当コーナーでは、地方競馬に関するイベントや注目レース等の気になる話題を写真と共にご紹介します。

第13回JBCスプリント(JpnⅠ) 参考レース&注目馬解説

2013年10月31日
第13回JBCスプリント(JpnⅠ)
2013年11月4日(振・月)金沢競馬場 1,500m
<参考レース>

金沢スプリントカップ(13年7月28日|金沢)
 1着サミットストーン
 3着トウホクビジン
 サミットストーンにとっては中央から転入して2連勝後、金沢では重賞初挑戦となった一戦。2番手追走から3コーナーで先頭に立つと、4コーナーでも手ごたえは楽なまま。直線を向いて追い出されると、後続を寄せつけず完勝となった。中団よりうしろを追走したトウホクビジンは直線で伸びを見せ、勝ったサミットストーンから3馬身+3/4馬身差の3着に入った。

建依別賞(13年8月25日|高知)
 1着ファイアーフロート
 好スタートを切った1番人気ナムラハンターが緩みのないペースで逃げる展開に、ファイアーフロートはぴたりと2番手を追走。3コーナーでとらえにかかり、4コーナー手前で単独先頭に立つとそのまま直線でも後続を寄せつけず、2着のザグに2馬身差をつける完勝。高知移籍後の重賞初制覇となった。

オーバルスプリントJpnⅢ(13年9月12日|浦和)
 1着セイントメモリー
 2着タイセイレジェンド
 6着ダイショウジェット(補欠)
 9着コスモワッチミー
 10着トウホクビジン
 逃げ馬が向正面で後退すると、2番手を追走していたセイントメモリーが自然とハナへ、直後にいたタイセイレジェンドが3コーナーで並びかけてきた。59キロのタイセイレジェンドに対し、54キロのセイントメモリーは4コーナーでも楽な手ごたえのまま、直線を向いて追い出されると、JRAの人気馬を寄せつけずの完勝でダートグレード初制覇となった。JRA勢に直線で伸びを見せる馬がなく、タイセイレジェンドが2馬身差で2着を確保。コスモワッチミー、トウホクビジンは後方ままだった。

東京盃JpnⅡ(13年10月2日|大井)
 1着タイセイレジェンド
 2着テスタマッタ
 4着ティアップワイルド(補欠)
 10着トウホクビジン
 13着ブレーヴキャンター
 外枠から好ダッシュを見せたタイセイレジェンドは控えて3番手を追走。4コーナーで先頭をうかがうと、内ではハードデイズナイトが食い下がっていたが、これが後退するとタイセイレジェンドは直線独走となって、後続を寄せつけず勝利。テスタマッタは最内枠からのスタートで、中団のラチ沿いを追走。直線で馬群を捌いて伸びを見せ、外から伸びてきていたティアップワイルドをとらえ、3馬身半差の2着に入った。

マイルチャンピオンシップ南部杯JpnⅠ(13年10月14日|盛岡)
 1着エスポワールシチー
 3着セイクリムズン
 6着ダイショウジェット(補欠)
 7着コスモワッチミー
 9着トウホクビジン
 エスポワールシチーは競りかけてくる馬もなくマイペースでの逃げに持ち込んだ。3~4コーナーでは1番人気のホッコータルマエが直後に迫ったが、エスポワールシチーは手ごたえ十分に4コーナーから追い出されると、直線の坂で一気に突き放した。最後はホッコータルマエに差を詰められたものの、1馬身半の差を保って逃げ切った。4番手を追走したセイクリムズンは、直線でグレープブランデーを交わして3着に入った。



<注目馬解説>

エスポワールシチー(JRA)
 昨年のマイルチャンピオンシップ南部杯以来の勝利が、南部杯連覇に加え3勝目となった。GⅠ/JpnⅠ・8勝を含め重賞は11勝。今年はGⅠ/JpnⅠでグレープブランデー、ホッコータルマエに先着されていたが、それらを逆転しての南部杯制覇。加えて良馬場での勝ちタイム1分35秒1はコースレコードにコンマ3秒差と迫るもの。8歳だからという衰えはない。不思議とJBCには縁がなく、今回が初出走。クラシックではなくスプリントへの参戦は南部杯の前からプランにあったようだが、ダートでマイル未満の距離は今回が初めてとなる。

タイセイレジェンド(JRA)
 昨年のJBCスプリントがGⅠ/JpnⅠ初制覇。今年はドバイ遠征後の休み明けで、クラスターカップ、オーバルスプリントはともに2着と敗れたが、いずれも59キロを背負って他馬と斤量差があったことを考えればむしろ好走。58キロになって斤量差が縮まった東京盃は圧勝という形で、あらためてスピードの違いを示した。金沢コースは初めてだが、地方で右回りも左回りも経験し、まして1400mは昨年と同じ距離。「来年もう一度ドバイに挑戦するために、JBCを勝つことは必須条件」とは矢作芳人調教師。

