『 荒尾ダービー 』
北は北海道から南は沖縄まで、日本全国の競馬ファンの皆様、いかがお過ごしでしょうか。佐賀競馬の実況放送を担当しています、中島英峰です。超長期大型休暇をお楽しみ中の方々も、そろそろ通常の生活環境に戻る準備をされていることと思います。今年のゴールデンウイーク、お天気に恵まれた地域が多かったようで、有名な観光地などは大変な賑わいだったことでしょう。私の地元でも、あちこちで車が渋滞して、身動きがとれなかったという話を耳にしました。なお私は仕事柄、休日の行楽地へのドライブとは近年ほとんど無縁ですので、実際に遭遇したわけではありません。遅ればせながら、週明けあたりに少し遠出をしてみようかと計画中です。
さて先日のブログでご案内させて頂きましたように、連休中の九州競馬、5月初旬の日程は5日間連続開催でした。初めに荒尾競馬が、土曜日・日曜日。そして佐賀競馬が、祝日の月曜日・火曜日・水曜日に実施されました。おかげさまで、多くの九州競馬ファンの方々にお越し頂きました、ありがとうございます。そこで今日の話題は、5月2日の日曜日、荒尾競馬場で行なわれました荒尾ダービーです。
日本で一番早いダービー、荒尾ダービー。当日は福山ダービーも行なわれましたが、発走時刻の関係上、今年最も早く実施されたのは荒尾ダービーです。出走メンバーは、地元の荒尾勢が8頭、佐賀からは3頭が遠征、そして高知からの挑戦馬が1頭でした。私が個人的に注目したのは、ダイヤアストライア・テイエムアコガレ、一週間前のル・プランタン賞に出走した両馬です。笠松ガールズの大移動つき中5日には及びませんが、連闘で重賞レースに挑戦してきました。
レース前の出走馬の評価は、メイオウセイ・ダイヤアストライアが、ほぼ同じ位の1番人気と2番人気。ゴールドルミナスが3番人気で、佐賀勢が上位に支持されました。高知のリワードシャンヴルは、さほど差のない5番人気でした。
佐賀 メイオウセイ | 佐賀 ダイヤアストライア |
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佐賀 ゴールドルミナス | 高知 リワードシャンヴル |
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荒尾勢の筆頭は、4番人気のテイエムアコガレ。少し離れて、アラバマフォンテン・シゲルオカメノカタが、並んで6番人気と7番人気。アソノビックガールは、10番人気でした。
荒尾 テイエムアコガレ | 荒尾 アラバマフォンテン |
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荒尾 シゲルオカメノカタ | 荒尾 アソノビックガール |
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当日の天候は晴れ、馬場状態も良の発表です。荒尾ダービーのゲートは、向正面に置かれました。向正面の直線、少し2コーナー寄りからのスタートです。ほぼ揃った出足の先行争いから、まずシゲルオカメノカタの尾林幸彦騎手が、迷いなく先手を取りに動きました。アラバマフォンテンの吉留孝司騎手も、勢いよく押し上げて先行集団の一角に加わります。高知のリワードシャンヴルは、ダイヤアストライアと共に、後方集団を構成しました。
荒尾勢がレースの主導権を握った形で、一周目のスタンド前に入りました。メイオウセイ・テイエムアコガレは、先行集団を見ながらレースを進めています。そしてゴールドルミナスの真島正徳騎手と、アソノビックガールの杉村一樹騎手は、終盤の差し足に勝負を賭けているようです。
レースが大きく動き始めたのは、やはり二度目の向正面でした。ここぞと動いたメイオウセイの吉田順治騎手が、先行する荒尾勢をめがけて進出、シゲルオカメノカタ・アラバマフォンテンに取り付き始めます。同時にテイエムアコガレの山口勲騎手が、絶好のポジションから抜け出しを図ります。
ゴールデンウイークの日曜日、絶好の競馬観戦日和です。日本一早いダービー馬の誕生を見届けようと訪れた、多くの九州競馬ファンの歓声に沸きます、荒尾競馬場。最後の直線に入っても、前にいる荒尾勢の脚色は衰えません。尾林幸彦騎手と吉留孝司騎手が、壮絶な追い比べを演じ続けて、直線も半ばを過ぎました。栄光まであと100米、その時ついに吉田順治騎手の相棒が、大外から自慢の末脚を見せつけました。
優勝 佐賀 メイオウセイ 吉田順治
2着 荒尾 アラバマフォンテン 吉留孝司
3着 佐賀 ゴールドルミナス 真島正徳
優勝したメイオウセイは、後続集団に2馬身半差をつけての快勝でした。そして2着から7着までは、まさに大混戦でした。アラバマフォンテン・ゴールドルミナス・シゲルオカメノカタ・テイエムアコガレ・アソノビックガール・ダイヤアストライア、6頭による0.4秒差の激闘に、九州競馬ファンは声を枯らせてしまったことでしょう。
日本で一番早く今年のダービー馬の称号を手にしたのは、メイオウセイでした。三小田幸人調教師は、荒尾ダービー初優勝。手綱をさばいた吉田順治騎手は、三度目の優勝でした。メイオウセイ陣営は、堂々と胸を張って九州ダービー栄城賞に駒を進めます、ご声援をよろしくお願いします。
さて今日も最後に、5月の九州競馬の開催日程をご案内させて頂きます。
荒尾競馬は、今週の土曜日・日曜日、8日・9日の2日間です。
佐賀競馬は、来週の土曜日・日曜日、15日・16日の2日間です。16日は、栄城賞ST鯱の門特別があります。
