昨年から1400mに距離短縮
第1回から24年間、1870mで行われてきたが、昨年から1400mに距離短縮され、3歳スプリント路線の頂点となった。勝ったエートラックス(JRA)はその後、北海道スプリントカップJpnIIIで2着、兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIで3着と、短距離で活躍を続けており、その後の短距離界を占う意味で重要な一戦となってきそうだ。ここでは2015~24年の過去10回から傾向を見ていく。
第3回の2002年から23年連続でJRA馬が優勝している。過去10回では立地的にも近い栗東が8勝で、地方馬で唯一3着以内に入ったのは19年3着バンローズキングス(兵庫)だった。昨年のデータ分析で「ダートグレードでの地方馬の優勝は1600mを境に短距離の方が2倍近い頭数(2014~23年)。1400mに短縮される今年は、例年に比べると地方馬に可能性がある。」と書いたが、1400mとなった昨年もJRAが4着までを独占。地方最先着は5着ギガース(船橋)だった。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
JRA栗東 | 8 | 9 | 6 | 14 | 21.6% | 45.9% | 62.2% |
JRA美浦 | 2 | 1 | 3 | 6 | 16.7% | 25.0% | 50.0% |
兵庫 | 0 | 0 | 1 | 50 | 0.0% | 0.0% | 2.0% |
上記以外 | 0 | 0 | 0 | 18 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
単勝3番人気以内が10勝、2着7回、3着4回。1~3番人気が3着以内に複数頭入ったのは過去10回中9回と、基本的に上位人気の好走率が高い。唯一当てはまらなかったのは1400mに距離短縮された昨年で、1→4→6番人気の順で決着。北海道時代にエーデルワイス賞JpnIIIを勝ち、JRA移籍初戦だったモズミギカタアガリが6番人気で追い込んで3着に入った。[表2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 6 | 2 | 0 | 2 | 60.0% | 80.0% | 80.0% |
2番人気 | 2 | 5 | 2 | 1 | 20.0% | 70.0% | 90.0% |
3番人気 | 2 | 0 | 2 | 6 | 20.0% | 20.0% | 40.0% |
4番人気 | 0 | 2 | 2 | 6 | 0.0% | 20.0% | 40.0% |
5番人気 | 0 | 1 | 1 | 8 | 0.0% | 10.0% | 20.0% |
6番人気以下 | 0 | 0 | 3 | 65 | 0.0% | 0.0% | 4.4% |
牝馬の参戦は多くはないが、JRA所属だと【0-0-5-4】。2017年クイーンマンボ(2番人気)など5頭が3着に入るなど好走はしているが、連対はない。[表3]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
牡・セン | 10 | 10 | 5 | 65 | 11.1% | 22.2% | 27.8% |
牝 | 0 | 0 | 5 | 23 | 0.0% | 0.0% | 17.9% |
園田競馬場は2020年4月に砂をオーストラリア産の白砂に変更。それまでは雨が降ると水の浮く不良馬場になることも多かったが、以降は水たまりが見られることは減った。その一方で、水分を含むと一般的なセオリーに逆行して走破時計がかかる場合も見られるようになった。
そこで、舞台となる園田1400mの脚質別成績を馬場状態毎に見てみる(砂入れ替え後の2022年4月7日~24年12月31日)。一般的には、不良馬場になると逃げ粘りが一気に多くなるイメージがあるが、勝率は良の31.4%に対して不良は40.1%。『不良馬場=断然逃げ有利』とまでは言えなさそうだ。[表4]
逃げ | 先行 | 差し | 追込 | |
良 | 31.4(57.3) | 15.1(40.8) | 6.6(25.0) | 2.4(12.3) |
稍重 | 31.9(58.6) | 15.6(42.8) | 6.0(23.3) | 2.6(12.1) |
重 | 40.9(70.1) | 15.3(43.7) | 5.2(22.0) | 2.3(10.5) |
不良 | 40.1(71.7) | 13.4(41.3) | 5.9(22.3) | 2.6(10.8) |
今年もJRA馬優勢に変わりはないだろう。特に単勝3番人気以内の牡馬であれば、【10-7-2-9】で勝率35.7%。昨年は、前走がダート1400mだった2頭でワン・ツー。JRA馬でも前走ダート1600m以上だった馬は3頭中1頭が3着に入ったのみだった。
(文・大恵陽子)
1着
2着
3着
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。