常日頃お互いの活躍を目にする機会が多いと思うのですが、森さんは福永さんをどういう風に見ていらっしゃいますか?
レースやインタビューとか拝見していてもすごく頭の良い方なんだろうなと思っています。そして、一番思うのは急に進化されたなと。それこそ10年ぐらい前だと思うのですが「何かあったのかな?」と思うぐらい急激に進化された印象があります。進化されましたよね?
まぁ(笑)30歳を超えたあたりですかね。
具体的に何かあったのですか?
それは騎乗を見てもらうコーチをつけたからですね。
コーチをつけるきっかけは何かあったのですか?
31、2歳ぐらいで技術面での限界を感じていて…、自分の力じゃなくて他者の力を借りなければ変化していけないだろうなというのがありました。そこで元騎手の方にお願いすることも考えたんですけど、自分とは全く違う理論を持った方のほうが良いのかなと思っていた時に、今でもお世話になっているコーチを紹介してもらいました。
どういった方なのですか?
障害馬術・日本代表のアドバイザーとしてオリンピックなどに帯同されていたり、騎手の動作解析に取り組んでいる方です。
コーチとの出会いが更なるレベルアップに繋がったのですね。
とりあえずやってみようという感じで取り組んでみたら、3年後にリーディングを獲らせていただきました。
祐一さんが30歳ぐらいのときはすでにトップジョッキーのうちの一人だったじゃないですか。そこで、更に変化を求めるのが凄いなと感じますね。
でも僕はそのときは一番じゃなかったから、一番になるためにはどうしたらいいかというところであの選択ができたのかもしれないですね。
一番になりたいという想いが自分の変化を生んだわけですね。
逆に森くんは今、南関東でずっと一番なわけでしょ?
変な言い方だけど、大きな変化をしなくてもずっと一番を獲り続けることも可能だと思うんだけど。
※2018~2021/4年連続 南関東リーディング1位
いや、実は去年ぐらいから流れが変わってきたなというのを肌で感じていまして、僕も変化していかなきゃこれから難しいぞと思っています。
やはりそれは南関東の後輩騎手のみなさんの頑張りや勢いというのも大きいですか?
そうですね。若手でいうと笹川翼騎手を筆頭にみんなの技術は上がってきていると思います。ただ、もっと南関東騎手全体の環境を良くしていきたいとは思っていまして、所属である船橋競馬ですと騎手会の副会長として「Funabashi Jockeys Festival」(※船橋競馬所属騎手による年間王者決定戦)をご提案させていただいて、実現もできていますし、まだまだみんなが技術向上できる環境を作っていきたいと思います。
「Funabashi Jockeys Festival」は森さんのご提案だったのですね。若手騎手のみなさんにもチャンスが広がっています。
若手の台頭を喜べるようになったのは自分の中でも良いことなのかなとは思っています。昔だったら悔しくて、悔しくてって感じでしたけど、今は少し大人になったのかなと(笑)