subHead
▼ 2010年4月 ▼
123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930


▼ 2010年5月 ▼
1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031


▼ 2010年6月 ▼
12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930   
トップページダービーウイークとは?各レース&競馬場紹介出走予定馬場外発売・電話投票情報CMギャラリーイベント情報レース結果
実況アナウンサー リレーブログ
実況アナブログ



アナウンサー







九州ダービー・中島 英峰 岩手ダービー・長田 信也 北海優駿・小枝 佳代 東京ダービー・大川 充夫 兵庫ダービー・竹之上 次男 東海ダービー・藤原 健一

『 王様 』




北は北海道から南は沖縄まで、日本全国の競馬ファンの皆様、いかがお過ごしでしょうか。佐賀競馬の実況放送を担当しています、中島英峰です。昨日から今日そして明日、ダービーウイーク開幕に向けて、カウントダウンが進みます。待ち遠しく思っていたその日が、もう間もなく訪れようとしています。

さて私だけではないと思いたいのですが、半世紀余りの時を過ごした昨今、何かと過去の話をする場面が多くなってきました。同世代の集まりなどでは、未来に向けた建設的な話題よりも、場が盛り上がります。しかも昔話が始まると、話題が尽きないのです、なかなか終わりません。私の書いた文章を読まれた方は、お察しのことでしょう。今年の栄城賞に直接関連しない話題を、既に二つも取り上げています。まず腕白坊主、そして扇の舞姫。もちろん両馬の活躍は、過去の話ではありません、現在進行形です。敢えて理由を付けて述べれば、今回の栄城賞に登場する優駿達にも、彼や彼女のような全国区の人気者になってほしい、という想いからです。そこで今日の昔話は、私の競馬実況人生において、最も強烈な印象を与えてくれた優駿、王様です。

今から10年前、競馬場間の交流を活性化するため、九州競馬が誕生しました。これにより各競馬場の重賞競走の多くは、九州地区全体に門戸を広げます。優駿達の目標とする舞台が、より大きなものに変わったのです。2000年から2007年まで荒尾ダービーには、九州皐月賞の冠が加えられました。また2001年に栄城賞は、佐賀ダービーから九州ダービーに名称を改めます。そして2004年にロータスクラウン賞として実施時期が少し変わりますが、当時の九州三冠の一角をなしていたのは九州菊花賞でした。九州競馬が誕生して10年余り、これまでの歴史の中で、九州三冠馬に輝いたのは1頭だけです。8年前の九州皐月賞荒尾ダービー、続く九州ダービー栄城賞、更に九州菊花賞。いずれも九州競馬ファンの多くの期待に応えて、全てを制覇した王様、カシノオウサマです。

2002.6.23 栄城賞 カシノオウサマ 北村欣也


その後もカシノオウサマは、九州競馬において数多くの重賞競走を制覇します。更にダートグレード競走では、地元開催のレースに止まらず、積極的に他地区への遠征を行ないました。そして幾度も上位入賞を成し遂げて、九州最強馬の地位を不動のものにします。まさに当時の九州競馬ファンにとって、カシノオウサマの存在は、夢と希望を持たせてくれる王様でした。その活躍ぶりを文章にすると、長くなり過ぎますので、ここでは控えさせて頂きます。カシノオウサマの戦績は、地方競馬情報サイトのデータルームにて、検索することが出来ます。

カシノオウサマ、九州競馬王国を築いて頂戴。これは、あるレースにおける最後の直線半ば、実況中に私が発した言葉です。おそらく競馬実況アナウンサーの多くは、在り来たりのものではない、なにか気の利いた言葉を使って、レースの場景を表現したいと考えています。もちろん文章にして書いたものを、実況中に読み上げるわけではありません。あらかじめ色々な状況を想定して、それらの場面に相応しい言葉を思い浮かべてから、出来るだけ多くのものを頭の中に蓄えておきます。言い換えれば、時として生まれるアナウンサーの名言は、日々の努力の積み重ねと経験の賜物です。そして迷言もまた、同様の過程を経た上で、恥ずかしながら世に放たれてしまうのでした。

ところが私の実況において、ただ一度だけ、上記の過程を経ることなく生まれた言葉があります。柏の王様、九州競馬王国を築いて頂戴。常に突込み所が満載の、私が発した幾多の迷言の中において、群を抜く迷言。それは優駿達が最後の攻防を演じている時に、突然まったく白紙の状態から、私の頭の中に姿を現し、公のもとに晒されてしまった言葉でした。私の四半世紀に及ぶ実況人生において、ただ一度だけの出来事です。このため2002年の九州三冠馬は、今も私の心の中で、王様として君臨し続けています。以上の理由から、私の競馬実況人生において、最も強烈な印象を与えてくれた優駿は、九州競馬ファンに王様と呼ばれ愛された、カシノオウサマです。

さて今日も最後に、5月の九州競馬の開催日程をご案内させて頂きます。
今週の荒尾競馬は、27日・28日の木曜日・金曜日。そして佐賀競馬が、29日・30日の土曜日・日曜日です。
いよいよ5月30日の日曜日は、ダービーウイーク開幕初日、九州ダービー栄城賞です。
それでは全国の競馬ファンの皆様、今週も地方競馬でごゆっくりとお楽しみ下さい。






協賛JBCsss(順不同)
主催さがけいばみちのくホッカイドウ競馬tck 姫路名古屋(開催日順)