それでは全国の競馬ファンの皆様、今週も地方競馬でごゆっくりとお楽しみ下さい。
第24回東京湾カップ
こんにちは。東京ダービー実況担当(予定)の大川充夫です。この季節になって花粉症の症状がひどくなってきました(涙)。
5月4日(火曜日)、船橋競馬場では
第24回東京湾カップがおこなわれました。さきにご紹介したとおり、この東京湾カップも東京ダービーへの重要なステップレースです。1着馬には東京ダービーへの優先出走権があたえられます。…もっとも、ここを勝ってしまえば収得賞金で出走できてしまうことでしょうが。
東京ダービーをまる1ヶ月後にひかえておこなわれた東京湾カップ、勝ったのは
マグニフィカでした。
このマグニフィカという馬、昨年の6月にデビューすると破竹の4連勝。南関東地区の2歳戦では最初の大きな関門といえる、
準重賞・ゴールドジュニアーを制覇しています。
ご覧になるファンのみなさまや、われわれ関係者が、この世代のスターとして最初に認識したのがこのマグニフィカだったのです。もちろん他陣営もこの馬を強力なライバルとして意識しました。昨年秋、早い段階では、
「マグニフィカに勝ってみせる!」
というようなコメントが他陣営から聞かれたりしたものです。それだけ強力な相手としてとらえられていたということです。
そのマグニフィカは、11月4日、南関東地区では最初におこなわれる
2歳重賞・ハイセイコー記念で初重賞タイトルをねらいます。4戦負けなしでの出走、もちろん圧倒的な人気。
…が、ここでおそらく陣営としては「まさかの」敗北(3着。勝ったのはショウリュウ。2着ドラゴンキラリ)。
つづいて12月16日、川崎の
全日本2歳優駿に挑戦しましたが、11着と大敗してしまいます(勝ったのは…って書く必要ありますか?ラブミーチャンです。強かったなあ。まあいろいろあって、ラブミーチャンの名前がこのダービーウィーク関係の文章に出てこないというのは、残念だと言える…かな?よくわかりませんが)。
世代で最初に主役と目されたマグニフィカは、このあとレースから遠ざかります。
名前を聞かないまま、目にしないまま。
例年どおり、ホッカイドウ競馬からの移籍組が活躍を見せるようになり。
JRAからも実績のある馬がやってきて。
三冠レースも第1弾が終了し。
主役はオレだ!と言わんばかりの役者で舞台はごった返しています。
そんな中でおこなわれた東京湾カップに、マグニフィカは登場したわけです。
大敗して休養。休みあけ。
評価は決して高くありません。
羽田盃で好走を見せた
ブンブイチドウが人気をあつめ、3月に川崎でおこなわれた
クラウンカップでも人気をあつめた(2着)
テラザクラウドがこれにつぐ人気。
マグニフィカは結局5番人気(単勝15倍以上だった。オイシイ思いをされた方も多くいらっしゃることでしょう・羨)。
レースはナンテカの逃げ。マグニフィカは好スタートからすぐ2番手につけました。
人気のブンブイチドウやテラザクラウドは中団からの競馬。いくらか互いを牽制しあった感がないでもありません。
マグニフィカは残り1000メートルを切ったあたりでナンテカをかわして先頭にたちました。ナンテカも追いすがり、2頭が3番手以下を大きく離していく展開に。
ナンテカは4コーナー手前で苦しくなり後退。3番手以下は…なかなか差をつめてこない、いや、こられないのか。
結局早めに後続につけた差をさらにひろげ、悠々と、堂々と、マグニフィカが押し切りました。2着のブンブイチドウにつけた差は
5馬身。圧勝でした。
2〜6着は、ハナ・クビ・クビ・アタマ差という激戦で、その混戦ぶりが、はるか先にゴールを駆けぬけたマグニフィカの強さを一層きわだたせることになりました。
世代最初のスターが復帰初戦に見せた、強烈なパフォーマンス。
混戦だ、混戦だ、と言われつづけてきた南関東三冠戦線ですが、東京湾カップを見て考えを変えたという方もあるのではないでしょうか。
そこまでじゃないよ、という方でも、主役グループ(という言い方があるかどうか知らない)の1頭にこの馬をくわえることには反対しないハズ。
6月2日の東京ダービー。
本番へむけて、舞台中央に名役者がひとり、くわわりました。
〜駿蹄賞〜
競馬ファンの皆様、こんにちは。ゴールデンウィークは、お近くの競馬場、あるいは連休を利用して、遠征に出かけた方も、いらっしゃることと思います。お天気にも恵まれ、名古屋競馬のGW開催は、多くのお客様にお越しいただきました。そんな中、5/5に行われたのが、今年で49回目となる「駿蹄賞」でした。
春の3歳重賞、伝統ある「駿蹄賞」は、東海ダービートライアル競走でもあり、2着馬までに、東海ダービーへの優先出走権が与えられ、一ヶ月先の東海ダービーを占う上で、重要なレース。
今年の駿蹄賞は、傑出馬不在の混戦模様。2歳、3歳の重賞戦線を引っ張ってきた、パラダイスラビーダ(牡・新山廣道厩舎)やタンブリングダンス(牡・藤ケ崎一男厩舎)が、故障によって戦線離脱。どの馬が、ダービーへ名乗りを挙げるか、注目されました。
レースは、中団に待機していた、ラッキーサンライズ(牡・川西毅厩舎)が、4コーナー手前で、前団をひと捲り。先頭に立って、後続の追撃を押さえて、2馬身差の完勝。駿蹄賞を制し、1冠目を手にしました。2着は、後方から追い込んだホウライオーカン(牡・藤ケ崎一男厩舎)。3着は、1番人気のメモリーキャップ。
上位2頭が、東海ダービーへの優先出走権を獲得しました。終わってみれば、JRA交流の勝ち馬のワンツー決着。駿蹄賞の上位馬と、前回ご紹介したエレーヌを中心とした、東海ダービーとなりそうです。