当コーナーでは、地方競馬に関するイベントや注目レース等の気になる話題を写真と共にご紹介します。

第16回ジャパンダートダービー(JpnⅠ) 参考レース&注目馬解説

2014年7月7日
第16回ジャパンダートダービー(JpnⅠ)
2014年7月9日(水)大井競馬場 2,000m
(出走表はこちらをご覧ください)

<参考レース>

兵庫チャンピオンシップJpnⅡ(14年5月6日|園田)
 2着ランウェイワルツ
 4着マキャヴィティ
 エスメラルディーナが逃げてエキマエがぴたりと2番手、マキャヴィティは3番手の外、川原正一騎手が手綱をとったランウェイワルツは5番手からの追走となった。3コーナー手前からペースが上がると中央勢5頭の勝負に絞られ、ランウェイワルツが外からまくりをかけた。勢いそのままに、直線半ばでランウェイワルツが一旦は先頭に立ったが、エキマエが差し返して勝利。ランウェイワルツはクビ差2着。エスメラルディーナが3着で、マキャヴィティは直線脚色が一緒になって4着だった。

九州ダービー栄城賞(14年6月1日|佐賀)
 1着オールラウンド
 高知から2頭が遠征し、2歳時に金の鞍賞を制したニシノマリーナが3番人気と有力馬の一角に数えられたが、勝ったのは7番人気とあまり注目されなかったオールラウンドだった。2番手を追走していた人気のマサヤが3コーナー過ぎで先頭に立ち、4コーナーで内を突いた伏兵テッドが直線で抜け出した。しかし道中後方2番手を追走していたオールラウンドが3コーナー手前からロングスパート。直線では大外から前を一気に交わし去り、テッドに1馬身半差をつけての勝利となった。

東京ダービー(14年6月4日|大井)
 1着ハッピースプリント
 6着ワタリキングオー
 7着ドバイエキスプレス
 15着エスティドゥーラ
 エスティドゥーラが外から押してハナを奪い、内で好スタートのサーモピレーが控えて2番手、断然人気のハッピースプリントは3番手の外を追走した。ワタリキングオーは中団のうしろ、ドバイエキスプレスは後方3番手からの追走となった。エスティドゥーラは4コーナー手前で手ごたえ一杯で後退。直線を向いてサーモピレーが先頭だったが、手ごたえ十分に満を持して追い出されたハッピースプリントはあっという間に後続をちぎって楽々と先頭でゴール。2着のスマイルピースに4馬身差をつけた。ワタリキングオー、ドバイエキスプレスは直線で懸命に追われたものの、それぞれ6、7着だった。

兵庫ダービー(14年6月5日|園田)
 1着トーコーガイア
 気合を入れて逃げたのはトーコーポセイドンで、1番人気に支持されたトーコーガイアは、ペースが落ち着いたスタンド前で1馬身ほどの差まで迫って2番手を追走した。トーコーガイアは向正面でトーコーポセイドンに並びかけ、3コーナーで先頭に立つと、あとは後続を寄せ付けず。木村健騎手はゴール前で立ち上がってガッツポーズ。中団から押し上げた2着のクリノエビスジンに5馬身差をつける圧勝となった。

東海ダービー(14年6月6日|名古屋)
 1着ケージーキンカメ
 地元名古屋で10戦10勝、2歳時には兵庫ジュニアグランプリJpnⅡでも中央馬相手に3着と好走していたリーダーズボードが脚部不安のため回避。これで断然人気に支持されたのが、金沢から遠征のケージーキンカメだった。スプリングカップ勝ちのあるホウライナデシコが大外からハナを奪い、ケージーキンカメはぴたりと2番手につけた。これを負かそうと直後でマークしていたノゾミダイヤ、ドクターナイーヴが3コーナーから懸命に追われたが、ケージーキンカメは4コーナー手前で単独先頭。直線を向いて追われると、後続との差をぐんぐん広げ、2着のノゾミダイヤに6馬身差をつけての楽勝となった。



<注目馬解説>

ケージーキンカメ(金沢)
 キングカメハメハの産駒としてデビューは中央だったが、5戦してダートで9着が最高という成績で、今季開幕を前に金沢に移籍。金沢では同世代の馬たちを相手に、逃げまたは2番手から早め先頭という力の違いを見せて5連勝。2着馬につけた着差は、5馬身、大差、7馬身、5馬身、大差というもの。地元の北日本新聞杯を回避して臨んだのが東海ダービーだった。一騎打ちが予想されたリーダーズボードが回避となり、ケージーキンカメは断然人気にこたえて6馬身差の圧勝。金沢所属馬としてはダービーウイークの初めての勝ち馬となった。

ランウェイワルツ(JRA)
 ホッカイドウ競馬でデビューし、2戦目のアタックチャレンジを勝って中央へ。移籍初戦となった12月のポインセチア賞を13番人気で勝ってファンを驚かせた。年明け3戦目の伏竜ステークスは8番人気ながら直線一気を決めて勝利。川原正一騎手で出走した兵庫チャンピオンシップJpnⅡは、5番手追走から3~4コーナーで外からまくって出て、直線一旦は先頭に立ったものの、エキマエに差し返されての2着。そのエキマエは兵庫チャンピオンシップまでダート3連勝で通算4勝、兵庫チャンピオンシップ3着のエスメラルディーナはその後関東オークスJpnⅡ圧勝と、戦った相手の実績からも世代トップクラスの実力といえそう。今回は、伏竜ステークスを含め過去3回手綱をとっている戸崎圭太騎手での出走。

