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第110回 2017年9月20日 イケノエメラルド

(提供:高橋華代子)
 東海地区や北海道、福山で走ったアラブの女傑イケノエメラルド。1999アラブダービー(笠松)やアラブ王冠(名古屋)、2000アラブギフ大賞典(笠松)などを制し、長きに渡って走り続けました。

 父のコノミテイオーは1994楠賞全日本アラブ優駿(園田)を制したことでも有名。さらに遡れば、イナリトウザイなどアラブの名馬たちの血が流れています。

 現役引退後は生まれ故郷の池添安雄さんの牧場(日高町)で繁殖生活に入り、代表産駒と言えば、皆さんもご存知のサラ系ゴーディーでしょう。ゴーディーの父プレシャスカフェは、1世代わずか10頭足らずの産駒を残して、乗馬になったことでも知られています。

 ゴーディーは大井競馬場からデビューし、4歳時にはサンタアニタトロフィーを制して重賞初制覇。9歳になった今もガッツあるスピード感あふれる走りで、5年ぶりにサンタアニタトロフィーを優勝しました。大井の宝馬の1頭として、たくさんの人たちに感動を与え続けています。

 そんなゴーディーをこの世に送り出した偉大なるイケノエメラルド。最後の産駒は北海道競馬で走っている2歳のイケノコスモスです。こちらも目下連勝中で、今後の活躍を期待したいです。

 イケノエメラルドも今年21歳になり、池添さんの牧場で功労馬として過ごしていました。

 池添さんの牧場スタッフ今野薫さんから、『エメ』という愛称で呼ばれているイケノエメラルド。「とてもいいお母さんですよ。子供を触りにいくと怒りにくるくらい、子供をすごくかわいがっていました。若い頃はボス的存在で気も強かったです」(今野さん)。

 私がおじゃました時、イケノエメラルドはちょうど放牧を終えて馬房でのんびり過ごしていました。その後にカイバを食べていたのですが、お尻を向けると、迫力たっぷりの体には圧倒されてしまいました。21歳のおばあちゃんですが、毛づややハリは抜群で、健康体なんだろうなと。長生きして欲しいですね。

 『イケノエメラルドお母さん、私たちファンにもかけがえのない存在であるゴーディーを、この世に送り出してくれてありがとうございます!』

(提供:高橋華代子)
高橋華代子(たかはしかよこ)
元NHK山形放送局キャスター。
現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関魂
・TCKホームページ
・楽天競馬
・WEBハロン
・馬事通信
・netkeiba.com
・ターファイトクラブ会報誌
・SPAT4ザ・ウィナーズ
など