セイクリムズン(JRA)
 昨年、黒船賞からさきたま杯までダートグレード破竹の4連勝で、ダート短距離の頂点に立つかに思えたが、東京盃、JBCスプリントは、ともに1番人気に支持されるも3着、2着。今年は黒船賞勝ちを含め、8戦すべてで掲示板確保と常に上位には食い込んでいる。ここまで重賞8勝だが、そのうち7勝がGⅢ/JpnⅢで、JpnⅡのタイトルはさきたま杯のみ。昨年はタイセイレジェンドに3馬身差の2着で、逆転に加えてJpnⅠの壁を突き破れるかどうか。

テスタマッタ(JRA)
 09年3歳時にジャパンダートダービーを制したが、その後は5歳、6歳、そして今年7歳時にそれぞれ1勝という成績。とはいえフェブラリーステークスでの勝利もあり、ハマれば強いレースをするタイプ。近年ではコーナーを4つ回るマイル以上の距離では掛かって能力を発揮できない面があり、逆に1400mのさきたま杯では出遅れからスムーズに位置取りを上げていって快勝となった。距離短縮での好結果は東京盃2着でも見せた。昨年のJBCはクラシックに出走して離れた5着だったが、今年はスプリントでGⅠ/JpnⅠ・3勝目を狙う。

ドリームバレンチノ(JRA)
 芝短距離路線からの刺客。今年はシルクロードステークスを制して臨んだ高松宮記念は、直線中団から鋭い追い込みを見せ、世界のロードカナロアのレコード決着に1馬身1/4差に迫っての2着。前走、スプリンターズステークスは、着順こそ6着だが勝ったロードカナロアからはコンマ3秒差。3歳以降は芝の1200mか1400mしか経験がなく、ダートは中央も含めて今回が初めて。芝からの挑戦では11年にダッシャーゴーゴーがスーニの3着だったが、そのときは直線の長い大井コース。地方の小回りのダートで持ち前のスピードが発揮できるかどうか。

コスモワッチミー(高知)
 昨年末、ダートグレード初挑戦となった兵庫ゴールドトロフィーで4着と好走を見せ、今年も地元の黒船賞4着、かきつばた記念5着と掲示板を確保。そしてサマーチャンピオンでは3着とはじめて馬券にからんだ。しかしその後はオーバルスプリント9着、マイルチャンピオンシップ南部杯7着と、ここ2戦は見せ場をつくれないまま。さすがにこのメンバーに入って勝ち負けを望むのは厳しいが、得意の小回りコースをうまく捌けば上位食い込みの可能性も。

サミットストーン(金沢)
 今年6月に中央から転入して2連勝のあと、金沢スプリントカップ(1400m)、金沢競馬移転40周年記念(1700m)、イヌワシ賞(2000m)と、距離を伸ばしながらの重賞3連勝を含め5連勝。白山大賞典ではやや離されての5着に負けたことで、JBCはスプリントに出走することになった。JBCクラシックを目指していたナムラダイキチが戦線離脱とあって、地元金沢勢の期待を背負うことになる。

セイントメモリー(大井)
 3歳時に重賞にも出走したがいずれも着外。4歳から5歳にかけて準重賞を勝てるようになり、今年6歳になっていよいよ本格化。4月のA2以下特別、A2以下準重賞、そして京成盃グランドマイラーズ、サンタアニタトロフィーと4連勝。ダートグレード初挑戦となったオーバルスプリントでも、タイセイレジェンドに早めに並びかけられながらも振り切って完勝。逃げる競馬も好位に控える競馬もできるのは強み。今度は定量57キロで中央の一線級に挑む。

ファイアーフロート(高知)
 中央時代は芝のマイルを中心に使われ、10年の4歳時には京成杯オータムハンデを制覇。昨年もハンデ戦の信越ステークスをトップハンデ56キロで制し、今年春に高知に移籍。820mの園田FCスプリントはスタートで後手を踏んだこともあって3着だったが、地元の建依別賞を勝ち、盛岡に遠征した芝のOROカップでも3着と、さすがに中央オープンの実績馬だけに地方ではここまで5戦して3着を外さない堅実な成績。ダートでは初めて中央一線級との対戦となるだけに、どこまで食い下がれるか。


12年JBCスプリントJpnⅠ タイセイレジェンド号

文・構成:斎藤修(サイツ)



※ 当コンテンツの内容は、編集時点(10月31日)での情報となっております。出走回避等によりレースに出走しない可能性もありますのでご了承ください。また、当コーナーの内容に関しまして、NARおよび競馬主催者が特定馬の推奨などを行うものではありません。