浅野靖典の全国馬美味(ウマウマ)行脚」地方競馬にまつわる「ウマいもの」を毎月ご紹介!
“鉄人”佐々木竹見の見解」佐々木竹見元騎手がダートグレード各競走を“鉄人”の目線で鋭く解説!
高橋華代子の(続)気になるあの馬は…」引退後や転厩した名馬の近況を愛あふれる文章でご紹介!
REWIND 90's」当時の写真や映像を交えて90年代の名勝負を振り返ります!

第8回 2012年5月10日(木) 石焼きカレーうどん(名古屋競馬場)

名古屋競馬場
「酒津屋」 石焼きカレーうどん(700円)

 名古屋競馬場には年に何回か行っているが、私が過ごす場所のほとんどは、ゴール前近辺とパドック周辺。名古屋競馬場には有料席が特別観覧席とグリーンホールの2種類あるが、じつはこれまで両方とも入ったことがなかった。
 しかし、名古屋競馬場の特別観覧席はとても敷居が低い。先着順ではあるが、「あおなみ線の往復切符」を買えば、追加料金なしでそこに入れてしまうのである。
酒津屋さんの入口
 そんなありがたい制度があるのだが、祝日の特別観覧席は正午すぎでも「空席あり」の看板。うーむ、お客さんにはイマイチ浸透していないのかなあ……と思いつつ、名古屋では個人的に初のガラス張り観覧席に入ったが、見た目としては上々の賑わい。そして午後2時頃には「満席」の文字に変わっていた。
 その特別観覧席には食堂がある。遅い昼食をとろうと午後3時頃に食堂に向かうと、テーブル席は空席多数でも、持ち帰りのアルコール類、つまみ類の注文多数で食券売り場も厨房も余裕がない様子。その渋滞がひと段落するのを待ちながらショーケースのメニューを見れば、ひときわ異彩を放つ見本が展示してあった。
「石焼きカレーうどん」
 ラーメン、エビフライ、天ぷら、カレー……。いわゆる「食堂系」のメニューがひととおり揃っているなかで、器からすでに目立っているのだから、これはぜひとも体験せねば!
石焼カレーうどん
 ということで注文から10分弱。到着した「石焼きカレーうどん」は、適度に粘り気のあるカレースープのなかにうどんが沈んでいて、見た目からすでにおいしそうだ。さっそくうどんにカレーを絡ませながら食べていくと、まろやかなカレーと麺が好相性。お店のおばさまが「創業以来のメニューで、ウチの自信作ですよ」と言うのもうなずける。おや? 油揚げがカレーのなかから出てきたぞ?
「遠くから来たんだったら珍しいかもしれないですね。でも名古屋では普通ですよ」
 最初は面食らったけれど、食べてみれば意外と違和感なし。名古屋の食文化にも触れられて、ちょっと得した気分にもなれた。
ごはん投入
 うまいうまいと唸りながら、あっさり麺と具を完食。そしてひと思案。残ったカレースープはどうしよう……。
 思い立ったが吉日、ごはんを一膳(180円)追加注文。おばさまから茶碗を受け取って、それをそのまま裏返しにする。うわ~、これも見た目からして超うまそう~。レンゲで掬って口に入れれば、まさに「幸せ」という感覚に包まれた。なぜ「石焼き」なのか聞きそびれたけれど、うまいんだから別にいいか!

文・写真●浅野靖典

浅野靖典(あさのやすのり)
競馬キャスター・ライターとして活動中。「クリック!地方競馬」キャスターを務めているほか、JRAブリーズアップセール、八戸、九州の各競走馬市場にて司会進行を担当。ライターとしては、
・競馬総合チャンネル(netkeiba.com)
・POGの達人
・JRAホームページ
・週刊プレイボーイ
・WEBハロン
などに寄稿している。


※ 本文で紹介している逸品については、取材時点のものです。 その後、値段改定やメニューが変わっている場合もございます。