当コーナーでは、地方競馬に関するイベントや注目レース等の気になる話題を写真と共にご紹介します。

第25回かしわ記念(JpnⅠ) 参考レース&注目馬解説

2013年05月01日
第25回かしわ記念(JpnⅠ)
2013年5月6日(振・月)船橋競馬場 1,600m
<参考レース>

東京大賞典GI(12年12月29日|大井)
 1着ローマンレジェンド
 5着エスポワールシチー
 スタートで躓いたエスポワールシチーは後方に置かれる苦しい展開。このレースで引退となったフリオーソが直線を向くまで先頭で見せ場をつくったが、好位の4番手あたりを追走していたローマンレジェンドが絶好の手ごたえで先頭へ。ワンダーアキュートが並びかけ、一旦はハナを譲る場面もあったが、ゴール前で差し返し、さらにラチ沿いから迫ってきたハタノヴァンクールを半馬身差で振り切って勝利。エスポワールシチーは出遅れが最後まで影響して離れた5着だった。

フェブラリーステークス(13年2月17日|JRA東京)
 2着エスポワールシチー
 4着セイクリムズン
 7着テスタマッタ
 エスポワールシチーは、逃げたタイセイレジェンドをぴたりと2番手でマークする形で追走。手ごたえ十分のまま残り300メートルあたりで単独で抜け出したが、ゴール前でグレープブランデーに交わされ、しかしそれでも3/4馬身差で2着に粘り込んだ。セイクリムズン、テスタマッタは後方からの追走。直線ラチ沿いから前に迫ったセイクリムズンは最低人気ながら4着。テスタマッタも直線で伸びを見せたものの、ワンダーアキュートに進路を塞がれるなどの不利があって7着まで。

黒船賞JpnⅢ(13年3月19日|高知)
 1着セイクリムズン
 サマーウインドが飛ばして逃げる展開で、セイクリムズンは有力馬が固まった好位集団のうしろ、全体では中団を追走した。4コーナーでは内に進路をとり、サマーウインドとコスモワッチミーとの間の狭いスペースを突いて直線抜け出しにかかった。ゴール前では外からダイショウジェットに迫られたが、セイクリムズンはこれをクビ差で振り切り、1番人気にこたえてこのレース連覇を果たした。

アンタレスステークス(13年4月13日|JRA阪神)
 1着ホッコータルマエ
 騎乗停止の幸騎手に代わり、岩田騎手が鞍上となったホッコータルマエは、ジャパンカップダート以来となったニホンピロアワーズと人気を分け合っての出走。2番手を追走した59キロのニホンピロアワーズが直線を向いて先頭。直後でマークしていた57キロのホッコータルマエがすかさず並びかけ、直線は2頭の一騎打ちに。じわじわと前に出たホッコータルマエが、ニホンピロアワーズに3/4馬身差をつけての勝利となった。



<注目馬解説>

エスポワールシチー(JRA)
 09、10年、そして昨年と、かしわ記念3勝。1番人気に支持された帝王賞ではゴルトブリッツの2着に敗れたものの、秋にはマイルチャンピオンシップ南部杯を制した。明けて8歳となったが、フェブラリーステークスで2着に入るなど衰えのないレースぶりを見せている。ダートJpnⅠ/GⅠ7勝は現役最多。船橋コースは言うに及ばず、ダートマイルの左回りは、13戦して7勝、2着2回ともっとも得意とする舞台。主戦の佐藤哲三騎手は負傷療養中で、今回は初騎乗となる浜中俊騎手で臨む予定。

セイクリムズン(JRA)
 昨年前半はダート短距離路線で4連勝と快進撃を見せたが、休養を挟んだ秋は、期待されたJBCスプリントで2着に敗れるなど勝ち星を挙げられなかった。7歳になった今年は、根岸ステークス、フェブラリーステークスで勝ち馬と差のないレースを見せると、黒船賞ではさすがの強さを見せて連覇。前走1200メートルの東京スプリントはラブミーチャンの2着に敗れたが、「年を重ねて少しズブくなって、今は1400~1600メートルが合っている」と服部利之調教師。マイルのJpnⅠ/GⅠは、以前から目標としていた舞台でもある。

