当コーナーでは、地方競馬に関するイベントや注目レース等の気になる話題を写真と共にご紹介します。

第15回ジャパンダートダービー(JpnⅠ) 参考レース&注目馬解説

2013年07月08日
第15回ジャパンダートダービー(JpnⅠ)
2013年7月10日(水)大井競馬場 2,000m
(出走表はこちらをご覧ください)

<参考レース>

九州ダービー栄城賞(13年5月31日|佐賀)
 1着ダイリングローバル
 前2頭が飛ばして縦長の展開。中団から向正面勝で進出したゴールドペンダントが3コーナー過ぎで先頭に立ち、直線でも先頭だったが、道中は後方2番手を追走したダイリングローバルが向正面から徐々に位置取りを上げてくると、直線半ばでとらえて1馬身半差をつけて勝利。前走鯱の門特選で3着に敗れ今回は4番人気だったが、前がハイペースで飛ばして得意の末脚を生かしての勝利となった。

北海優駿(13年6月4日|門別)
 1着ミータロー
 1番人気に支持されたミータローは、淡々とした流れの中団を追走。3コーナーから進出し、4コーナーで前をとらえると、直線半ばで抜け出し、2着のストロングサンデーに3馬身差をつける完勝。ミータローは2歳時のデビュー2連勝以来勝ち星から遠ざかっていたが、トライアルの1700メートル戦で約11カ月ぶりの勝利を挙げると、さらに距離が伸びて連勝。「折り合いがつくようになって、長い距離にも対応できるようになった」と田中淳司調教師。

東京ダービー(13年6月5日|大井)
 1着インサイドザパーク
 2着ジェネラルグラント
 3着ソルテ
 6着アウイトジェネラル
 10着キタサンオーゴン
 羽田盃を圧勝して1番人気に支持されたアウトジェネラルがスタートで躓いて出遅れ。内の4番手を追走したジェネラルグラントが直線でラチ沿いから一旦は完全に抜け出したものの、中団追走から直線得意の末脚を繰り出したインサイドザパークがゴール前で半馬身とらえて勝利。羽田盃2着だったソルテも直線しぶとく伸びて1馬身1/4差で3着。アウトジェネラルは4コーナーから手ごたえ一杯で直線伸びず6着だった。

兵庫ダービー(13年6月6日|園田)
 1着ユメノアトサキ
 1番人気に支持された牝馬のユメノアトサキが好ダッシュから先頭に立つと、すぐに隊列が決まった。向正面に入ってペースが上がると、後続が入れ替わり立ち替わりプレッシャーをかけたが、ユメノアトサキはハナを譲らず。3コーナーではモズオーロラが外からぴたりと並びかけてきたものの、4コーナーから再び突き放したユメノアトサキが逃げ切り勝ち。菊水賞、牝馬限定ののじぎく賞に続いて重賞3連勝で、兵庫の変則三冠制覇ともなった。

高知優駿(13年6月23日|高知)
 1着アラマサシャープ
 3番手追走のマインダンサーが4コーナー手前で先頭に立ち、中団からラチ沿いを進出したアラマサシャープが内から並びかけ直線は2頭の叩き合い。ここにゴール前で、ヘイハチピカチャン、コパノエクスプレスが一気に迫って4頭の大接戦となったが、内からひと伸びした牝馬のアラマサシャープが、マインダンサーをアタマ差で振り切った。

ヒヤシンスステークス(13年2月17日|JRA東京)
 1着チャーリーブレイヴ
 7着アルムダプタ
 8着インサイドザパーク
 9着ケイアイレオーネ
 直線を向いて1番人気コパノリッキーが先頭に立ったが、中団追走から直線で外に持ちだしたチャーリーブレイヴが一気の伸びを見せてとらえると、外から迫ってきたソロルをクビ差振り切って勝利。アルムダプタは中団ままの7着。スタートで出遅れたインサイドザパークは徐々に位置取りを上げたものの8着まで。兵庫ジュニアグランプリJpnⅡを制していたケイアイレオーネは、それ以来2カ月半ぶりの実戦で9着まで。

