データ分析
上位人気が強いダート短距離の頂上決戦
競馬場持ち回りで実施されているJBC競走。第1回(2001年)から行われているのがクラシックとスプリント(06年川崎のみマイル)だが、地方馬としてはじめて優勝したのが大井で開催された第7回(07年)のスプリントで、フジノウェーブだった。そして前回大井での開催となった17年のスプリントで3着に入ったブルドッグボスが、19年浦和では鮮やかな差し切り勝ちを収めている。クラシックと比べ、スプリントでは地方馬の食い込みも見られる。ここでは大井で実施された過去7回の結果から傾向を探っていく。
3着以内馬21頭中19頭は4番人気以内
大井で行われた過去7回の単勝人気別成績では、1、2番人気が3着内率で70%を超えていて、1、2番人気とも3着以内に入ったのが5回、3着以内を4番人気以内馬が占めたのも5回と、とにかく堅い決着が多い。5番人気以下で3着以内に入ったのは、07年・7番人気で1着フジノウェーブ(大井)、01年・8番人気で3着フレアリングマズル(大井)のみ。上位人気の信頼度が高いレースといえる。
[表1]単勝人気別成績(大井での過去7回)
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 3-2-0-2 | 42.9% | 71.4% | 71.4% |
2番人気 | 1-4-1-1 | 14.3% | 71.4% | 85.7% |
3番人気 | 2-1-1-3 | 28.6% | 42.9% | 57.1% |
4番人気 | 0-0-4-3 | 0.0% | 0.0% | 57.1% |
5番人気以下 | 1-0-1-73 | 1.3% | 1.3% | 2.7% |
近年は外枠有利が顕著
07年を除き、二桁馬番が3着以内に1~3頭入線。11年には二桁馬番が1~3着を独占するなど、近年は10番より外の好走が目立つ。
[表2]3着以内馬の馬番(大井での過去7回)
年 | 01年 | 03年 | 04年 | 07年 | 11年 | 15年 | 17年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
頭数 | 14頭 | 15頭 | 12頭 | 16頭 | 14頭 | 16頭 | 16頭 |
1着 | 12 | 5 | 8 | 6 | 11 | 2 | 1 |
2着 | 3 | 4 | 9 | 9 | 12 | 6 | 10 |
3着 | 8 | 13 | 12 | 2 | 15 | 10 | 11 |
JRAの3着以内独占が4回
大井で行われた過去7回で、JRAが3着以内を独占したのが4回。地方で3着以内に入ったのは、17年3着ブルドッグボス(浦和)、07年1着フジノウェーブ(大井)、01年3着フレアリングマズル(大井)の3頭。まずはJRAに注目したい。
[表3]所属別成績(大井での過去7回)
所属 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
JRA | 6-7-5-20 | 15.8% | 34.2% | 47.4% |
地方 | 1-0-2-62 | 1.5% | 1.5% | 4.6% |
JRAの4歳は3着内率100%
大井で行われた過去7回の年齢別成績では、3勝、2着2回、3着4回の5歳が3着内率50%の好成績。4歳は2勝を挙げ、3着内率では22.7%だが、着外はすべて地方馬で、JRAに限れば同100%。過去5回に限ると、3着以内15頭中12頭は4、5歳と比較的若い世代の活躍が目立つ。なお牝馬では、15年1着コーリンベリー、01年2着ブロードアピールが馬券に絡んでいる。
[表4]年齢別成績(大井での過去7回)
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3歳 | 0-0-1-3 | 0.0% | 0.0% | 33.3% |
4歳 | 2-2-1-17 | 9.1% | 18.2% | 22.7% |
5歳 | 3-2-4-9 | 16.7% | 27.8% | 50.0% |
6歳 | 1-0-1-15 | 5.9% | 5.9% | 11.8% |
7歳 | 1-2-0-21 | 4.2% | 12.5% | 12.5% |
8歳以上 | 0-1-0-17 | 0.0% | 5.6% | 5.6% |
東京盃1~4着馬が6勝
大井で行われた過去7回で上位馬の臨戦過程は同じ舞台の東京盃JpnⅡ組が圧倒的に多く、7頭の勝ち馬のうち6頭が同レースから。東京盃組で3着以内に入ったのは1~4着馬のみで、特に東京盃1着馬は3勝、2着1回。同年のマイルチャンピオンシップ南部杯JpnⅠからは7頭が出走して2、3着各1回だが、その2頭とも南部杯を勝って臨んでいた。またスプリンターズステークスGⅠからの参戦も2着1回、3着2回と侮れない。
[表5]同年の東京盃出走馬の着順別成績(大井での過去7回)
着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 3-1-0-3 | 42.9% | 57.1% | 57.1% |
2~4着 | 3-1-2-10 | 18.8% | 25.0% | 37.5% |
5着以下 | 0-0-0-27 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
勝つのはこういう馬!
大井で行われた過去7回の勝ち馬のうち、07年のフジノウェーブ(大井)を除く6頭は、『前走が東京盃で1~3番人気かつ1~3着』という共通項があった。このレースと同舞台で実施される前哨戦で上位人気に推され、結果を残している馬が狙い。
[表6]優勝馬の『前走・単勝人気・着順』(大井での過去7回)
年 | 優勝馬 | 前走・単勝人気・着順 |
---|---|---|
01年 | ノボジャック | 東京盃・1番人気・1着 |
03年 | サウスヴィグラス | 東京盃・1番人気・2着 |
04年 | マイネルセレクト | 東京盃・1番人気・1着 |
07年 | フジノウェーブ | 帝王賞・6番人気・11着 |
11年 | スーニ | 東京盃・3番人気・1着 |
15年 | コーリンベリー | 東京盃・2番人気・3着 |
17年 | ニシケンモノノフ | 東京盃・1番人気・3着 |
(栗田勇人)
注記
当ページの情報は、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。