でも65歳で現役を続けている的場さんが活躍されていることは武さんにとっても励みですよね。
本当にそう思いますね。
豊さんも65歳くらいまで乗ってもらって。
先輩がどんどん少なくなっていて、JRAでは3、4人くらいかな。善臣さん(柴田善臣騎手)や典さん(横山典弘騎手)とか。善臣さんは2つ上でJRAの最年長ですから。そうなってくるとやっぱり周りからも何歳まで乗るのとか、調教師になるのとか普通にそういう会話になるんですけど、そういう時に“的場さんがまだやっているから”みたいな。
的場さんの存在があるから安心感を持てる?
めちゃくちゃありますね。普通に乗っていることがすごいなと。
武さんご自身も長くキャリアを重ねて、今年は、3月のチューリップ賞でメイケイエール騎乗で勝たれて35年連続重賞制覇という記録、そして10月には凱旋門賞に騎乗されましたが、今年を振り返っていかがですか?
怪我もありましけど、それ以外は順調にやって来れたかなと思います。凱旋門賞に騎乗できたことは大きくて、充実した1年だったかなと思います。
年齢の話を繰り返して申し訳ないのですが、年齢を重ねていくにつれてご自身の中で変化はありますか。
正直あまり変わっていないですね。ずっと続けているのでオフもないし。
以前、武さんにちょっと意地悪な質問をしまして、「騎手をいつ引退するとか考えたことはあるのですか?」とお聞きした時に「今が楽しいからそんなこと考えたことがない」とおっしゃっていましたけれど。
そうですね。正直辞めたくないなって。何か次にやりたいとかそういうことも何も無いので。何より楽しいですからね。
やっぱり楽しいものがあるって言うのが大きいんですね。
それに、ありがたいなとも思います。周りで後輩もどんどん途中で調教師になっていったり、違う世界へいったり、という状況を見ると自分が恵まれているなと思います。