産牧場の船越三弘さん。コンサートボーイの妹ビーフレグラントの仔がピエールタイガーで、父は一緒のカコイーシーズというひじょうに近い血統です。

 ピエールタイガーの伯父としても脚光を浴びるようになったコンサートボーイは今年20歳になりました。94年に北海道デビューし同年に南関東へ移籍すると、95年の南関東クラシック戦線では3冠すべてで2着。重賞初制覇を飾ったのは古馬になってからで、97年帝王賞ではアブクマポーロらと死闘を演じて頂点に輝くなど通算6つのタイトルを取った地方競馬を代表する雄でした。

 現役引退後は種牡馬入りをし、北海道と南関東で10勝を挙げたサウンドイモンや佐賀で吉野ヶ里記念を優勝するなど24勝をマークしたザオリンポスマンなどを輩出。昨年から種牡馬生活を卒業し、船越牧場の功労馬として悠々自適な毎日を送っています。

 船越さんの自宅からいちばん近くに設けられたコンサートボーイの専用スペースにはコンサートボーイのプロフィールが書かれた看板が掲げられ、自身がいつでも自由気ままに出入りできるような小屋も設けられています。

 「今年は見学者が増えましたね。現役時代は知らないけどゲームに出てくるからどんな馬なのか見てみたいっていう若い人たちで……(苦笑)」と船越さん。これも時代の流れでしょうか。

 久しぶりに会ったコンサートボーイは年齢を微塵も感じさせない若々しい体つきで、凛とした精かんな姿。放牧地に放すときなどは今もなお元気がみなぎっているんだとか。

 2年前にコンサートボーイが大井競馬場でお里帰りイベントを行った際に、「死ぬまで大事にします。長生きして欲しいです」と船越さんは声高らかに宣言していました。生まれ故郷で、生まれたときと同じ景色を見ながら最後を迎えることができる馬は、ほんのひと握りでしょう。

 今は船越さんご一家のペットのようなそんな存在として穏やかな日々を送っているように見えました。お孫さんがコンサートボーイの顔をなでてじゃれ合っていた姿がとても微笑ましかったです。

 コンサートボーイの見学は競走馬のふるさと案内所のホームページをご覧ください。
http://uma-furusato.com/

高橋華代子(たかはしかよこ)
元NHK山形放送局キャスター。
現在は南関東競馬を中心に活動中。
・南関魂
・TCKホームページ重賞競走
・楽天競馬
・競馬総合チャンネル地方コース
・ウェブハロン
・船橋競馬を愛する100人の会