メイショウパワーズ(JRA)
 芝でも2戦しているがいずれも着外で、ダートに限ればここまで7戦3勝、2着1回。2走前の端午ステークスは7番人気での出走だったが、4コーナー5番手から差し切った。前走ユニコーンステークスGⅢでは好位を追走して直線を向いたが、失速して9着に敗れたのは気になるところ。未勝利から500万下のダート1800メートル戦2連勝は、ともに逃げ切っているだけに、内めの枠に入った今回もハナを主張するかもしれない。

ノースショアビーチ(JRA)
 デビューからしばらく芝を使われたが5戦して2着が最高という成績。年が明けてダートに路線変更すると、その初戦で未勝利を脱出。2戦目で5着のあと、中山ダート1800メートル戦を逃げ切った。前走東京ダート1600メートルの青竜ステークスは、スタート後、芝からダートコースに入ってじわじわと先頭に立つと、並びかけてきたアナザーバージョンを半馬身差で振り切って勝利。今回、枠順が内外で隣のメイショウパワーズ、エスティドゥーラと、スタート後の先行争いが注目となりそう。

フィールザスマート(JRA)
 デビュー戦は6着だったものの、東京ダート1600メートル、中山ダート1800メートルいずれかを使われ、その後は3勝、3着2回。ユニコーンステークスGⅢを除外となって出走した同日の古馬1000万条件、青梅特別は、4コーナー一団となった馬群の10番手からゴール前でギリギリとらえての勝利。5着までコンマ2秒差の接戦で、3着グレナディアーズ、4着アナザーバージョンもユニコーンステークス除外組。勝ちタイムは、仮にユニコーンステークスに出走していれば2着に入るタイムだった。

ハッピースプリント(大井)
 2歳時は北海道の田中淳司厩舎の所属で、北海道2歳優駿JpnⅢ、全日本2歳優駿JpnⅠを制し、2歳馬ながらNARグランプリ年度代表馬となった。その後、大井の森下淳平厩舎に移籍。南関東三冠の前哨戦・京浜盃、一冠目の羽田盃、二冠目の東京ダービーと、いずれも好位につけて直線抜け出すという、他馬をまったく寄せ付けない圧倒的な勝ち方。ここまでダートでは無敗。中央勢に抜けた馬がいないだけに、今回も断然人気となりそう。もし勝てば、南関東三冠は2001年のトーシンブリザード以来13年ぶり(当時は東京王冠賞も含めて四冠)。また、他地区所属騎手として初めて東京ダービーを制した金沢の吉原寛人騎手には、ダートグレード初制覇もかかっている。

カゼノコ(JRA)
 デビューからしばらく芝を使われたが3着が最高という成績で、年明け後、路線変更したダートに限ればここまで5戦3勝、2着3着各1回という成績。特に野中賢二厩舎に転厩してからがダート3戦3勝。前走鳳雛ステークスは4コーナー8番手から直線一気を決め、逃げ粘っていたアスカノロマンに1馬身1/4差をつける完勝。ダートでは、大井と同じ右回りの京都・阪神の1800メートル戦のみを使われ、直線で発揮する末脚は大井の長い直線で生きるかもしれない。

マキャヴィティ(JRA)
 ここまで勝ち星は、2歳時の未勝利戦、ダリア賞と芝での2勝のみ。兵庫ジュニアグランプリJpnⅡでは勝ったニシケンモノノフに半馬身差の2着だったが、全日本2歳優駿JpnⅠではハッピースプリントから1秒6差4着と差があった。前走兵庫チャンピオンシップJpnⅡでも直線差を詰められずの4着で、ハッピースプリントやランウェイワルツとのこれまでの対戦成績からは、相当な上積みがないと逆転までは難しいかもしれない。

オールラウンド(高知)
 デビューしたホッカイドウ競馬では勝利を挙げられず、移籍した高知でも2歳時は勝利に至らず。3歳になって2着3着と善戦するようになり、年明け5戦目に初勝利を挙げるとそこから3連勝。そして初遠征となった九州ダービー栄城賞は、7番人気とあまり注目はされなかったものの、直線大外一気を決めた。高知所属馬としてはダービーウイークの初めての勝ち馬。一気の相手強化だけに、どんなレースを見せるか。

トーコーガイア(兵庫)
 2歳大晦日の園田ジュニアカップは1番人気に支持されるも、僚馬トーコーポセイドンに半馬身差及ばず2着。3歳初戦は笠松に遠征したゴールドジュニアを5馬身差圧勝で、あらためてこの馬の可能性を示した。しかしその後放牧に出したものの復帰が遅れ、兵庫一冠目の菊水賞には間に合わず。さらに予定されていた復帰戦が頭数不足で不成立となって1週遅れ、そこを勝って中1週で臨んだ兵庫ダービーが5馬身差の圧勝。2歳時から期待されていた能力の高さを大舞台で示して見せた。2歳時の兵庫ジュニアグランプリJpnⅡは5着だったが、確実に成長を見せた今、3歳頂点のJpnⅠの舞台でどこまでやれるか。

ドバイエキスプレス(船橋)
 初勝利はデビューから3戦目だったが、当初から東京ダービーが目標で、南関東三冠の前哨戦としては準重賞・雲取賞を勝利。一冠目の羽田盃では中団を追走し、勝ったハッピースプリントには離されたものの、2着争いからは抜け出した。そして臨んだ東京ダービーは後方からの追走となり、直線じわじわと伸びてはいたものの7着まで。二冠を制したハッピースプリントには力の差を見せつけられた。今回は御神本訓史騎手に乗替り、巻き返しが期待される。


文・構成:斎藤修(サイツ)



※ 当コンテンツの内容は、編集時点(7月7日)での情報となっております。出走回避等によりレースに出走しない可能性もありますのでご了承ください。また、当コーナーの内容に関しまして、NARおよび競馬主催者が特定馬の推奨などを行うものではありません。