昇竜ステークス(13年5月19日|JRA京都)
 1着クリソライト
 2着エーシンゴールド
 5番手の外を追走したエーシンゴールドが直線を向いて絶好の手ごたえで先頭に立つと、中団から徐々に位置取りを上げてきたクリソライトが外から並びかけ、交わしにかかった。エーシンゴールドも内で差し返して2頭の一騎打ちとなったが、クリソライトが半馬身差で振り切って勝利。3着馬には4馬身差がついた。

鷹取特別(13年6月15日|JRA阪神)
 1着エーシンゴールド
 古馬(1000条件)初対戦でも単勝1.5倍の断然人気に支持されたエーシンゴールドは、好スタートから控えて5番手の内を追走。直線では、先に抜け出していた2頭を追う形となったが、外から並ぶ間もなく交わし去ると、最後は手綱を緩める余裕の勝利となった。

ユニコーンステークスGⅢ(13年6月16日|JRA東京)
 1着ベストウォーリア
 3着ケイアイレオーネ
 8着チャーリーブレイヴ
 後方から外を通って徐々に位置取りを上げていったケイアイレオーネが残り200メートルで先頭へ。中団追走のベストウォーリアは、直線で前が壁になって行き場をなくす場面があったが、前が開けると一気に突き抜け、外から迫ってきた1番人気のサウンドリアーナを1馬身1/4差で振り切った。ケイアイレオーネも粘って3着(同着)。スタートでダッシュがつかなかったチャーリーブレイヴは、すぐに勝ち馬の直後にとりついたものの、直線伸びず8着。



<注目馬解説>

ジェネラルグラント(船橋)
 2歳時の北海道時代からアウトジェネラルと世代のトップを争い、サンライズカップ制覇に、船橋移籍初戦となった全日本2歳優駿JpnⅠでも2着と好走。京浜盃で圧巻のパフォーマンスを見せ、羽田盃では1番人気に支持されたものの、調教を強くやりすぎたこともあってか10キロの馬体減。3コーナー過ぎでペースが上がったあたりから追走一杯となり、離されての4着だった。東京ダービーはラチ沿いから直線で抜けだしたものの、インサイドザパークの末脚に半馬身屈した。JRA勢相手に再度実力を示すか。

クリソライト(JRA)
2歳7月のデビューからダートのみを使われ、ここまで8戦3勝、2着5回とオール連対。デビュー2戦目の初勝利のあと、500万特別で2着連続4回と足踏みしたが、2カ月半の間隔をあけて臨んだ4月の500万平場で7馬身差圧勝。続く昇竜ステークスでもエーシンゴールドとの一騎打ちを制した。ここまでの3勝はいずれも1800メートル戦。ゴールドアリュールとの父子制覇がかかる。

ソルテ(大井)
 ハイセイコー記念を9番人気で制し、年明けのニューイヤーカップでは、持ったまま3コーナーで先頭に立つと、直線楽々と後続を突き放して9馬身差の圧勝。「課題はない」と断言していた寺田新太郎調教師は、とにかく「心臓が強い」ことを強調する。京浜盃は直線置かれて4着だったものの、羽田盃では直線一旦は先頭に立ちかける場面があって2着。東京ダービーでは直線で前に迫り、勝ったインサイドザパークからは2馬身弱の差で3着。南関東同士ならトップを狙える位置にいる。

アルムダプタ(JRA)
 2歳時はダート1800メートルの新馬勝ちに続き、北海道2歳優駿JpnⅢには7番人気での出走。直線を向いて地元道営の人気馬が競り合うところ、アルムダプタは内を突いて抜け出し完勝。しかしその後は結果を残せないまま。今回は伏竜ステークス9着以来、3カ月ぶりの出走となる。