テスタマッタ(JRA)
 昨年のフェブラリーステークスを制して以来勝ち星から遠ざかっているが、ダートでは距離を問わず常に上位争い。昨年のかしわ記念では、1コーナーを回るところでごちゃつく場面があって位置取りを下げる苦しい展開となったが、それでも直線では伸びを見せて3着。今年は根岸ステークス6着、フェブラリーステークス7着と掲示板には届いていないが、勝ち馬からの着差はそれぞれ0秒3、0秒4とそれほど負けていない。道中掛かって能力を発揮しきれないことが多いのが課題か。今回は戸崎圭太騎手で臨む予定。

ホッコータルマエ(JRA)
 フェブラリーステークスは賞金順位で除外対象となり、矛先を変えて佐賀記念を完勝。続く名古屋大賞典も制し、前走アンタレスステークスでは、昨年のジャパンカップダートの覇者ニホンピロアワーズと一騎打ちとなり、斤量2キロ差はあったものの3/4馬身差をつけて競り落とした。昨年3歳時の重賞タイトルはレパードステークスのみで勝ち切れないレースが目立ったが、目下3連勝中と充実。あらためてJpnⅠ初制覇を目指す。

ローマンレジェンド(JRA)
 GⅠ初挑戦となった昨年のジャパンカップダートは、騎乗停止中の岩田康誠騎手に替わってミルコ・デムーロ騎手の鞍上で4着。年末の東京大賞典では、ハタノヴァンクール、ワンダーアキュートとの接戦を制してGⅠ馬として名乗りを上げた。ダートではこれまで11戦して、負けたのは1000万条件での2着と、前述のジャパンカップダートのみ。今回岩田騎手を主戦とする馬が3頭重なったが、この馬を選択。ダート古馬チャンピオンの座を目指し、今年はここが始動戦となる。

ナイキマドリード(船橋)
 10年に地元船橋で行われたJBCスプリントで2着と好走し、11年にはさきたま杯でJpnⅡのタイトルを獲得と、地方馬の中では実績上位。ダートマイルの重賞では、昨年のフェブラリーステークス、マイルチャンピオンシップ南部杯と、いずれも着外。今年は1月の船橋記念を制して連覇を果たしているが、船橋1600メートルの舞台は10年のB級格付けだったとき以来。3走前には距離を1800メートルに延ばした地方馬同士の報知グランプリカップで3着。帝王賞を見据える中央の一線級を相手にこの距離でどう戦うか。

ピエールタイガー(大井)
 3歳秋に大井に再転入し、4歳になった昨年前半にはA3~A2で5連勝と本格化。8月のサンタアニタトロフィーは僅差の2着だったが、10月のマイルグランプリを制して南関東重賞初制覇。マイル戦はこれまで10戦して7勝、2着1回ともっとも得意とする距離。重賞で中央馬との対戦は浦和・オーバルスプリントの7着が唯一。今回ダートグレード初挑戦がJpnⅠの舞台で、船橋コースも初めてと、越えなければならないハードルは少なくない。

トーセンアドミラル(船橋)
 中央時代はマーチステークス4着などダートの重賞やオープンでも上位争い。今年、船橋に転厩して初戦となったオープン特別を制したが、その後は金盃4着、ダイオライト記念5着と掲示板は確保するもやや苦戦。6歳だが通算19戦と使い込まれておらず、変わり身の余地はある。



文・構成:斎藤修(サイツ)



※ 当コンテンツの内容は、編集時点(5月1日)での情報となっております。出走回避等によりレースに出走しない可能性もありますのでご了承ください。また、当コーナーの内容に関しまして、NARおよび競馬主催者が特定馬の推奨などを行うものではありません。