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第71回 2014年6月20日 カネショウメロディ

写真撮影:豊田田村牧場 田村靖典場長
Profile
 皆さんはカネショウメロディを覚えているでしょうか?2005年に大井競馬場からデビュー。その年の東京2歳優駿牝馬は3着に入り、翌年は牝馬クラシック戦線にも挑戦して、牝馬の重賞レースでも奮闘してきました。南関東史上初の牝馬三冠に輝いたチャームアスリープや東京2歳優駿牝馬まで無敵の強さを誇ったダガーズアラベスクなど、豪華な牝馬たちが君臨していた時代。

 私もカネショウメロディの取材をたびたびさせて頂きました。馬房の中では猫のように大人しくてかわいかったのですが、外に出ると燃えるタイプで、栗毛の雄大な体が目を引く馬でした。

 現役引退後は、埼玉県越生町にある乗馬クラブアイルで第二の生活をスタート。現役時代はロジータ記念に出走したこともあったので、『ロジータ』という愛称で呼ばれていたそうです。乗馬生活ではいつもポワーンとして大人しく、人間に対して従順だったそうです。優しい気性の持ち主なので人気者だったそうですよ。練習馬として主に中・上級者を乗せるお仕事をしてきたそうですが、月日を重ねていくうちに左脚飛節に不安を抱えるようになり、軽度なものでしたが乗馬生活からは引退。

 カネショウメロディの余生を守ろうという有志が集まり、『カネショウメロディの引退後をサポートする会』が結成され、功労馬として過ごすことになりました。北海道の豊田田村牧場さん(日高町)へ5月下旬に移動し、悠々自適な毎日を送る日々。「うちに来た時からとてもリラックスしていますよ。お利口で、人が言っていることを理解しているような馬ですね。目で訴えてくるような表情をするんです」と田村靖典場長。

 生まれ故郷の長浜忠さんの牧場は車で15分くらいの場所にあります。功労馬として、こんな風により近い場所に帰ってくることができることもまれでしょう。カネショウメロディも今年11歳になりました。懐かしい空気をいっぱいに吸いながら、これからも元気に過ごして欲しいです。

 『カネショウメロディの引退後をサポートする会』では随時会員を募集しています。一口の会員さんは1ヶ月2000円からですが、二口以上からは1000円単位で。毎月では厳しいという方には不定期でのご協力もお願いしているそうです。詳しいことは乗馬クラブアイル0120-007-550までお問い合わせください。

 すべての馬たちの余生を考えることは厳しい現実もありますが、さまざまな形で、1頭でも多くの馬たちの命をつなぎとめることができますように……。




高橋華代子(たかはしかよこ)
元NHK山形放送局キャスター。
現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関魂
・TCKホームページ
・楽天競馬
・WEBハロン
・馬事通信
・netkeiba.com
・ターファイトクラブ会報誌
・SPAT4ザ・ウィナーズ
など