インサイドザパーク(船橋)
 2歳時はスタートが課題で、直線追い込むも届かずというレースも。しかし互角のスタートがきれれば直線での末脚は光るものがあり、鎌倉記念と平和賞を連勝。京浜盃、羽田盃でも直線では伸びを見せるもともに3着まで。しかしその持ち味の末脚を存分に発揮したのが東京ダービーで、4コーナー6番手から、直線抜け出していたジェネラルグラントをゴール前でとらえた。「2歳のときから、東京ダービーでこそ一番いいパフォーマンスをすると思っていた」と林正人調教師。同じ大井2000メートルの舞台で再び自慢の末脚が生かせるかどうか。

エーシンゴールド(JRA)
 今年1月のデビューから一貫して京都・阪神のダート1800メートル戦のみを使われ、ここまで5戦3勝、2着2回とオール連対。500万条件5馬身差圧勝から2カ月ぶりとなった昇竜ステークスは、直線クリソライトと競り合って半馬身差の2着。前走古馬1000万条件の鷹取特別は、上がり35秒5という末脚で古馬を一気に交わし去って見せた。舞台はこれまでと同じ右回り。血統的にもレースぶりからも2000メートルの距離は問題なく、大井の長い直線も末脚勝負には有利。

チャーリーブレイヴ(JRA)
 芝の新馬戦を惨敗したあとダートで3連勝。ヒヤシンスステークスは、中団追走から直線先頭に立っていたコパノリッキーをとらえ、ゴール前迫ったソロルを振り切って内容的には完勝だった。その後予定していた昇竜ステークスはフレグモーネで回避。ユニコーンステークスGⅢは4カ月ぶりの実戦で、プラス14キロの馬体重に加え、スタートで出遅れ、中団まま見せ場をつくれず8着。今回は叩き2戦目の上がり目に期待。マイルまでしか経験がないが、血統的にこの距離はこなせるはず。

ベストウォーリア(JRA)
 デビューからダートのみを使われ6戦3勝、2着2回。兵庫チャンピオンシップJpnⅡはコパノリッキーに6馬身差をつけられての2着だったが、むしろコパノリッキーのレース内容、勝ちタイムともに破格だった。それを証明するかのように、ユニコーンステークスGⅢでは直線で前が壁になって行き場を失いながら、最後の200メートルだけ脚を使って突き抜けた。ダートではまだ底を見せておらず、距離延長も問題なさそう。

アウトジェネラル(船橋)
 栄冠賞2着、サンライズカップ2着、そして1番人気に支持された北海道2歳優駿JpnⅢでも4着と、2歳時から実力を評価されながらタイトルは逃してきた。船橋移籍後も、京浜盃ではジェネラルグラントに3馬身差をつけられての2着。しかし羽田盃で一変。3番手追走から直線半ばで先頭に立つと、後続を突き放して圧勝。1番人気となった東京ダービーは、スタートで躓いてダッシュがつかず、馬群の内で包まれたまま、4コーナー手前から追走一杯で6着に沈んだ。羽田盃時の調子が戻っているかどうか。

ケイアイレオーネ(JRA)
 デビューから3戦は芝で結果が出ず、ダートに路線を変えて3連勝。兵庫ジュニアグランプリJpnⅡは、向正面で早め先頭から5馬身差の圧勝だった。全日本2歳優駿JpnⅠはフレグモーネのため回避。2カ月半ぶりとなったヒヤシンスステークス、さらにドバイ遠征のUAEダービーでは結果を残せなかったが、ユニコーンステークスGⅢは11番人気の低評価ながら、直線一旦は先頭に立つ見せ場をつくって3着(同着)と健闘。ダートでは世代トップクラスの実力は確かだが、血統的にも距離克服がカギとなりそう。


2012年ジャパンダートダービー ハタノヴァンクール号

文・構成:斎藤修(サイツ)



※ 当コンテンツの内容は、編集時点(7月8日)での情報となっております。出走回避等によりレースに出走しない可能性もありますのでご了承ください。また、当コーナーの内容に関しまして、NARおよび競馬主催者が特定馬の推奨などを行うものではありません。