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第7回 2012年4月10日(火) 極とんラーメン(福山競馬場)

福山競馬場
極とんラーメン(550円)

 福山競馬場に行くときは福山駅からバスに乗っていくのだが、たいていの場合、バスに乗る前にすることが「現金の補給」。今回もそのパターンどおり、福山駅南口の某コンビニエンスストアに立ち寄った。
 用事を済ませて店を出ると、前方から自転車に乗った3人の高校生がやってきて、コンビニの横にあるラーメン店の前に自転車を止めて足早に店のなかへと入っていった。その店構えをみると、なかなかいい雰囲気。ちょうど昼どきだったので少し心が動いたが、今は競馬場に行く前。この店はこんどにしようと心に決めて、競馬場方面行きのバス乗り場に向かったのだった。

 という状況で競馬場に着いたのですでにハラペコ。さっそく何か食べようとスタンドの後ろ側にある食堂街に行ってみると、パドックにいちばん近い店がラーメン店に変わっていた。福山競馬場といえば、スタンド2階の尾道ラーメンが名物だけれど、ここはとんこつの店なのね。
 そう思いながら店内に入り、パウチされたメニューを見てみると、んん? さっき駅前で見たラーメン店と同じような雰囲気を感じるぞ?
 そう直感したので、注文を聞きに来たお兄さんに「このお店って、駅前のコンビニの横にもありますよね?」と聞いてみた。果たして答えは、「そうですね、駅前にもありますね」と。改めてメニューをよくみると、このラーメン店は福山市内を中心に何店舗か出店しているらしく、どうやら支店のひとつとして競馬場にも出店したようだ。
 なんという邂逅。あまりの偶然にうれしくなりながらさっそくラーメンを注文する。店の奥にはにんにくを潰す器具があるのだけれど、今日のところはガマンガマン……。まずは「極とんラーメン とん匠」のオリジナルの味を賞味してみる。うーむ、荒尾競馬場のとんこつラーメンより濃厚な感じがするなあ。でも口のなかにしつこさが残らないのは、さすが地元の人気店というところなのだろう。
 麺を完食したところで替え玉を注文(100円)。2杯目には高菜と紅しょうがを入れて、違う味を楽しんでみる。こちらもなかなか。福山近辺には「尾道ラーメン」をはじめとして、「笠岡ラーメン」「岡山ラーメン」とご当地ラーメンが揃っているが、それらはみんな醤油味がベース。その流れとは違うラーメンがこの地で展開されていることを知ったのもびっくりだったし、地元の有名店の味が競馬場で堪能できることにまたびっくり!

 おいしいラーメンを食べながら、「こういった地元の有名店が各地の競馬場に出店してくれるようになればもっと面白くなるはず」と実感したことだった。

文・写真●浅野靖典

浅野靖典(あさのやすのり)
競馬キャスター・ライターとして活動中。「クリック!地方競馬」キャスターを務めているほか、JRAブリーズアップセール、八戸、九州の各競走馬市場にて司会進行を担当。ライターとしては、
・競馬総合チャンネル(netkeiba.com)
・POGの達人
・JRAホームページ
・週刊プレイボーイ
・WEBハロン
などに寄稿している。


※ 本文で紹介している逸品については、取材時点のものです。 その後、値段改定やメニューが変わっている場合もございます。